演劇

文学座 3月アトリエの会 岸田國士フェスティバル『歳月/動員挿話』【加筆修正】

岸田國士の『歳月/動員挿話』を観た(3月26日 14:00/ 文学座アトリエ)。 美術:島根慈子、石井強司 照明:阪口美和 音響:丸田裕也 衣裳:宮本宣子 舞台監督:岡野浩之/制作:田中雄一朗、友谷達之、最首志麻子/宣伝美術:藤尾勘太郎 当初は他の公演と…

劇団銅鑼公演 No. 54 詩森ろば『蝙蝠傘と南瓜』& unrato #6 木下順二『冬の時代』

『蝙蝠傘と南瓜』(3月20日 14:00/銅鑼アトリエ)と『冬の時代』(3月21日 15:00/東京芸術劇場 シアターウエスト)の2日目を観た。 『蝙蝠傘と南瓜』は詩森ろばが劇団銅鑼のために書いた新作で、幕末から明治への激動期に日本(世界)初の女性写真家とな…

新国立劇場 演劇『どん底』2019/喜びは伝わったが

ゴーリキーの『どん底』を観た(10月18日 18:30/新国立小劇場)。楽日の三日前となったのは、12日(土)13:00の公演が台風19号の影響で中止となり、振り替えたため。 最後に『どん底』を見たのはもうずいぶん前だ。演出は千田是也(1904-94)、場所は砂防会…

DULL-COLORED POP 福島三部作・第三部『2011年:語られたがる言葉たち』

福島三部作 第三部『2011年:語られたがる言葉たち』二日目マチネを観た(8月15日 14:00/東京芸術劇場 シアターイースト)。 作・演出:谷 賢一/美術:土岐研一/照明:松本大介/音響:佐藤こうじ/衣裳:友好まり子/舞台監督:竹井祐樹/演出助手:美波…

DULL-COLORED POP 福島三部作 第二部『1986年:メビウスの輪』昨年の第一部も少々【+脚注】

福島三部作 第二部『1986年:メビウスの輪』の二日目を観た(8月9日19:00/東京芸術劇場シアターイースト)。 簡単にメモする。が、その前に、昨年7月に観た第一部『1961年:夜に昇る太陽』についても少しだけ。 細部は覚えていないが、こころが強く動いた舞…

すみだサマーコンサート2019 バレエ音楽『ロメオとジュリエット』上岡・新日本フィルと中高生演劇のコラボ

「すみだサマーコンサート2019 ―Chance to Play―」を聴いた(7月27日 14:00/すみだトリフォニーホール)。 中高生による演劇と上岡が率いる新日本フィルのコラボ。素直で物怖じしない前者の演技を、後者は美しく時に苛烈ともいえる極上の演奏で支えた。ある…

利賀演劇人コンクール2019 第一次上演審査 後半

「利賀演劇人コンクール2019」第一次上演審査の後半を観た(5月4日 15:30-19:10/こまばアゴラ劇場)。 □第一次上演審査 審査員(50音順・敬称略) 相馬千秋(あいちトリエンナーレ2019 キュレーター) 野村政之(演劇制作者・ドラマトゥルク) 平田オリザ(…

利賀演劇人コンクール2019 第一次上演審査 前半

「利賀演劇人コンクール2019」の第一次上演審査 前半を観た(5月2日 15:30-19:20/こまばアゴラ劇場)。 昨年スタートした「こまばアゴラ演出家コンクール」はたいへん面白かった(一次審査・二次審査)。これを見るために劇場の支援会員になったといっても…

新国立劇場 演劇研修所 第12期生修了公演『るつぼ』2019

修了公演『るつぼ』を観た(2月12日 18:30/新国立小劇場)。遅ればせながら感想メモをアップする。 この演目は正直シンドイので見るつもりはなかったが、知人から出演の知らせが入り行くことに。見てよかった。7年前の本公演も演出は同じ宮田慶子。その時よ…

iaku 演劇作品集2/死者との対話&二重唱から六重唱へ 2018【断片】

はてなダイアリーの停止を受け、やむなく下書き欄のメモをそのままアップすることにした。『梨の礫の梨』については完成していたが、『粛々と運針』は断片のみ。 2018年5月26日(土)15:00(約60分)こまばアゴラ劇場 『梨の礫の梨』(2012) 演出:横山拓也…

