6月のフィールドワーク予定 2026 +

今月はコンサート1,演劇2,バレエ5,オペラ1,の計9公演。

N響定期を振るドゥネーヴは、2022年にCプロ(当時は芸劇)でプーランクとガーシュインを指揮した。楽しめた記憶があるから、今回も期待したい。

1942年に宇部市の長生(海底)炭鉱で水没事故が発生し、大勢の朝鮮人鉱夫が犠牲になった。市民の「刻む会」による潜水調査や遺骨収容の取り組みは、昨年、ポリタスTVで初めて知った。今回この問題を劇化した舞台が上演される。『焼肉ドラゴン』の初演再演とファイナルでオモニ役を怪演したコ・スヒの〝劇団58ROUTE〟とシライケイタ率いる〝劇団温泉ドラゴン〟の共同制作だ。

新国立バレエ団『白鳥の湖』は例によって〝脳内キャスト〟と齟齬があり迷ったが、結局、ほぼ全キャスト見る羽目に(脳内キャスト…米沢/速水/木下 小野/福岡/中家 吉田/井澤/渡邊拓 東/李/井澤 直塚/渡邊峻/上中 山本/水井/木下)。

新国立演劇『リンゴが落ちる』は正直『ガールズ&ボーイズ』『エンドゲーム』とセット販売なので…。

新国立オペラ《エレクトラ》は2004年11月ハンス・ペーター=レーマン演出のウルフ・シルマー指揮で見た。好い舞台だったが、その後まったく再演されず。新制作のヨハネス・エラート演出/大野和士指揮ではどうか。

19日から濵口竜介監督の映画『急に具合が悪くなる』が上映される。宮野真生子と磯野真穂の往復書簡を読んだ。これをどう映画化したのだろう(映画を撮りたい黒崎煌代にとって、濵口の映画手法を体験できたのはよかったと思う)。

4日(木)19:00 N響 #2066 定期公演 B-1 オネゲル 交響詩《夏の牧歌》/ベルリオーズ 歌曲集《夏の夜》作品7/イベール《寄港地》/ドビュッシー 交響詩《海》/指揮:ステファヌ・ドゥネーヴ/メゾ・ソプラノ:ガエル・アルケーズ @サントリーホール

5日(金)19:00 劇団温泉ドラゴン×劇団58ROUTE 日韓共同制作『長生炭鉱――生きたかった』作:キム・ミンジョン/翻訳:石川樹里/演出:シライケイタ(劇団温泉ドラゴン)/アーティスティック・ディレクター:コ・スヒ(劇団58ROUTE)/美術:松村あや/照明:奥田賢太(コローレ)/音楽:的場英也/音響:角張正雄/衣装:西原梨恵/演出助手:EMMA/通訳:彩恵/方言指導:野依康夫/舞台監督:青木規雄(箱馬研究所)/宣伝美術:椚田透(nix graphics)/ハラスメント対策アドバイザー:植松侑子/アクセシビリティ・コーディネーター:宮本晶子/票券:山内祥子、大澤麻衣、甲斐美奈寿、河村美帆香/広報:ユカワユウコ、井上みなみ、染谷日向子(以上、合同会社syuz'gen)/企画プロデューサー:チョン・スヨン(劇団58ROUTE)/制作:古川真央、川勝俊輔、平野后久良、三次佑果(以上、合同会社syuz'gen)、チョン・イェジ(劇団58ROUTE)/出演:いわいのふ 健(劇団温泉ドラゴン) 筑波竜一(劇団温泉ドラゴン) 五十嵐 明(劇団青年座) 内田健介 京極洋太 清水直子(劇団俳優座) ソ・ドンガプ キム・ジェウン(劇団58ROUTE) イ・ジョンウォン(劇団58ROUTE) パク・ホンスン(劇団58ROUTE) ユ・シヒョン(劇団58ROUTE)/助成:文化庁文化芸術振興費補助金(舞台芸術等総合支援事業(公演創造活動))|独立行政法人日本芸術文化振興会/主催:座・高円寺(指定管理者:合同会社syuz’gen)、一般社団法人劇団温泉ドラゴン/共同制作:一般社団法人劇団温泉ドラゴン、劇団58ROUTE/後援:杉並区、Ministry of Culture, Sports and Tourism、KOFICE (Korean Foundation for International Cultural Exchange) Selected project under the <2026 Kore·A·Round Culture> @座・高円寺1

6日(土)18:30 新国立劇場バレエ団『白鳥の湖』振付:マリウス・プティパ &レフ・イワーノフ & ピーター・ライト/演出:ピーター・ライト &ガリーナ・サムソワ/音楽:ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー/美術・衣裳:フィリップ・プロウズ/照明:ピーター・タイガン/[配役]オデット&オディール:米沢 唯/ジークフリード王子:福岡雄大/ロットバルト男爵:中家正博/ベンノ:水井駿介/クルティザンヌ(パ・ド・カトル):東 真帆、小田那奈/ハンガリー王女:飯野萌子/ポーランド王女:根岸祐衣/イタリア王女:花形悠月/指揮:ポール・マーフィー/管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団 @新国立劇場オペラハウス

7日(日)14:00 新国立劇場バレエ団『白鳥の湖』オデット&オディール:吉田朱里/ジークフリード王子:井澤 駿/ロットバルト男爵:小柴富久修/ベンノ:中島瑞生/クルティザンヌ(パ・ド・カトル):花形悠月、山本涼杏/ハンガリー王女:榎本志結/ポーランド王女:堀之内咲希/イタリア王女:赤井綾乃/指揮:ポール・マーフィー/管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団 @新国立劇場オペラハウス

11日(木)18:30 新国立劇場バレエ団『白鳥の湖』オデット&オディール:木村優里/ジークフリード王子:速水渉悟/ロットバルト男爵:小柴富久修/ベンノ:中島瑞生/クルティザンヌ(パ・ド・カトル):花形悠月、山本涼杏/ハンガリー王女:金城帆香/ポーランド王女:山本涼杏/イタリア王女:五月女遥/指揮:冨田実里/管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団 @新国立劇場オペラハウス

13日(土)14:00 新国立劇場バレエ団『白鳥の湖』オデット&オディール:直塚美穂/ジークフリード王子:渡邊峻郁/ロットバルト男爵:小柴富久修/ベンノ:中島瑞生/クルティザンヌ(パ・ド・カトル):花形悠月、山本涼杏/ハンガリー王女:榎本志結/ポーランド王女:堀之内咲希/イタリア王女:赤井綾乃/指揮:冨田実里/管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団 @新国立劇場オペラハウス

14日(日)14:00 新国立劇場バレエ団『白鳥の湖』オデット&オディール:柴山紗帆/ジークフリード王子:李 明賢/ロットバルト男爵:井澤 駿/ベンノ:上中佑樹/クルティザンヌ(パ・ド・カトル):東 真帆、小田那奈/ハンガリー王女:金城帆香/ポーランド王女:山本涼杏/イタリア王女:五月女遥/指揮:ポール・マーフィー/管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団 @新国立劇場オペラハウス

