「木下晋展 いのちを描く」2019

「木下晋展 いのちを描く」を見た(11月14日、17日/ギャラリー枝香庵)。 枝香庵は2年前の「木下晋展 表現の可能性」で初めて訪れた。ギャラリーは古い銀座ビルディングの7Fと8Fにあるのだが、広い展示スペース(7F 枝香庵Flat)だけでなく、屋根裏を思わせ…

新国立劇場 演劇『どん底』2019/喜びは伝わったが

ゴーリキーの『どん底』を観た(10月18日 18:30/新国立小劇場)。楽日の三日前となったのは、12日(土)13:00の公演が台風19号の影響で中止となり、振り替えたため。 最後に『どん底』を見たのはもうずいぶん前だ。演出は千田是也(1904-94)、場所は砂防会…

11月のフィールドワーク予定 2019【キャスト一部変更】【追記】

今月は新国立劇場 三部門の上演作に注目している。オペラではドニゼッティの《ドン・パスクワーレ》が新制作され、劇場初演となる。演劇部門の『あの出来事』(2013年初演)は、極右青年がノルウェーで起こした銃乱射テロ事件を扱った作品で、登場人物は2人…

佐藤俊介とオランダ・バッハ協会管弦楽団/驚嘆すべき音楽家

「佐藤俊介とオランダ・バッハ協会管弦楽団」のコンサートを聴いた(10月5日 14:00/彩の国さいたま芸術劇場 音楽ホール)。 音楽監督/ヴァイオリン:佐藤俊介 ヴァイオリン:アンネケ・ファンハーフテン、ピーテル・アフルティト ヴィオラ:フェムケ・ハウ…

新日本フィル #611 定演/未完の二作

新日本フィルの定演 #611 トパーズ〈トリフォニー・シリーズ〉の初日を聴いた(10月4日 19:15/すみだトリフォニーホール)。指揮は上岡敏之、コンサートマスターは崔文洙。 フランツ・シューベルト(1797-1828)交響曲第7番 ロ短調 D759「未完成」 第1楽章は…

10月のフィールドワーク予定 2019【追記】

音楽では、新国立の新制作オペラ《オネーギン》、上岡=新日本フィルの〝モツレク〟音楽監督 佐藤俊介の率いるオランダ・バッハ協会の公演が並ぶ。/演劇では、野田秀樹の新作『Q』と、数十年ぶりに見る『どん底』がある。前者はたまたまフライヤーを見たの…

新日本フィル #609 定演 /ブルックナー#7/希望としての歌

新日本フィル #609 定演 ジェイド〈サントリーホール・シリーズ〉を聴いた(9月5日 19:00/サントリーホール)。指揮は上岡敏之。コンサートマスターは崔文洙。遅まきながら、ごく簡単にメモする。 フランツ・シューベルト(1797-1828):交響曲第4番 ハ短調…

9月のフィールドワーク予定 2019【再追記】

スウェーデン王立劇場の来日公演でベルイマンが『ハムレット』『サド公爵夫人』を演出したのは昭和が終わる頃だったか(東京グローブ座)。どちらも印象深いが、とりわけ後者はミリ単位の演出に舌を巻いた。その彼が書いたドラマとあれば、見ないという選択…

DULL-COLORED POP 福島三部作・第三部『2011年:語られたがる言葉たち』

福島三部作 第三部『2011年:語られたがる言葉たち』二日目マチネを観た(8月15日 14:00/東京芸術劇場 シアターイースト)。 作・演出:谷 賢一/美術:土岐研一/照明:松本大介/音響:佐藤こうじ/衣裳:友好まり子/舞台監督:竹井祐樹/演出助手:美波…

DULL-COLORED POP 福島三部作 第二部『1986年:メビウスの輪』昨年の第一部も少々【+脚注】

福島三部作 第二部『1986年:メビウスの輪』の二日目を観た(8月9日19:00/東京芸術劇場シアターイースト)。 簡単にメモする。が、その前に、昨年7月に観た第一部『1961年:夜に昇る太陽』についても少しだけ。 細部は覚えていないが、こころが強く動いた舞…