新国立劇場 演劇『スカイライト』本公演 2018/プレビューとの比較

『スカイライト』本公演の中日を観た(12月15日 18:00/新国立小劇場)。 やはりプレビュー初日とはまったく違う。2回のプレビューと三日間の稽古を経て10回余りの上演を重ねてきた舞台。俳優たちは役を生きつつ、さらに成長してきたのだろう(あの膨大な科…

新国立劇場 演劇『スカイライト』プレビュー1日目の感想【関連リンク追加】

デイヴィッド・ヘア作『スカイライト』のプレビュー一日目を観た(12月1日 14:00/新国立小劇場)。小川絵梨子が芸術監督に就任後、初めての演出作品。 新シーズンの前二作はいずれもキャスティング等に疑問を感じた。カミュの『誤解』(10月)では演出の稲…

青年団第80回公演『ソウル市民』『ソウル市民1919』 歌の力

『ソウル市民』『ソウル市民1919』をそれぞれ同日のマチネとソワレで観た(10月20日 14:30, 18:00/こまばアゴラ劇場)。 『ソウル市民』(初演 1989年)はフレデリック・フィスバック演出を見たのみで(2005年12月/シアタートラム)、『ソウル市民1919』(…

俳優座劇場『十二人の怒れる男たち』ファイナルステージ 2018

昨日『十二人の怒れる男たち』を俳優座劇場で見てきた(9月8日 14:00/俳優座劇場)。演出:西川信廣、翻訳:酒井洋子。 このプロダクションを見るのはたしか四回目だが(昨年の公演)、今回で「一旦区切りのファイナルステージ」となるらしい(プログラム/…

青年団第79回公演『日本文学盛衰史』/質の高い知的エンターテインメント

平田オリザの新作『日本文学盛衰史』の初日と中日を観た(6月7日,22日 19:30/吉祥寺シアター)。 原作者の高橋源一郎は前に朝日の論壇時評を楽しみに読んでいたが、小説はまったく未読。公演の数日前に小説『日本文学盛衰史』(2001)をあわてて読み始めた…

iaku 演劇作品集1/関西弁の対話劇

横山卓也の作品を初めて観た(5月19日 15:00, 19:00, 26日 15:00, 19:00/こまばアゴラ劇場)。関西弁による対話劇は思いのほか質が高く、演劇特有の喜びも味わえた。これもアゴラ劇場の支援会員になったお陰。見た順にメモを記す。まずは19日の2作品から。…

こまばアゴラ演出家コンクール 二次審査 2018

一次審査(金曜)の二日後(日曜)二次審査も見てきた(5月13日 14:00-18:30/こまばアゴラ劇場)。 審査員平田オリザ(こまばアゴラ劇場芸術総監督・劇作家・演出家) 岩井秀人(劇作家・演出家・俳優) 佐々木敦(批評家) 松田正隆(劇作家・演出家) 柳…

こまばアゴラ演出家コンクール 一次審査 2018

劇場支援会員限定公演「こまばアゴラ演出家コンクール」の一次審査を観た(5月11日 17:30-21:00/こまばアゴラ劇場)。今年度初めて支援会員になったのはこれが目当てだった。 実行委員会によれば、100名を越える応募者から二段階の書類(資料・映像等)審査…

詩森ろば『おとうふコーヒー』劇団銅鑼公演 2018

劇団銅鑼の『おとうふコーヒー』を観た(3月13日 14:00/東京芸術劇場シアターイースト)。 詩森ろばの作品を見たのは二年前の『残花――1945 さくら隊 園井恵子』が初めてで、強く印象づけられた。今回はどうか。簡単にメモする。 美術:田中敏恵 照明:杉本…

『フェルメールと風俗画の巨匠たち――鼓舞と対抗』@ダブリン 2017/画家の創意と劇作術

2017年8月15日(火)15:40 Vermeer and the Masters of Genre Painting: Inspiration and Rivalry@National Gallery of Irland, Dublin 昨年の8月初旬から約一ヶ月間アイルランドのダブリンへ出張。中心街を歩いていると、偶然フェルメール展のフラッグが目…