15日(月)14:00 新国立劇場演劇『リンゴが落ちる』作:ノゾエ征爾/演出:金澤菜乃英/美術:池田ともゆき/照明:中川隆一/音響:上田好生/衣裳:柿野 彩/ヘアメイク:川端富生/演出助手:鈴木 修/舞台監督:野口 毅/出演:浜田 学 山口森広 梅舟惟永 宮川安利 大西多摩恵 @新国立小劇場

【19日(金)13:05 映画『急に具合が悪くなる』監督:濱口竜介/原作:宮野真生子 磯野真穂/脚本:濱口竜介 ルディムナ玲亜/撮影:アラン・ギシャウア/美術:ミラ・プレリ/衣装:カロリーヌ・シュピート/編集:山崎梓/音楽:サミュエル・アンドレイエフ/キャスティング:コラリー・アメデオ/劇中ワークショップ・演劇指導:砂連尾理/[キャスト]マリー=ルー・フォンテーヌ:ビルジニー・エフィラ/森崎真理:岡本多緒/清宮吾朗:長塚京三/窪寺智樹:黒崎煌代/オリヴィエ:ジャン=シャルル・クリシェ/ソフィ:マリー・ビュネル/ダミアン:ロマン・コタール/ロランス:マリー・ドゥナルノー/ジブリル:ガブリエル・ダマニ/ヴァネッサ:エロイーズ・ジャンジョー/アディジャ:セフォラ・ポンディ/マリオン:ハイディ・ベッカー=バベル/2026年製作 196分 G フランス・日本・ドイツ・ベルギー合作/配給:ビターズ・エンド/劇場公開日:2026年6月19日 @イオンシネマ板橋】

29日(月)19:00 新国立劇場オペラ《エレクトラ》新制作 全1幕〈ドイツ語上演/日本語及び英語字幕付〉作曲:リヒャルト・シュトラウス/台本:フーゴ・フォン・ホーフマンスタール/指揮:大野和士/演出:ヨハネス・エラート/美術:ハイケ・シェーレ/衣裳:ノエル・ブランパン/照明:オラフ・フレーゼ/映像:ビビ・アベル/[配役]クリテムネストラ:藤村実穂子/エレクトラ:アイレ・アッソーニ/クリソテミス:ヘドヴィグ・ハウゲルド/エギスト:工藤和真/オレスト:エギルス・シリンス/オレストの養育者:斉木健詞/クリテムネストラの腹心の侍女:中村真紀/クリテムネストラの裳裾持ちの女:杉山由紀/若い下僕:糸賀修平/年老いた下僕:河野鉄平/監視の女:森谷真理/第1の下女:金子美香/第2の下女:谷口睦美/第3の下女:清水華澄/第4の下女:髙橋絵理/第5の下女:田崎尚美/合唱:新国立劇場合唱団/管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団 @新国立劇場オペラハウス

新国立劇場バレエ団『ライモンダ』2026【追記】

『ライモンダ』の初日、2日目ソワレ、4日目マチネとソワレを観た(4月25日 土曜 14:00,26日 日曜 18:30,29日 水祝 13:00,18:30/新国立劇場オペラハウス)。全10公演 全5キャスト中の3キャストで、米沢・福岡は2回、小野・李、直塚・速水は1回ずつ(柴山・井澤、木村・渡邊峻郁は未見)。

牧版の初演は2004年10月全6公演(ザハロワ・ウヴァーロフ・ゼレンスキー[怪我で降板]→テューズリーx2/吉田都・スティーフェル・ガリムーリンx2/寺島ひろみ・森田健太郎・ガリムーリン/志賀三佐枝・山本隆之・ガリムーリン)E.フローリオ指揮 東フィル、再演は06年10月全5公演(寺島ひろみ・山本・富川祐樹/ザハロワ・コルスンツェフ・森田x2/パブレンコ・コルスンツェフ・山本[未見]/さいとう美帆・逸見智彦・市川透[未見])O.ウィルキンズ指揮 東フィル、再再演は09年2月全6公演(ザハロワ・マトヴィエンコ・森田x3/寺島・貝川鐵夫[体調不良で降板]→山本・森田/本島美和・山本・富川[未見]/川村真樹・碓氷悠太・富川)ウィルキンズ指揮 東響(素晴らしい演奏!)、4回目21年6月はコロナ禍で全5公演(米沢・福岡・中家x2/小野・奥村・中家/柴山・渡邊峻郁・速水[未見]/木村・井澤・速水)バクラン指揮 東フィル。今回は5回目の上演。

なお、米沢唯は2021年に牧版を初役で踊る前の2018年、ヴィハレフ復元版から影響を受けたアリーエフ版で全幕を踊っている(日本バレエ協会 東京文化会館)。

振付:マリウス・プティパ(初演時 80歳)/初演:1898年/演出・改訂振付:牧 阿佐美(初演:2004年/音楽:アレクサンドル・グラズノフ(初演時 33歳)/美術・衣裳:ルイザ・スピナテッリ/照明:沢田祐二/管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団/指揮:アレクセイ・バクラン

全体的に装飾的でパジェントリーな印象だった。中世の写本画を用いたスピナテッリの美しい美術・衣裳もその感を強めている。グラズノフの音楽もそう(リストのハンガリー狂詩曲14番・8番・2番を模したハンガリー風の曲は多少異なるか)。

プティパは本作で、物語より舞踊そのものを重視する傾向が強まったとワイリー(1990)やフリントン&スミス(2024)はいう。だが、初演ではドリ家の守護霊である白い貴婦人の存在や、アブデラクマンがライモンダの夢(幻影)に出てくる(本来は夢で初登場させるプランがアブデラクマン役のゲルトの出番を増やす為、夢の前にも登場させた)等、物語にもそれなりに奥行きはあった。だが、牧版では、白い貴婦人は不在のうえ、アブデラクマンがライモンダの夢に出てくることもない。その分、オリジナルより物語が平板で儀礼的になりやすい。それでも今回、タイトルロールをはじめ主演者が役を生きた舞台では、そのあり方が他のダンサーに伝播し、物語に血が通うさまを見ることが出来た。

吉田芸術監督が今回「演出を変えた」のは、アブデラクマンらの肌を塗らなかったことか。

【追記】念のため牧版のプロットを記す。

ハンガリー王の旗のもと、十字軍に遠征している騎士ジャン・ド・ブリエンヌと婚約中の伯爵令嬢ライモンダに、イスラム(サラセン)の騎士アブデラクマンが魅せられて求愛する(Ⅰ)。が、拒否されたため、令嬢を拉致しようとする。そこへ(イスラムとの)戦いに勝利した婚約者の騎士が帰還し〝恋敵〟と決闘して、イスラムの騎士を倒す。婚約者二人は勝利と再会を悦び(Ⅱ)、ハンガリー王臨席のもと、結婚の祝宴が盛大に開かれ、王に敬意を表したハンガリー風の舞踊が祝祭的に披露される(Ⅲ)。

牧版では、アブデラクマンが単なる悪玉でなく「サラセンの端正な騎士として登場」する。彼は、原典版(リブレット)や後の版では、ライモンダの誕生日(名の日)の宴に闖入する(ライモンダの夢での初出がプティパの意図だった)が、ここでは客として招待されている設定だ。イスラムの騎士を〝フェア〟に扱いたかったのかもしれない(夢に出ないのは面白みに欠けるが)。