「バレエ・アステラス 2019」

「バレエ・アステラス 2019」の初日を観た(3日18:30/新国立劇場オペラハウス)。 今回は10回目を記念し2回公演となった(見たのは初日のみ)。なかなか見応えのある舞台だった。ごく簡単にメモする。 バレエ・アステラス委員(五十音順):安達悦子(東京…

8月のフィールドワーク予定 2019【一部訂正】

8月はバレエのガラ公演が二つとオペラ《フィデリオ》 がコンサート形式で上演される。吉田都は来年9月から新国立劇場の舞踊芸術監督に就任するが、『Last Dance』で現役ダンサーを引退する。古巣の英国ロイヤルバレエ団や、やがて自身が指導する新国立のダ…

すみだサマーコンサート2019 バレエ音楽『ロメオとジュリエット』上岡・新日本フィルと中高生演劇のコラボ

「すみだサマーコンサート2019 ―Chance to Play―」を聴いた(7月27日 14:00/すみだトリフォニーホール)。 中高生による演劇と上岡が率いる新日本フィルのコラボ。素直で物怖じしない前者の演技を、後者は美しく時に苛烈ともいえる極上の演奏で支えた。ある…

新日本フィル定演#608 トパーズ〈トリフォニー・シリーズ〉「リクエストコンサート」才能!

新日本フィルの定演で「リクエストコンサート」を聴いた(19日 19:00/すみだトリフォニーホール)。 指揮:上岡敏之/コンサートマスター:豊嶋泰嗣 ビゼー(1838):交響曲 ハ長調 なんと快活で瑞々しい演奏だろう。まさに音符が飛び跳ねているように感じ…

7月のフィールドワーク予定 2019【追記】

平田オリザの新作は日韓仏の共同公演だ。他に旧作のフランス語版等も見ることができる。大野和士が発案した〈オペラ夏の祭典 2019-20〉は「新国立劇場と東京文化会館が2020年に向けて」びわ湖ホールや札幌文化芸術劇場 hitaruなど「各地の劇場と連携して2年…

フィリップ・マヌリの音楽 2019/聴衆の並外れた傾聴【追記】

初めてマヌリの音楽を聴いた(6月13日 19:00/東京オペラシティ コンサートホール:タケミツ メモリアル)。 この公演で特筆すべきは、聴衆の〝並外れた傾聴〟だ。みんな物音ひとつ立てず集中して聴いていた。ただそれだけのこと。だが、昨今、そんな聴衆に…

6月のフィールドワーク予定 2019【追記】

すでに終わった二つの公演も記す(両者とも大変よい公演だった)。今年のコンポージアムはフィリップ・マヌリが審査員。新国立劇場バレエでは『アラジン』が再演される。振付のビントリーは来日するのだろうか。同じく新国立劇場のオペラ研修所が試演会で《…

新日本フィル定演 #606 トパーズ〈トリフォニー・シリーズ〉ヘレヴェッヘ初登場

新日本フィル定演 #606〈トリフォニー・シリーズ〉を聴いた(5月31日 14:00/すみだトリフォニーホール)。 メンデルスゾーン(1809-47) 序曲「フィンガルの洞窟」op. 26 〝いわゆる〟でない、初めて聴くような感触。すべてが〝ほどよく〟響き、各楽器の素…

新国立劇場オペラ《ドン・ジョヴァンニ》2019

《ドン・ジョヴァンニ》の初日を観た(5月17日 18:30/新国立劇場オペラハウス)。簡単にメモする。 指揮:カーステン・ヤヌシュケ(フランチェスコ・ランツィロッタは本人の都合でキャンセル) 演出:グリシャ・アサガロフ 美術・衣裳:ルイジ・ペーレゴ 照…

利賀演劇人コンクール2019 第一次上演審査 後半

「利賀演劇人コンクール2019」第一次上演審査の後半を観た(5月4日 15:30-19:10/こまばアゴラ劇場)。 □第一次上演審査 審査員(50音順・敬称略) 相馬千秋(あいちトリエンナーレ2019 キュレーター) 野村政之(演劇制作者・ドラマトゥルク) 平田オリザ(…

