今月はコンサート1,演劇2,バレエ5,オペラ1,の計9公演。
N響定期を振るドゥネーヴは、2022年にCプロ(当時は芸劇)でプーランクとガーシュインを指揮した。楽しめた記憶があるから、今回も期待したい。
1942年に宇部市の長生(海底)炭鉱で水没事故が発生し、大勢の朝鮮人鉱夫が犠牲になった。市民の「刻む会」による潜水調査や遺骨収容の取り組みは、昨年、ポリタスTVで初めて知った。今回この問題を劇化した舞台が上演される。『焼肉ドラゴン』の初演再演とファイナルでオモニ役を怪演したコ・スヒの〝劇団58ROUTE〟とシライケイタ率いる〝劇団温泉ドラゴン〟の共同制作だ。
新国立バレエ団『白鳥の湖』は例によって〝脳内キャスト〟と齟齬があり迷ったが、結局、ほぼ全キャスト見る羽目に(脳内キャスト…米沢/速水/木下 小野/福岡/中家 吉田/井澤/渡邊拓 東/李/井澤 直塚/渡邊峻/上中 山本/水井/木下)。
新国立演劇『リンゴが落ちる』は正直『ガールズ&ボーイズ』『エンドゲーム』とセット販売なので…。
新国立オペラ《エレクトラ》は2004年11月ハンス・ペーター=レーマン演出のウルフ・シルマー指揮で見た。好い舞台だったが、その後まったく再演されず。新制作のヨハネス・エラート演出/大野和士指揮ではどうか。
19日から濵口竜介監督の映画『急に具合が悪くなる』が上映される。宮野真生子と磯野真穂の往復書簡を読んだ。これをどう映画化したのだろう(映画を撮りたい黒崎煌代にとって、濵口の映画手法を体験できたのはよかったと思う)。
4日(木)19:00 N響 #2066 定期公演 B-1 オネゲル 交響詩《夏の牧歌》/ベルリオーズ 歌曲集《夏の夜》作品7/イベール《寄港地》/ドビュッシー 交響詩《海》/指揮:ステファヌ・ドゥネーヴ/メゾ・ソプラノ:ガエル・アルケーズ @サントリーホール
5日(金)19:00 劇団温泉ドラゴン×劇団58ROUTE 日韓共同制作『長生炭鉱――生きたかった』作:キム・ミンジョン/翻訳:石川樹里/演出:シライケイタ(劇団温泉ドラゴン)/アーティスティック・ディレクター:コ・スヒ(劇団58ROUTE)/美術:松村あや/照明:奥田賢太(コローレ)/音楽:的場英也/音響:角張正雄/衣装:西原梨恵/演出助手:EMMA/通訳:彩恵/方言指導:野依康夫/舞台監督:青木規雄(箱馬研究所)/宣伝美術:椚田透(nix graphics)/ハラスメント対策アドバイザー:植松侑子/アクセシビリティ・コーディネーター:宮本晶子/票券:山内祥子、大澤麻衣、甲斐美奈寿、河村美帆香/広報:ユカワユウコ、井上みなみ、染谷日向子(以上、合同会社syuz'gen)/企画プロデューサー:チョン・スヨン(劇団58ROUTE)/制作:古川真央、川勝俊輔、平野后久良、三次佑果(以上、合同会社syuz'gen)、チョン・イェジ(劇団58ROUTE)/出演:いわいのふ 健(劇団温泉ドラゴン) 筑波竜一(劇団温泉ドラゴン) 五十嵐 明(劇団青年座) 内田健介 京極洋太 清水直子(劇団俳優座) ソ・ドンガプ キム・ジェウン(劇団58ROUTE) イ・ジョンウォン(劇団58ROUTE) パク・ホンスン(劇団58ROUTE) ユ・シヒョン(劇団58ROUTE)/助成:文化庁文化芸術振興費補助金(舞台芸術等総合支援事業(公演創造活動))|独立行政法人日本芸術文化振興会/主催:座・高円寺(指定管理者:合同会社syuz’gen)、一般社団法人劇団温泉ドラゴン/共同制作:一般社団法人劇団温泉ドラゴン、劇団58ROUTE/後援:杉並区、Ministry of Culture, Sports and Tourism、KOFICE (Korean Foundation for International Cultural Exchange) Selected project under the <2026 Kore·A·Round Culture> @座・高円寺1