それでも、キリスト教(カトリック)側が十字軍の戦いはもとより、決闘でもイスラム側に勝利し祝する舞台を見ると、この時期だけに、内心ざわざわした(理不尽にI国を攻撃するU国の国務長官は十字軍のタトゥーを入れているらしい…)。

牧版は『ライモンダ』に限らずキャラクターダンスがとても魅力的。

ついでながら、新国立劇場のフライヤーやオフィシャルサイトの「ものがたり」で「ベルギー王の家臣として十字軍の遠征に出ているジャン…」、「サラセンのアブデラクマン」とあるが、正しくは〝ハンガリー〟王、サラセンの〝首領(王子)〟

以下、各回ごとに簡単にメモする。

【初日25日】【29日ソワレ】ライモンダ:米沢 唯/ジャン・ド・ブリエンヌ:福岡雄大/アブデラクマン:中家正博(怪我のため降板 4/22→渡邊拓朗*/ドリ伯爵夫人:関 優奈*/アンドリュー2世ハンガリー王:趙 戴範*/ライモンダの友人 クレメンス:金城帆香*/同ヘンリエット:花形悠月*/同ベランジェ:森本晃介*/同ベルナール:中島瑞生/[ワルツ ファンタジア]第1ヴァリエーション:根岸祐衣*/第2ヴァリエーション:山本涼杏*/サラセン人:根岸祐衣、川口 藍、関 晶帆、小野寺雄、原 健太、宇賀大将/スペイン人:山本涼杏* 仲村 啓*/チャルダッシュ:原田舞子* 小柴富久修/マズルカ:関 晶帆、大木満里奈、白駒沙楽、橋本真央、花田美月、吉田明花/[グラン・バ・クラシック]飯野萌子、花形悠月、山本涼杏、赤井綾乃、東 真帆、内田美聡、川本果侑、堀之内咲希 上中祐樹、石山蓮、中島瑞生、仲村啓、山田悠貴、太田寛仁、田中陣之介、森本晃介/ヴァリエーション:飯野萌子/パ・ド・カトル:上中祐樹*、石山 連*、山田悠貴*、田中陣之介*/パ・ド・トロワ:赤井綾乃*、東 真帆*、川本果侑* [*この役でのデビュー]

【初日】

オケとてもよい。木管、特にクラリネット(リー・リーリンらしい)。拓朗アブデラクマンはプロローグでは目力というのか、ライモンダへの思いの強さをもっと…と感じた。が、1幕以降はよかった。優奈ドリ伯爵夫人は洗練と気品がある。慈愛も。

ワルツ ファンタジア 第1ヴァリエーション 根岸は踊りがやわらかくなった(まあそういう振付なんだけど)。第2 山本涼杏はやわらかで伸びやか。サラセン人 根岸よい。スペイン人 山本・仲村よい。

チャルダッシュ 原田舞子ハンガリアンのニュアンスがよく出てる。小柴はシェイプアップが必要か。

パ・ド・カトル みなよい。パ・ド・トロワ みなよい。特に東真帆。

【9日ソワレ】

プロローグで米沢ライモンダ登場。ジャンを捜す。カミテ後方から拓朗アブデラクマンが彼女を見つめる。そこへシモテから福岡ジャン・ド・ブリエンヌが現れる。すると、駆け寄るライモンダを尻目に、拓朗アブデは激しくジャンに敵意を表す。拓朗この日で4回目か。アブデの肚が育ってきてる。

優奈伯爵夫人のmercifulな表情、あり方、踊りは格式と敬虔さ?(この役に該当するオリジナルのシビル伯爵夫人は修道女の設定)ハンガリー王…

米沢ライモンダ登場 花を拾って…花束を夫人に渡し…後方から友人ふたりがうしろへ導こうとすると、あらっと振り向くライモンダ。ピッツィカートのソロ 丁寧な踊り。拓朗アブデラクマンと米沢ライモンダのやり取り…アブデの贈り物を断る…花束を持つ子どもふたり… まあ…これは断れない… 伯爵夫人と言葉を交わし、立ち去る拓朗アブデラクマン…

米沢ライモンダはザラついた空気を追い払うようにジャンの絵の方へ走り寄り、皆を促す。

夢の場 グラン・アダージョ 福岡と米沢が見交わす…福岡の表情…見たことない… 近藤コンマスのすみずみまでゆきとどいた演奏。まさに夢のような二人の踊りと演奏。福岡ジャンのヴァリエーション 精一杯の力強さ(彼には似合わぬ〝健気な〟感も)

2幕のソロ(ホルンからオーボエ)米沢は、アリーエフ版を踊ったときアントルシャ・カトルをポアントで見事に披露したが、この牧版ではシャンジュマンで気品と細やかさを体現し、サラセン人文化とのコントラストを際立たせた。

3幕のヴァリエーションは、宇宙の中でひとり孤高に佇み、祈りにも似た踊りを決然とかつ完璧に踊りきった。

このヴァリエーションは、文脈では、アブデラクマンの求愛と拉致を退け、迷いは消えてジャンと結ばれる悦びを踊る。臨席のハンガリー王に敬意を表しハンガリー風で。

ピアノのソロは、フリントン&スミスによれば、ハンガリー=ロマ(ジプシー)風の様式でツィンバロンの音色を模したものらしい。そこにプティパの即興的な振付が合わさり、独特の踊りになっている。

米沢の舞台には真実が宿る。相手役の福岡だけではない。いろんな役のダンサーとやりとりするだけで、そこに生命が真実が宿る。こんなダンサーは希有(木下、中家、そして関優奈にも同種を感じる)。

【2日目ソワレ】ライモンダ:小野絢子/ジャン・ド・ブリエンヌ:李明賢/アブデラクマン:上中祐樹*/ドリ伯爵夫人:関 晶帆*/アンドリュー2世ハンガリー王:中家正博/ライモンダの友人 クレメンス:東 真帆*/同ヘンリエット:飯野萌子*/同ベランジェ:長谷川諒太*/同ベルナール:水井駿介/[ワルツ ファンタジア]第1ヴァリエーション:榎本志結*/第2ヴァリエーション:堀之内咲希*/サラセン人:関 優奈、大木満里奈、木村優子、石山 蓮、田中陣之介、樋口 響/スペイン人:川口 藍* 中島瑞生*/チャルダッシュ:関 優奈* 宇賀大将*/マズルカ:根岸祐衣、大木満里奈、白駒沙楽、橋本真央、花田美月、吉田明花/[グラン・バ・クラシック]山本涼杏、花形悠月、金城帆香、東 真帆、榎本志結、小田那奈、川本果侑、堀之内咲希 原 健太、中島瑞生、仲村 啓、長谷川諒太、山田悠貴、渡邊拓朗、小川尚宏、森本晃介/ヴァリエーション:山本涼杏/パ・ド・カトル:中島瑞生、長谷川諒太*、渡邊拓朗、小川尚宏*/パ・ド・トロワ:花形悠月*、金城帆香*、堀之内咲希*