パルコ・プロデュース2018『アンチゴーヌ』/圧倒的な舞台

アヌイの『アンチゴーヌ』を観た(1月14日 13:00/新国立小劇場)。 近年稀に見る圧倒的な舞台。出演者の演技はみな質が高く、特にアンチゴーヌの蒼井優は歴史に残る名演を見せた。 栗山民也は新国立劇場の研修所長時代に修了公演で本作を上演している(2015…

8月のフィールドワーク@ダブリン 2017【写真追加】

今年は8月6日(日)から約一ヶ月間アイルランドのダブリンに出張した。時間的には比較的恵まれ、許される範囲で当地の劇場文化をフィールドワークした。ただ8月はシーズンオフでめぼしい公演はあまりない。ロンドンへ行けば話は別だが「業務」上、ダブリンを…

新国立劇場 演劇『プライムたちの夜』/置き去りにされたペンギンたち/平田オリザ、カレル・チャペック

開場20周年記念公演『プライムたちの夜』三日目のソワレを観た(11月9日 19:00/新国立小劇場)。面白かった。演劇誌に台本が掲載されているかと思ったら、残念ながらその予定はないという。 アンドロイドが登場する(平田演劇のように本物ではないが)設定…

チェルフィッチュ『部屋に流れる時間の旅』東京公演 2017

チェルフィッチュの『部屋に流れる時間の旅』を観た(6月18日 14:00/シアタートラム)。 フライヤーによれば、2016年3月に京都で初演。その後、世界16都市を巡り、今回の東京公演を迎えたとのこと。見たのは三日目のマチネー。期待を裏切らぬ舞台。もっとま…

俳優座プロデュースNo.102『十二人の怒れる男たち』2017【追記】+脚注

『十二人の怒れる男たち』の三日目を観た(5月19日 19:00/俳優座劇場)。 このプロダクションで見るのは三回目か。初めは2011年。このときは#8のセリフが何度も止まりハラハラした記憶が。二回目は2015年。見る側の状況(体調等々)もあるが、あまりしっ…

劇団銅鑼 創立45周年記念公演 第1弾『彼の町――チェーホフ短編集より』

『彼の町』の初日を観た(3月15日 19:00/俳優座劇場)。 団友の鈴木瑞穂が演出の大谷賢治郎に「いつかチェーホフの短編集をやってみないか」と誘ったのがきっかけらしい。 作:青木 豪 演出:大谷賢治郎 cast 鈴木瑞穂(オフィス・ODA/団友) 館野元彦 三…

『お勢登場』片桐はいり・黒木華出演

『お勢登場』を観た(2月21日 14:00/シアタートラム)。 作・演出は倉持裕。江戸川乱歩(1894-1965)の八つの短編小説を再構成した作品。乱歩作品はテレビ・ドラマ等を見るのみで、原作はまったく読んだことがない。倉持の舞台を見るのは現代能楽集VII『花…

異文化コラボ/平田オリザ+盗火劇団『台北ノート』とケルティック能『鷹姫』

異なる文化に属するアーティストたちのコラボ。たまたま連続して見たので、併せてメモする。 まずは日本と台湾のコラボ作品『台北ノート』の初日から(2月15日 20:00/横浜美術館 グランドギャラリー)。 国際舞台芸術ミーティング in 横浜 2017 TPAMディレ…

劇団銅鑼『短編集』岸田國士・T.ウィリアムズ・小関直人「五感で楽しむ演劇」【訂正あり】

劇団銅鑼公演ドラマファクトリー vol. 10『短編集——3つの短編を彩る』の初日を観た(8月25日 17:00/銅鑼アトリエ)。 岸田國士の「温室の前」とテネシー・ウィリアムズの「ロング・グッドバイ」に小関直人の新作「僕を待つ部屋」を加えた三編。これらを連…

新国立劇場 演劇『焼肉ドラゴン』2016

『焼肉ドラゴン』再演の五日目を観た(3月11日 18:30/新国立小劇場)。 本作の初演は2008年4月。舞台に圧倒され、帰りにチケットを取り一週間後に再度見た。11年2月に再演したときは常連客の呉信吉役のみ新キャスト(体調不良のため)であとは全員同じ配役…