6日(土)18:30 新国立劇場バレエ団『白鳥の湖』振付:マリウス・プティパ &レフ・イワーノフ & ピーター・ライト/演出:ピーター・ライト &ガリーナ・サムソワ/音楽:ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー/美術・衣裳:フィリップ・プロウズ/照明:ピーター・タイガン/[配役]オデット&オディール:米沢 唯/ジークフリード王子:福岡雄大/ロットバルト男爵:中家正博/ベンノ:水井駿介/クルティザンヌ(パ・ド・カトル):東 真帆、小田那奈/ハンガリー王女:飯野萌子/ポーランド王女:根岸祐衣/イタリア王女:花形悠月/指揮:ポール・マーフィー/管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団 @新国立劇場オペラハウス
7日(日)14:00 新国立劇場バレエ団『白鳥の湖』オデット&オディール:吉田朱里/ジークフリード王子:井澤 駿/ロットバルト男爵:小柴富久修/ベンノ:中島瑞生/クルティザンヌ(パ・ド・カトル):花形悠月、山本涼杏/ハンガリー王女:榎本志結/ポーランド王女:堀之内咲希/イタリア王女:赤井綾乃/指揮:ポール・マーフィー/管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団 @新国立劇場オペラハウス
11日(木)18:30 新国立劇場バレエ団『白鳥の湖』オデット&オディール:木村優里/ジークフリード王子:速水渉悟/ロットバルト男爵:小柴富久修/ベンノ:中島瑞生/クルティザンヌ(パ・ド・カトル):花形悠月、山本涼杏/ハンガリー王女:金城帆香/ポーランド王女:山本涼杏/イタリア王女:五月女遥/指揮:冨田実里/管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団 @新国立劇場オペラハウス
13日(土)14:00 新国立劇場バレエ団『白鳥の湖』オデット&オディール:直塚美穂/ジークフリード王子:渡邊峻郁/ロットバルト男爵:小柴富久修/ベンノ:中島瑞生/クルティザンヌ(パ・ド・カトル):花形悠月、山本涼杏/ハンガリー王女:榎本志結/ポーランド王女:堀之内咲希/イタリア王女:赤井綾乃/指揮:冨田実里/管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団 @新国立劇場オペラハウス
14日(日)14:00 新国立劇場バレエ団『白鳥の湖』オデット&オディール:柴山紗帆/ジークフリード王子:李 明賢/ロットバルト男爵:井澤 駿/ベンノ:上中佑樹/クルティザンヌ(パ・ド・カトル):東 真帆、小田那奈/ハンガリー王女:金城帆香/ポーランド王女:山本涼杏/イタリア王女:五月女遥/指揮:ポール・マーフィー/管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団 @新国立劇場オペラハウス
15日(月)14:00 新国立劇場演劇『リンゴが落ちる』作:ノゾエ征爾/演出:金澤菜乃英/美術:池田ともゆき/照明:中川隆一/音響:上田好生/衣裳:柿野 彩/ヘアメイク:川端富生/演出助手:鈴木 修/舞台監督:野口 毅/出演:浜田 学 山口森広 梅舟惟永 宮川安利 大西多摩恵 @新国立小劇場