…夢の場

小野が表情を変えないのは夢だからか。小野は李を相手に、なにか微笑ましいような空気を作り出す。瑞々しさ。

その前のヴェール(スカーフ)で踊るときちょっとドキッとした。

コール・ドの隊列のあいだをカミテからシモテへ二人で歩いてきて…センターでポーズする。ただそれだけで心が動いた。

李のヴァリエーションでカミテからシモテへ…のムーヴメントでリズムが変わった、引っかかったわけではなく、そういうアクセントなのか。

上中アブデラクマンは力強いし踊りも悪くないが、なにか足りない。

晶帆ドリ伯爵夫人はクール(体温が低め)。中家アンドリュー2世王は内から王性が滲み出る。東クレメンス 腕の、脚のかたち、うごき、微細に分節する、天性の踊り手。長谷川ベランジェは質が高い。水井ベルナールはうまい。

ワルツ ファンタジア

第1ヴァリエーション榎本 第2 堀之内 長身の二人 きっちり踊る。

サラセン人優奈は楽しそうに踊る。伯爵夫人役との落差。

上中アブデラクマンと李ジャンの決闘…前者の方が強そうだけど…OK…頰が緩む(なぜだろう)。

小野、強い、以前よりスタミナを感じる。しっかり踊ってる。

3幕

宇賀のハンガリアンは本当に素晴らしい。優奈は楽しそう。サラセン人役もそうだが、ドリ伯爵夫人役との落差が半端ではない、妙味、見ていて楽しい。

グラン・パ・クラシック(オングロワ)コール・アングレ低音をもっと…

二組が早く降りた(なぜ?)

ヴァリエーション山本は全開! パ・ド・カトル キレが揃ってない。パ・ド・トロワ 金城 イタリアンフェッテでバランスを崩す(初日にクレメンスとGPC、翌日マチネはクレメンス、このソワレでGPC…疲れか)。

小野ヴァリエーション ぎりぎりまで溜めてパ・ド・ブレで始動。何度も。途中ちょっと引っかかったがチャレンジしてる。

小野はかたちが調っているとか、きれい等の印象とはまったく異なる印象。初めて(久し振り)。

李のヴァリエーションはいいと思うが、役からすればやや軽快すぎるか。

【4日目マチネ】ライモンダ:直塚美穂/ジャン・ド・ブリエンヌ:速水渉悟/アブデラクマン:上中佑樹/ドリ伯爵夫人:関 晶帆/アンドリュー2世ハンガリー王:中家正博/ライモンダの友人 クレメンス:東 真帆/同ヘンリエット:飯野萌子/同ベランジェ:長谷川諒太/同ベルナール:水井駿介/[ワルツ ファンタジア]第1ヴァリエーション:榎本志結/第2ヴァリエーション:堀之内咲希/サラセン人:関 優奈、大木満里奈、木村優子、石山 蓮、田中陣之介、樋口 響/スペイン人:川口 藍 中島瑞生/チャルダッシュ:関 優奈 宇賀大将/マズルカ:根岸祐衣、大木満里奈、白駒沙楽、橋本真央、花田美月、吉田明花/[グラン・バ・クラシック]花形悠月、山本涼杏?、金城帆香、東 真帆、榎本志結、小田那奈、川本果侑、堀之内咲希 原 健太、中島瑞生、仲村 啓、長谷川諒太、山田悠貴、渡邊拓朗、小川尚宏、森本晃介/ヴァリエーション:五月女遥*/パ・ド・カトル:中島瑞生、長谷川諒太、渡邊拓朗、小川尚宏/パ・ド・トロワ:花形悠月、金城帆香、堀之内咲希

…直塚ライモンダ ピチカートヴァリエーションで緊張からかカクンとなりかけた。

速水 夢の場では抑え気味か。二人から倍音が出ない。

上中もっとなにかがほしい(あっさりしているように見える)。中家 血が通った王。東クレメンスの踊りを見る喜び。長谷川バランジェ いいと思う。

ワルツ ファンタジア 第1ヴァリエーション榎本 素直な踊り、第2堀之内 うまい。

2幕

やはり何もない。

ド・ブリエンヌがアブデラクマンを倒し、奥のドロップは城が水面に映り、光が差し込む。音楽は高まる。が、こちらの気持ちは高まらない。

3幕

チャルダッシュ優奈 楽しそう。宇賀 コテコテのハンガリアン! とてもよい。

GPCヴァリエーション五月女 やはりこのダンサーは半端ではない。

直塚は手脚が長く伸びやかさも感じるが、なにかが出るまでには至っていない。速水とのアダージョも倍音が出てこない。

速水は〝巧いね〟のままで満足しそうに見える…

2回目(千穐楽)の舞台はどうだったのか。

5月のフィールドワーク予定 2026

バレエ1,コンサート1,演劇2,オペラ1の計5公演。今月も数を絞っているから少なめ。

新国立バレエのエデュケーショナル『白鳥の湖』は2回目。3年前の前回は米沢と渡邊だったが、福岡が相手の今回はどう変わるか。N響定期で「邦人作曲家シリーズ」とヒンデミットを山田和樹が振るが、生で山田を聴くのは初めて。〝フルオーディション〟の『エンドゲーム』はベケット研究者の岡室訳を芸監の小川演出で。ジョエル演出の《ウェルテル》は2016年4月にエマヌエル・プラッソン指揮で初演。19年3月の再演では藤村美穗子がシャルロットでロールデビューし、3度目の今回は脇園彩が同じデビューを果たす(題名役のカストロノーヴォも初役)。3月に見たバレエ『マノン』の音楽はマスネーの様々な楽曲を構成編曲したものだが、オペラ《マノン》はいっさい使われず《ウェルテル》も含まれない。今回はこれをじっくり味わうことになる。秋元松江『かさぶた式部考』は2017年に藤原新平(文学座)演出の兵庫県立ピッコロ劇団公演(世田谷パブリック)で初体験。その世界に魅了され、19年には篠本賢一演出で劇団櫂人の公演(上野ストアハウス)を見た。今回は松本祐子演出で文学座が上演する。楽しみだ。

6日(水祝)13:00 新国立劇場バレエ団 子どものためのバレエ劇場 2026 エデュケーショナルプログラム『白鳥の湖』振付:マリウス・プティパ&レフ・イワーノフ&ピーター・ライト/プロダクション原案:マリオン・テイト/音楽:ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー/美術・衣裳:フィリップ・プロウズ/照明:ピーター・タイガン/[キャスト]オデット&オディール:米沢 唯/ジークフリード王子:福岡雄大/ナレーター:見寺剛/指揮:冨田実里/管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団

14日(木)19:00 N響 #2063 定期公演 B-1 N響100年特別企画「邦人作曲家シリーズ」山田一雄:小交響詩《若者のうたへる歌》/ハルトマン:葬送協奏曲*/須賀田礒太郎:交響的序曲 作品6/ヒンデミット:交響曲《画家マチス》/指揮:山田和樹/*ヴァイオリン:キム・スーヤン @サントリーホール

