2012-06-01から1ヶ月間の記事一覧

新国立劇場 演劇公演『温室』 「不安定さ」の感受自体が不安定

新国立小劇場でハロルド・ピンター『温室』の初日を観た(2012.6.26)。 演出:深津篤史/翻訳:喜志哲雄/美術:池田ともゆき/照明:小笠原純/音響:上田好生/衣装:半田悦子 対面式の観客席に挟まれたグレーの舞台には、赤に統一されたデスクやソファー…

新国立劇場バレエ『マノン』2日目/ゲスト組 文化のグローバル化?

昨日『マノン』の2日目を観た(6月24日)。 マノン=サラ・ウェッブ/デ・グリュー=コナー・ウォルシュ/レスコー=古川和則アメリカからのゲストダンサーは二人ともしっかりと充実した踊り。サラ・ウェッブのマノンは踊り・演技ともさすがにこなれていた…

新国立劇場バレエ『マノン』初日 成熟/退廃の不在

昨夕、新国立劇場バレエの『マノン』初日を観た。 マノン=小野絢子/デ・グリュー=福岡雄大/レスコー=菅野英男 演出=カール・バーネット、パトリシア・ルアンヌ 指揮・編曲=マーティン・イエイツ/東京フィルハーモニー交響楽団特筆すべきは音楽の素晴…

小林紀子バレエ・シアター『マノン』2011 島添亮子&ロバート・テューズリー

昨日から新国立劇場バレエの『マノン』が開幕した。そのメモを記す前に、昨夏、小林紀子バレエシアターが上演した『マノン』のメモを転記する。バレエの『マノン』を久し振りに観た(新国立劇場/2011.8.27)。自分が『マノン』を作品として好むことをあらた…

日本へのオマージュ ビントレーのバレエ『パゴダの王子』

新国立劇場のホームページによれば、舞踊部門の芸術監督は2014年9月から大原永子(68)が就任するとの由。これは、デイヴィッド・ビントレー現芸術監督(2010年9月〜)があと二年で辞めることを意味する。やっと真っ当なキャスティングを期待できると思った…

F/Tの野外劇 カステルッチの「天」/飴屋の「地べた」/維新派の「戯画」/ポレシュの…

フェスティバル/トーキョー12の開催が決定したとのメールが届く。昨秋のF/Tは4つの野外劇を含む6公演を観た。そのうち、ロメオ・カステルッチの作品が私には圧倒的だった。遅まきながらその時の体験メモをアップしたい。 カステルッチといえば、2009年の『…

新国立劇場『ローエングリン』 フォークトの不思議な魅力

新国立劇場の新制作オペラ『ローエングリン』初日と四日目を観た(6月1日/10日) 指揮:ペーター・シュナイダー/東京フィルハーモニー交響楽団 演出:マティアス・フォン・シュテークマン/美術・光メディア造形・衣装:ロザリエ/照明:グイド・ペツォル…

演劇公演『サロメ』 官能性の不在

新国立劇場でオスカー・ワイルドの『サロメ』を観た(6月2日/中劇場)。 翻訳:平野啓一郎/演出:宮本亜門/美術:伊藤雅子白を基調にしたモダンなセット。上方に大きな鏡が設置され、舞台上手の警備モニターが宴会場の不機嫌なサロメを捉える。舞台と客席…