2012-07-01から1ヶ月間の記事一覧

大島莉紗ヴァイオリン・コンサート〜パリ・オペラ座からの便り〜第2回 「実存」を音化する音楽家/新国立劇場オペラ研修所 試演会 アリア抜きのオペラ

先週の土曜日は午前11時から「大島莉紗ヴァイオリン・コンサート〜パリ・オペラ座からの便り〜」をトッパンホールで聴き、その後、初台へ移動し、14時から新国立劇場オペラ試演会の「《コジ・ファン・トゥッテ》重唱で綴るオペラ短縮版」を聴いた(7月28日)…

バッハ・コレギウム・ジャパン(BCJ)の定期演奏会/非キリスト者にとっての〝教会〟

先週の金曜日、BCJの定演を聴いた(7月20日/東京オペラシティコンサートホール)。今回は「教会カンタータ」ではなく〈J. S. バッハ:世俗カンタータ全曲シリーズ Vol.2〉の「結婚カンタータ」。もちろん指揮は先頃ライプチヒ市からバッハ・メダルを授…

シー・イージェ(Shi Yijie)テノール・リサイタル 残念ながら・・・

水曜の夜シー・イージェ(石倚洁)のテノール・リサイタルを聴いた(7月18日/東京オペラシティコンサートホール タケミツメモリアル)。ピアノは浅野菜生子。数年まえ東フィルの定期でロッシーニの『ギョーム・テル』と『スターバト・マーテル』を聴いたと…

新国立劇場 演劇公演『温室』2回目/悪の造形について

昨夜『温室』の2回目を観た(7月13日)。 冒頭で段田安則=ルートがいきなり番号を間違えた。「6459号はどんな具合かね?」(正しくは「6457号」)。が、高橋一生=ギブズは何もなかったかのように応じる、「6457号でございますか?」/ルート「そう。」・…

シー・イージェ(石倚洁)のテノールがまた聴ける

上海生まれのテノール歌手シー・イージェ Shi Yijie(石倚洁)が日本での初リサイタルを開く。昨日の「朝日新聞」夕刊で初めて知った(危うく聴き逃すところ)。ただ、その記事には「韓国の若手テノール」と表記されていたが(もちろん中国が正しい)。 シー…

新日本フィル定期演奏会 トリフォニー・シリーズ第1夜/内面と外面のコントラスト/昨年のハーディング

新日本フィルの#497定演を聴いた(7月6日・トリフォニーホール)。指揮はダニエル・ハーディング。曲目は、シューベルトの交響曲第7(8)番 ロ短調「未完成」D759と、リヒャルト・シュトラウスの交響詩「英雄の生涯」op.40。コンマスは崔文洙。 「未完成」…

ベルトルト・ブレヒト『ガリレイの生涯』演劇集団 円 森新太郎演出/昨年の『ゴドー』と比べると・・・

翻訳:千田是也/演出:森新太郎 今日シアタートラムでブレヒトの『ガリレイの生涯』を観た(7月7日)。円の公演はほんとうに久し振り。80年代には安西徹雄訳・演出のシェイクスピアや渡辺守章訳・演出のラシーヌ、中村雄二郎企画のチェーホフや別役作品等々…

新国立劇場バレエ『マノン』2012 サミングアップ 楽日【追記】/イエイツ/プログラム/照明/キャスティング【追記】/MVP

楽日を3階バルコニーの後方で観た(7月1日)。 小野・福岡組の二回目。1幕だけ見れば、この演目を何度も踊っているかのようななめらかさと美しさ。福岡雄大の挨拶のソロは、初日より抑制的で、踊りの外形よりも内的なあり方を大事にしているように見えた。…

新国立劇場バレエ『マノン』4日目 山本隆之の奮闘/寺田亜沙子の喜び/酒井はなの不在

この日のキャストは見ないつもりだったが、偶々チケットを貰いけっきょく行くことに(6月30日)。 デ・グリューの山本隆之はよく奮闘したと思う。挨拶のソロは踊りとしては物足りない向きもあろうが、理知的な味をしっかり出していた。さすがである。寝室の…