20日(水)新国立演劇『エンドゲーム』[フルオーディション Vol.8]作:サミュエル・ベケット/翻訳:岡室美奈子/演出:小川絵梨子/美術:小倉奈穂/照明:原田飛鳥/音響:竹田 雄/衣裳:前田文子/ヘアメイク:高村マドカ/演出助手:渡邊千穂/舞台監督:梅畑千春/出演:近江谷太朗 佐藤直子 田中英樹 中山求一郎 @新国立小劇場

24日(日)新国立劇場オペラ《ウェルテル》作曲:ジュール・マスネー/原作:ゲーテ『若きウェルテルの悩み』(1774)/指揮:アンドリー・ユルケヴィチ/演出:ニコラ・ジョエル/美術:エマニュエル・ファーヴル/衣裳:カティア・デュフロ/照明:ヴィニチオ・ケリ/[キャスト]ウェルテル:チャールズ・カストロノーヴォ/シャルロット:脇園 彩/アルベール:須藤慎吾/ソフィー:砂田愛梨/大法官:伊藤貴之/シュミット:村上公太/ジョアン:駒田敏章/ブリュールマン:水野 優/ケッチェン:肥沼諒子/合唱指揮:平野桂子/合唱:新国立劇場合唱団/児童合唱:世田谷ジュニア合唱団/管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団 @新国立劇場オペラハウス

29日(金)18:30 文学座公演『かさぶた式部考』作:秋元松代/演出:松本祐子/美術:乘峯雅寛/照明:賀澤礼子/音楽:高崎真介/音響:丸田裕也/衣裳:宮本宣子/アクション:渥美 博/方言指導:島本真治/舞台監督:宮城円香/演出補:岩佐美紀/制作:梶原 優/イラスト:伊波二郎/宣伝美術:小田善久/[配役]大友伊佐(農婦):名越志保/大友豊市(その長男):越塚 学/大友てるえ(豊市の妻):鈴木結里/智修尼(六十八代目和泉式部):森 寧々/うめ:八十川真由野/宇智子(うめの娘):佐藤柊佳/鶴作:木津誠之/ふじ(支部長):石井麗子/ゆり:高柳絢子/万太郎:山森大輔/小次郎:成田次郎/はる:金沢映実/きく:宝意紗友莉/夢之助:杉宮匡紀/光子:柴田美波/助成:文化庁文化芸術振興費補助金(舞台芸術等総合支援事業(公演創造活動)) 独立行政法人日本芸術文化振興会/後援:新宿区 @紀伊國屋ホール

新国立劇場バレエ団『ライモンダ』2021 メモ

新国立バレエ『ライモンダ』の初日、2日目、4日目、千穐楽を観た(2021年6月5日 土曜 14:00,6日 日曜 14:00,12日 土曜 14:00,13日日曜 14:00/新国立劇場オペラハウス)。全5公演・全4キャストのうち米沢・福岡は2回、小野・奥村と木村・井澤は1回ずつ。柴山・渡邊は金曜14時の1公演のみのため、断念した(平日の14時は無理)。

振付:マリウス・プティパ/改訂振付・演出:牧 阿佐美/音楽:アレクサンドル・グラズノフ/美術・衣裳:ルイザ・スピナテッリ/照明:沢田祐二/指揮:アレクセイ・バクラン/管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団

牧版『ライモンダ』初演は2004年10月、再演が06年10月、09年2月、そして4回目がこの21年6月。

あのときコロナ禍は一向に終熄せず、3回目の緊急事態宣言が6月20日まで延長されたが、舞台公演は客数上限50%の条件で上演可能となっていた。吉田都が芸術監督に就任したのは、まさにこうした時期だった(2020/21シーズンから)。

以下、5年前の手書きメモに〝てにをは〟等を補い貼り付けた。

【初日 5日】ライモンダ:米沢 唯/ジャン・ド・ブリエンヌ:福岡雄大/アブデラクマン:中家正博/ドリ伯爵夫人:本島美和/アンドリュー2世王:貝川鐵夫/クレメンス:細田千晶/ヘンリエット:池田理紗子/ベランジェ:木下嘉人/ベルナール:速水渉悟/第1ヴァリエーション:五月女遥/第2ヴァリエーション:奥田花純/スペイン人:益田裕子&清水裕三郎/チャルダッシュ:寺田亜沙子・福田紘也/ヴァリエーション:飯野萌子/パ・ド・カトル:木下嘉人・速水渉悟・中島瑞生・渡邊拓朗/パ・ド・トロワ:広瀬碧・原田舞子・廣川みくり

1F中央15列

プロローグで米沢ライモンダが福岡ジャン(シモテ)の所へおもむき、やりとりしただけでなぜかグッときた(なぜ?)。米沢は踊り方が違う。息を詰めるような感触がない。何かすべてが in motion というのか、いちいちキメルことはせず、すべて運動の中にいるような感じ。福岡もそう。

音楽が素晴らしい! 久し振りのバクラン。ドラマティックというより、色彩豊かな曲想のなか、バクランは、ただ美しい、きれいというだけでなく、そこに気や熱を入れていく。

ドリ夫人本島は、気品があり高貴で美しい。コール・アングレの響きと呼応する立ち姿と踊り。片脚の爪先でトン・トン・トン、これが何ともいえず好い。コスチュームも美しい。『ロミ&ジュリ』の騎士たちの踊りを想起。

細田と池田が夫人に捧げる花を米沢に渡たせて、米沢をあとずさりで中央(シモテの方)へ移動させるとき、細田がガクッと…。

米沢と福岡は何というか、兄弟のような感触。

開演時のバクラン登場で強い拍手(2階でふざけたような拍手…初日に団体?)

アブデラクマン中家はちょっと人のよさ…押しが余り強くない感じも。

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中家は大きくかたちもよいし、踊りもコントロールされていて素晴らしい。サラセンたちの音楽と踊りは面白い。

米沢のヴァリエーションはバレエ協会の時より easy version? 難なくこなした(3年前バレエ協会で踊ったときは両ポワントで軽やかに跳ねながらアントルシャ カトルで進み、高雅さが香り立った)。スペイン人の踊りもよい。益田、清水——彼らはサラセン側か。当時スペインはまだイスラム支配?