利賀演劇人コンクール2019 第一次上演審査 前半

「利賀演劇人コンクール2019」の第一次上演審査 前半を観た(5月2日 15:30-19:20/こまばアゴラ劇場)。 昨年スタートした「こまばアゴラ演出家コンクール」はたいへん面白かった(一次審査・二次審査)。これを見るために劇場の支援会員になったといっても…

5月のフィールドワーク予定 2019【追記】

昨年スタートした「こまばアゴラ演出家コンクール」はたいへん刺激的でめっぽう面白かった(一次審査・二次審査)。じつはこれを見るために劇場の支援会員になったといってもよいくらいだ。今年は「利賀演劇人コンクール」と連動し、一部内容をリニューアル…

4月のフィールドワーク予定 2019

四月の公演数は仕事上さすがに控えめ。春祭の《さまよえるオランダ人》に出演するターフェルを聴くのは久し振り。新国立の『かもめ』は全キャストオーディションでの公演だ。小川絵梨子監督の果敢な挑戦のひとつだが、オリジナルでなくストッパード版の使用…

新国立劇場バレエ DANCE to the Future 2019 初日【+千穐楽】

「DANCE to the Future 2019」の初日を観た(3月29日 19:00/新国立小劇場)。アドヴァイザー:中村恩恵 楽日も見る予定だが、とりあえず簡単にメモする。 【初日はC5、楽日はD2列で。3列離れるだけで全体がずいぶん見やすくなった。】 第1部 「ゴルトベルク…

新国立劇場バレエ『ラ・バヤデール』2019 初日(続き)&千穐楽【訂正加筆】

『ラ・バヤデール』初日(3月2日[土]13:00/新国立劇場オペラハウス)の続き。ニキヤ:小野絢子/ソロル:福岡雄大/ガムザッティ:米沢 唯 これまで小野は福岡と踊ると、やや小さく纏まる傾向が無きにしも非ず。一方、ゲストダンサー相手には、対他的なあ…

プレシャス・ストーン〈新日本フィル特典コンサート〉2019

会員が招待される「特典コンサート」を今年も聴いてきた(3月18日 19:00/すみだトリフォニーホール)。 昨年は音楽監督の上岡敏之によるピアノソロだったが、今回は若手団員と上岡との室内楽。客席はかなり埋まっていた。以下ごく簡単にメモする。 グリエー…

日本・ハンガリー国交樹立150周年記念『くちづけ〜現代音楽と能』

『くちづけ〜現代音楽と能』(3月9日 16:00/東京文化会館 小ホール)を聞い/観た。簡単にメモする。 能:青木涼子[ce] フルート:斎藤和志[abe] バスクラリネット:山根孝司[abce] クラリネット/バスクラリネット:コハーン・イシュトヴァーン[bce] ヴァイ…

新国立劇場バレエ『ラ・バヤデール』2019 ゲネプロ&初日/振付の変更

『ラ・バヤデール』のゲネプロと初日を観た(3月1日,2日 14:00/新国立劇場オペラハウス)。 ゲネプロは、4年前の前回公演同様、アトレ会員の特典。ゲネプロ後に本公演を体験すると、観客が舞台芸術を完結させる上でいかに必要不可欠かよく分かる(竹内敏晴…

BCJ 定演 #131〈祈りのカンタータ〉/二つの震災を想起して【追記】

近年 BCJ の演奏には何度も心が動かされた。しかも強く。定演での受難曲やモーツァルトの《レクイエム》以外でも、ベートーヴェン《ミサ・ソレムニス》(2017.2)、モンテヴェルディ《聖母マリアの夕べの祈り》(2017.9)、ベートーヴェン《第九》(2019.1)…

新国立劇場 演劇研修所 第12期生修了公演『るつぼ』2019

修了公演『るつぼ』を観た(2月12日 18:30/新国立小劇場)。遅ればせながら感想メモをアップする。 この演目は正直シンドイので見るつもりはなかったが、知人から出演の知らせが入り行くことに。見てよかった。7年前の本公演も演出は同じ宮田慶子。その時よ…