アブデラクマンに拉致されそうになったとき、ジャンが帰ってくる。二人の対決。頭を切られて(割られて)死亡。なんか無惨だな。ライモンダもまったく嬉しくはない。その後の二人のやりとり、夢の場よりはペアに見えた。福岡は大きく見えた。

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グラン・パ・クラシックはやっぱり迫力がある。夢のシーンでは福岡の上背が少し足りないと感じたが、ここではさほどでもない。力強くリフト、サポートしてる。

四人の…(木下が着地でちょっと…)

米沢のヴァリエーション、1幕ほどではないが、やはり、ビシッと決めすぎないようにしているのか。悪くないけど…。

福岡のヴァリエーションはいいと思う。同じ方向性の意図(指導)を感じるが、こちらはよい結果が出てる。

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チャルダッシュ福田紘也と寺田、元気で〝気〟はある。飯野のヴァリエーション 勢いがあるし踊りもよい。

米沢は吉田の指導できっちち踊りすぎないようにしているのか。吉田自身かなりきっちり踊っていたのだが。日本人にありがちな、まじめすぎるあり方(平面的になりやすい等)を変えたいのかも。ロイヤルで見てきた美意識から彼女なりの理想を米沢に具現しようとしている? 結果…よく分からない、中途半端な踊りになっている印象も。

オケはよかった。

【2日目 6日】ライモンダ:小野絢子/ジャン・ド・ブリエンヌ:奥村康祐/アブデラクマン:中家正博/ドリ伯爵夫人:本島美和/アンドリュー2世王:貝川鐵夫/クレメンス:細田千晶/ヘンリエット:池田理紗子/ベランジェ:木下嘉人/ベルナール:速水渉悟/第1ヴァリエーション:五月女遥/第2ヴァリエーション:奥田花純/スペイン人:益田裕子&清水裕三郎/チャルダッシュ:寺田亜沙子・福田紘也/ヴァリエーション:飯野萌子/パ・ド・カトル:木下嘉人・速水渉悟・中島瑞生・渡邊拓朗/パ・ド・トロワ:広瀬碧・原田舞子・廣川みくり

1F中央15列

小野は何かつかんだか。リリカルでやわらかいが強さも感じるし、しなやかで、腕が長く見える。立体的(全方位的)。

オケはブラスがきれいに鳴る。コンマスのソロもやりすぎずキレイ。ハープ。

奥村は丁寧に踊っていた。力強くはないが。小野はまったく恐がっていない(これまでと違う)。必死。間に合ってよかった。吉田の指導が一番効いてる。

中家アブデラクマンは演技も踊りも端正。この役、以前に見た印象より踊りが多いと感じる。

小野のヴァリエーションよい。リリカル。バレエ協会(2018)ではもっと難しいパ(アントルシャ)だったけど。

ここでライモンダは初めてアブデラクマンを見る——というのは、やはり面白みに欠ける。

牧版のセット・美術は装飾的(幻想的)、ドラマティックというより。

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グラン・パ・クラシックは昨日の方が迫力を感じた。

ヴァリエーション飯野よい。パ・ド・カトルそろってる。パ・ド・トロワよい。

小野のソロ、よいと思う。手をわりあい強めに打ってた。

奥村ていねいに踊ってるけど、騎士には見えない。重みがない。

(ここでトランペットが出を間違えた——動揺したのか、ラストの弱音、はずしまくり)

ギャロップ、ここ好き。

カーテンコール、小野は前よりよくなった。どんどんスタンディング、今日の方が客の質がそろった(学生団体がいない)。

【4日目 12日】ライモンダ:木村優里/ジャン・ド・ブリエンヌ:井澤 駿/アブデラクマン:速水渉悟/ドリ伯爵夫人:本島美和/アンドリュー2世王:貝川鐵夫/クレメンス:廣川みくり/ヘンリエット:五月女遥/ベランジェ:浜崎恵二朗/ベルナール:中島瑞生/第1ヴァリエーション:渡辺与布/第2ヴァリエーション:廣田奈々/スペイン人:寺田亜沙子・木下嘉人/チャルダッシュ:奥田花純・小柴富久修/ヴァリエーション:池田理紗子/パ・ド・カトル:中家正博・原健太・浜崎恵二朗・中島瑞生/パ・ド・トロワ:中島春菜・廣田奈々・横山柊子

3F左バルコニー

2nd Trumpet は cornet? 女性奏者。ハンガリー王登場のファンファーレ ソロ。

木村はこれみよがしが減じた。吉田の指導? cf.米沢

井澤はぞんざいというかワイルド(騎士造形で?)

オケ、全体的に音はよい。

速水プロローグの表情が弱い、アブデラクマンのハラが見えない。

木村ヴァリエーションのとき地震が。木村のヴァリエーションよい。

速水アブデラクマン踊りは所々よいし、生きのよさはあるが、全体的にキャラ造形が弱い(中家のよさ、様々ある中で生きるあり方が際立つ、大きさも)。闘って切られて、斃される所、ライモンダににじり寄る所なども、あっさりしてるように見える。

音楽とてもよい。特にトランペット、ミュート付でヴァイオリン群がワルツを奏でる所——ヴァリエーション…

【楽日 5日目】ライモンダ:米沢 唯/ジャン・ド・ブリエンヌ:福岡雄大/アブデラクマン:中家正博/ドリ伯爵夫人:本島美和/アンドリュー2世王:貝川鐵夫/クレメンス:細田千晶/ヘンリエット:池田理紗子/ベランジェ:木下嘉人/ベルナール:速水渉悟/第1ヴァリエーション:五月女遥/第2ヴァリエーション:奥田花純/スペイン人:益田裕子&清水裕三郎/チャルダッシュ:寺田亜沙子・福田紘也/ヴァリエーション:飯野萌子/パ・ド・カトル:木下嘉人・速水渉悟・中島瑞生・渡邊拓朗/パ・ド・トロワ:広瀬碧・原田舞子・廣川みくり

3F左

プロローグ

オケとてもよい。ブラスの輝かしい響き。

米沢ライモンダがカミテからかけてくる、ジャンを求めて、ジャン福岡シモテより現れ、彼女をリフト。それをカミテ奥から見つめるアブデラクマン中家。好い。

1幕ドリ・カウンテスの城

ドリ本島、豪華で気品がある、踊りも立ち居振る舞いも。

彼女のレッスンを聞いている細田・池田。

アンドリュー二世登場。三番トランペット(コルネット)のソロファンファーレ、一音濁ったのは記録映像を意識したか、音色は悪くない。

米沢登場。花を拾って…なにか幼い感じを出してる?(「眠り」のような)

ヴァリエーション、何をしようとしているのか読み取るのが難しい。ゆったりした明るさ? リボンのヴァリエーション、うまく(上手に)見せない?

夢の場 ハープの弾き方!

福岡登場、強さとは別の何か? アダージョ、ゆったりした踊り。やはりあまりピタッと決めすぎない感じ。福岡のサポートはとてもていねい。荒さはない。少し体の大きさをもてあます感じ?

米沢のヴァリエーション 思い出せない!

福岡ヴァリエーション、ゆったり、「うまいでしょ」「力強いでしょ」はゼロ

tuttiのキメで福岡の脚が少しズレた。抑制的に踊っているから? 夢だからそうしている? 吉田の指導?

オケはとてもよい。豪華で厚みも。

五月女ヴァリエーション、腕が長く見える。キビキビでなく、優雅。

奥田は思い切りのよさが売りだが、+ていねいでgracefulになった。

↑アブデラクマン登場。大きさ。米沢ライモンダとまどい…が、夢で見ていないので平板——(この版は)つまらん、やはりアブデラクマンはプティパが当初考えたとおり、夢の中で出すべき。

2幕

アブデラクマン中家の踊りは素晴らしいとしかいいようがない。ジャンプして左手が足に触る空中でのかたちといったら! 回転も王の風格! ライモンダに見とれ、ともに踊るシーンの黒と白のコントラスト! クレメンスとヘンリエットがここへ介入しても、軽くあしらいサポートするそのあり方!

米沢のヴァリエーション、(ホルンがちょっと…)明るく品のある踊り。拉致されて…ジャン登場、よい。二人の対決。ベスト。頭の切られ方は抜群。その後、清らかな光、二人の…ちょっとグッときた。オケのしめ、よい。

3幕

グラン・パ・クラシック。福岡の片手リフト、2回、素晴らしい。(「踊りやすい」…「二人とも〝大人〟になった」…)。

立体的。ヴァリエーション、はっきりしてた。途中で嘆きのポーズ? 何かはいえないが、やろうとすることはクリアになったように見えた。

ジャンのヴァリエーション、技と技のあいだの継ぎ目を極力なくして踊る、大きさ、素晴らしい。

春の高野山と吉野山 2026

四月初旬、1泊2日で高野山と吉野山へ行ってきた。きっかけは司馬遼太郎の小説『空海の風景』(1975)だが、本書を手にする前が色々あって、まずはそちらから。

昨秋より見始めたみうらじゅんといとうせいこうの「TV見仏記」(J:COM BS)に嵌まり、元々の石仏好きが木彫仏まで膨らんだ。それと、やはり秋に見た『小栗判官・照手姫』の呪術芸能民的舞台に圧倒され、説経節、遊行(遊動)関連、日本仏教史等々を芋蔓式に読んだりした。

明けて一月、百三歳で天寿を全うした伯母の菩提寺が浄土真宗で、そこから歎異抄、御消息集、増谷文雄や服部之総らの親鸞論等まで蔓が伸び、ついに長年(三十年超!)ツンドクだった『空海の風景』を手に取った。初めは古語・漢語・仏教語につっかえたが、空海が遣唐使船に乗り込む頃から俄かに加速し、長安での叙述や帰国後の最澄とのやりとりなど、夢中で読んでいた。序でに空海が二十四歳で書いた『三教指帰(さんごうしいき)』(現代語訳)も目を通す。結果、漠たる〝お大師さん〟のイメージは吹き飛び、多才・多能の空海が現れた。

伯母の法要帰りに京都へ立ち寄り東寺を再訪したが、そのさい空海が真言密教の道場として造営した寺とは意識せず、主に〝造形的興味〟で仏像を見たと思う。空海(弘法大師)といえば高野山だ。小説には、空海がこの山を修禅の地として賜りたいとの上表文が司馬の訓み下しで引かれていた。

「空海、少年ノ日、好ンデ山水ヲ渉覧セシニ、吉野従(ヨ)リ南ニ行クコト一日、更ニ西ニ向ツテ去ルコト両日程ニシテ、平原ノ幽地有リ。名ヅケテ高野ト曰フ。計ルニ、紀伊国伊都(イト)郡ノ南ニ当レリ」「四面高嶺ニシテ、人蹤(ジンショウ)蹊(ミチ)絶エタリ」。

司馬遼太郎(福田定一)は学生だった戦争中、兵隊に取られる前に友人二人と徒歩旅行を計画する。吉野から熊野の大山塊を突き抜けて潮岬まで、地図も持たずにたどる行程だ。学徒出陣を控えた学生の心情は想像に余り有る。野宿あり、山中のお堂や炭焼き小屋での睡眠ありと、まるで山伏の修行のよう。司馬らは途中で迷い、空木のはびこる険しい道に難渋しながら登るうち「不意に山上に都会が出現した。悪いものにたぶらかされているようでもあり、夢の中にいるようでもあった。深いひさしの下にある門燈に寄って行ってきくと、ここは高野山だという」。この時の驚きが、本書執筆の動機らしい。

司馬は山内を歩きながら「空想」し、辺りの光景を、若い空海が二年間過ごした長安の都と重ねている。爛熟した高度な文化の都で、多能な空海が同じ知的水準の人々と交わる「悦楽」。それを当時の日本で味わうことは、まずありえない。「空海は帰国後、淋しかったのではないか」。司馬は「妄想」と断りつつも、高野山の光景と長安は似ていたのではないか、呟くようにそう書きしるす。

空海が開創したこの山をぜひ見てみたい。そのとき手頃なツアー広告が眼に入り、行くことにしたのである。割安ゆえのタイトなスケデュールで見損ねた所も多々あるが、イントロとしてはまずまずだった。

6:25 八重洲北口集合、6:57 東京発のこだまに乗り 9:21 三河安城着。ここでバスに乗り換え(添乗員+39名)高野山を目指す。途中で二度ドライブインに立ち寄り、15時過ぎに高野山着。ガイド先導で奥の院と壇上伽藍のツアーへ(奥の院は撮影禁止/写真は壇上伽藍の西塔、横長の右に写っているのが大塔の鐘、左奥は山内最古の不動院)。…男性ガイドのベタなギャグと訪日客批判の連発で少々閉口した(異質を包摂するのが真言密教の原理だろう)…ふたつの宿坊に分宿し18:00 夕食(成就院)。

19:00 壇上伽藍のナイトツアーへ。この女性ガイドは明治5年まで女人禁制だった高野山内で生まれ育った最後世代の〝絶滅危惧種〟という(今は山外の産院で産むらしい)。彼女は、石川五右衛門が石垣に鎹(かすがい)を隠した場所(隙間に賽銭の小銭や千円札!が見えた)を教えてくれたり、やはりガイドをしている娘さん(別グループの案内中)とムササビの巣を見つけた話や、池に映る大塔を写せる地点の案内など、興味を逸らさぬガイド振りにからだがほぐれた。20時過ぎに成就院へ戻り、21時に閉まる浴場へ急ぐ。就寝…大塔の23時…4時の鐘(高野四郎)は覚えているが熟睡した。

6:00 起床。6:20 朝の勤行は副住職(大森照龍)のお勤め(写真は宿坊の本堂)。住職は坊の向かいに位置する霊宝館館長を兼務とあって興味深い話が聞けた(弥勒菩薩は身軽に移動し人々を救ってくださる云々…住職は栃木の寺で出生後 わけあって50年前に高野山へ…どんな「わけ」?)7:00からの朝食を終えると、出発まであと1時間。急いで荷物を整理し、小雨のなか十数分歩いて金剛三昧院へ。夫頼朝の菩提のために政子が建てた多宝塔(写真中央)は、山内で不動堂の次に古いという(1223)。塔のしんとした佇まいに心持ちも同調する。本堂の愛染明王は拝観できなかったが、庫裏の老犬が静かに見送ってくれた(写真右)。思えば女性ガイドの高野愛や副住職の滋味ある話等で、前日のモヤは晴れていた。…8:30 別の宿坊(赤松院)からバスが成就院に来着。吉野山・金峯山寺(きんぷせんじ)へ向かう。

かつて空海が高野山のことを上奏した際の経路は、学生の司馬たちがこの山に偶然ゆきあたった経路と奇しくも同じだった。一方、今回の高野山から吉野山へのルートは、それとは逆コースになる。むろん健脚の空海でも三日を要した徒歩と2時間余りで行けるバスでは大違いだが、この〝逆打ち〟も興味深い。…目指す吉野山でタクシーの脱輪事故があったとの情報。渋滞リスクに備え、ドライバーの判断で10時過ぎに大淀町のローソンにてトイレ休憩。…11:00 吉野山にさほど遅延せず到着。小雨の駐車場から下千本を左に見ながら金峯山寺へ登っていく。霧に煙る吉野山の桜も悪くない。国宝の仁王門は大修理勧進のため、特別開帳の秘仏が拝める。側道から境内に入り蔵王堂へ。旧安禅寺本尊の蔵王権現立像(縦長写真)もかなり大きいが、秘仏の青色三体はさらに巨大で圧巻だった(横長)。

蔵王権現は役小角(えんのおづぬ)が吉野山上で祈り出したもの。はじめは釈迦の姿であったが、この国の衆生済度(しゅじょうさいど)に適しないため弥勒の姿に変えて現れ、これも相応しくないと、遂に恐ろしい蔵王の形で出現され(権現)、これこそわが国に最も相応しい教化者であると歓迎されて、いまにいたるという(「沙石集」村山修一『本地垂迹』の孫引き)。まさに神仏習合。修験道の開祖とされる役行者(小角)は空海の先駆的存在(司馬)で、彼なしには空海も最澄もなかったと。坪内逍遙の戯曲『役の行者』を読みたくなった。

…昼食のため目星を付けた店まで下る。食後、再び登るが雨で冷えてきたため中千本の五郎平茶屋跡でUターン。駐車場のバスまで戻り、冷えた体を温めた。

15:00 吉野山出発。前日注文した弁当を関ドライブイン(三重県)で受け取り、17:28 出発、道中 添乗員経由でドライバーの名古屋夕景ガイドを聞き、19:00 三河安城着。構内のキーコーヒーで休憩し、19:52 発こだま乗車。車内でステーキ弁当(松阪牛!)と卵焼きで夕食をとり、22:12 東京着。旅は終わった。次回は見たいものに的を絞って再訪したい。

(蔵王堂内撮影禁止のため、蔵王権現立像の写真は堂内で購入の『仏教新発見[改訂版]金峯山寺——修験の核心〝奥駆〟に迫る』朝日ビジュアルシリーズ 2016年2月7日号を複写した。)

東寺再訪 2026

1/20のポストを以下に貼り付ける。

中村蓉『BLINK』(KAAT)初日の翌朝、103歳で天寿を全うした伯母を見送るため帰省。帰路は(又もや新幹線遅延で乗り継ぎ)京都で途中下車して仏像に会いに東寺へ。仏像が好きだった伯母の供養にもなると(ちょっとこじつけ)。わざわざ南大門から入り(「新TV見仏記」の影響)特別公開の五重塔内、金堂、講堂、観智院を回ったが、1月とは思えない暖かさ。月曜のせいか?観光客はさほど居ない。

初めての塔内は、初層へ上がると金剛界四仏と八大菩薩がすぐ間近に御座す。その親密な空間に魅せられた。金堂には厳しい薬師如来座像、両脇に柔和でフェミニンな表情の日光菩薩と月光菩薩が佇む。堂内のしんとした厳かな感触も好い。

仏像群が所狭しと安置された講堂は前回(1998)の残像と重なる。中央の大日如来は正面(下方)から見ると可愛い童顔だが、横からは髭を蓄えた壮年に見えた。如来前の地べたでアジア人らしき中年女性に母と息子が土下座のように一心に祈っている…。

     

観智院も初めて。靴を脱いで客殿の廊下を回り、宮本武蔵が画いた襖絵や虚空菩薩、庭などを見た。そのつくばいでヒヨドリが水浴びしている。この日はヒヨも暑かったのか。

今回、28年前には見えなかった、新しい発見があった。もともと石仏の方が好みだ(バルコニーに地蔵が一体いる)が、木彫仏も悪くない。(堂内は撮影禁止のため、上掲の仏像写真はすべて絵葉書)1月20日ポスト

 

中村蓉『BLINK 双面改瞬間真似』2026

中村蓉の『BLINK 双面改瞬間真似(ふたおもてあらためまたたきのまにまに)』初日を観た(1月16日 金曜 19:30/KAAT 大スタジオ)。

作・構成・演出:中村 蓉/舞台監督:熊木 進/照明:久津美太地/音響:相川 貴/ドラマトゥルク:中瀬俊介/プロダクションディレクター:内堀愛菜/出演:宮河愛一郎 池上たっくん 山田暁 中村 蓉 大江麻美子 荒俣夏美 河内優太郎 詠良カノン 村井友映 関口 晴

1/19のポスト@新幹線を以下に貼り付ける。

〝「隅田川」ヴァリエーション〟ダンス版の趣き。シモテのめくりで演題が示され、歌とギター(MASSAN×BASHIRY)でBLINKの主題が歌われ、能『隅田川』は話の筋がダンサーの動きにMASSANの歌とBASHIRYのギターでレチタティーヴォ風に随伴説明され、人形浄瑠璃『雙生(ふたご)隅田川』で人形遣いと人形に見立てたペアらが踊り、歌舞伎『都鳥廓(ながれの)白浪』では〝黙阿弥の七五調〟リズムでダンサーらが踊り(映像に七五のスペースが連打)、『隅田川花(はなの)御所染』、『隅田川続俤』と続く。

ラストの『続俤(ごにちのおもかげ)』で歌謡曲風の前奏が流れると、なぜか『ドン・キ』のアントレで、続くグラン・パ・ド・ドゥに期待が膨らむのと似た気持ちになった。なんと研ナオコの「かもめはかもめ」に合わせて中村蓉がソロを踊る。

別のダンサーがシモテに現れ、曲の冒頭から中村とユニゾンで踊り、また別のダンサーが…。新たに登場する毎に中村は相手を睨み、また頭から、ユニゾンで? いやいや、みな個性がありすぎて?とてもユニゾンには見えない。というか、中村は、毎回、気持ちと体と歌を合わせ一心に踊るが、隣では似て非なる踊りが踊られる。中村のソロ自体めちゃくちゃ面白いが、二人で踊るありようがたまらなく愉快で頬は緩みっぱなし。9人目の宮河は振りを〝真似〟てすらいないが、初めてサビ「青空を 渡るよりも…」に入る。ずっとサビの手前でリピートしていたのだ。

中村は歌を踊りにする天才だ。歌詞を必ずしもそのまま形にするわけじゃない。が、何度も繰り返されるのを見てると、歌と踊りが同調し呼応し合っているように見えてくる。「…孔雀や鳩や」でブルブルっと体を震わせ、「…あなたの望む」で〝後生でんがな〟と両手を何度も擦り合わせ、「…素直な女には」で両腕(羽根)を後ろに広げ気持ちよさそうにスイスイ飛ぶ仕草…大した才能。これが双面とどう関わるのか。次々に現れる似非ユニゾンが亡霊? 中村はお組みなのか? 何度も冒頭の「あきらめました…」ポーズから真似ユニゾンで踊り始めるのは「隅田川」が600年もリピート変奏/変容するさまのメタファーなのか。…見たのは能『隅田川』だけで、『続俤』は見てない。よく分からない。本人は2日目に〝解説〟したのか。聞きたかった。