【19日(金)13:05 映画『急に具合が悪くなる』監督:濱口竜介/原作:宮野真生子 磯野真穂/脚本:濱口竜介 ルディムナ玲亜/撮影:アラン・ギシャウア/美術:ミラ・プレリ/衣装:カロリーヌ・シュピート/編集:山崎梓/音楽:サミュエル・アンドレイエフ/キャスティング:コラリー・アメデオ/劇中ワークショップ・演劇指導:砂連尾理/[キャスト]マリー=ルー・フォンテーヌ:ビルジニー・エフィラ/森崎真理:岡本多緒/清宮吾朗:長塚京三/窪寺智樹:黒崎煌代/オリヴィエ:ジャン=シャルル・クリシェ/ソフィ:マリー・ビュネル/ダミアン:ロマン・コタール/ロランス:マリー・ドゥナルノー/ジブリル:ガブリエル・ダマニ/ヴァネッサ:エロイーズ・ジャンジョー/アディジャ:セフォラ・ポンディ/マリオン:ハイディ・ベッカー=バベル/2026年製作 196分 G フランス・日本・ドイツ・ベルギー合作/配給:ビターズ・エンド/劇場公開日:2026年6月19日 @イオンシネマ板橋】
29日(月)19:00 新国立劇場オペラ《エレクトラ》新制作 全1幕〈ドイツ語上演/日本語及び英語字幕付〉作曲:リヒャルト・シュトラウス/台本:フーゴ・フォン・ホーフマンスタール/指揮:大野和士/演出:ヨハネス・エラート/美術:ハイケ・シェーレ/衣裳:ノエル・ブランパン/照明:オラフ・フレーゼ/映像:ビビ・アベル/[配役]クリテムネストラ:藤村実穂子/エレクトラ:アイレ・アッソーニ/クリソテミス:ヘドヴィグ・ハウゲルド/エギスト:工藤和真/オレスト:エギルス・シリンス/オレストの養育者:斉木健詞/クリテムネストラの腹心の侍女:中村真紀/クリテムネストラの裳裾持ちの女:杉山由紀/若い下僕:糸賀修平/年老いた下僕:河野鉄平/監視の女:森谷真理/第1の下女:金子美香/第2の下女:谷口睦美/第3の下女:清水華澄/第4の下女:髙橋絵理/第5の下女:田崎尚美/合唱:新国立劇場合唱団/管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団 @新国立劇場オペラハウス


プロローグで米沢ライモンダ登場。ジャンを捜す。カミテ後方から拓朗アブデラクマンが彼女を見つめる。そこへシモテから福岡ジャン・ド・ブリエンヌが現れる。すると、駆け寄るライモンダを尻目に、拓朗アブデは激しくジャンに敵意を表す。拓朗この日で4回目か。アブデの肚が育ってきてる。




明けて一月、百三歳で天寿を全うした伯母の菩提寺が浄土真宗で、そこから歎異抄、御消息集、増谷文雄や服部之総らの親鸞論等まで蔓が伸び、ついに長年(三十年超!)ツンドクだった『空海の風景』を手に取った。初めは古語・漢語・仏教語につっかえたが、空海が遣唐使船に乗り込む頃から俄かに加速し、長安での叙述や帰国後の最澄とのやりとりなど、夢中で読んでいた。序でに空海が二十四歳で書いた『三教指帰(さんごうしいき)』(現代語訳)も目を通す。結果、漠たる〝お大師さん〟のイメージは吹き飛び、多才・多能の空海が現れた。




19:00 壇上伽藍のナイトツアーへ。この女性ガイドは明治5年まで女人禁制だった高野山内で生まれ育った最後世代の〝絶滅危惧種〟という(今は山外の産院で産むらしい)。彼女は、石川五右衛門が石垣に鎹(かすがい)を隠した場所(隙間に賽銭の小銭や千円札!が見えた)を教えてくれたり、やはりガイドをしている娘さん(別グループの案内中)とムササビの巣を見つけた話や、池に映る大塔を写せる地点の案内など、興味を逸らさぬガイド振りにからだがほぐれた。20時過ぎに成就院へ戻り、21時に閉まる浴場へ急ぐ。就寝…大塔の23時…4時の鐘(高野四郎)は覚えているが熟睡した。



かつて空海が高野山のことを上奏した際の経路は、学生の司馬たちがこの山に偶然ゆきあたった経路と奇しくも同じだった。一方、今回の高野山から吉野山へのルートは、それとは逆コースになる。むろん健脚の空海でも三日を要した徒歩と2時間余りで行けるバスでは大違いだが、この〝逆打ち〟も興味深い。…目指す吉野山でタクシーの脱輪事故があったとの情報。渋滞リスクに備え、ドライバーの判断で10時過ぎに大淀町のローソンにてトイレ休憩。…11:00 吉野山にさほど遅延せず到着。小雨の駐車場から下千本を左に見ながら金峯山寺へ登っていく。霧に煙る吉野山の桜も悪くない。国宝の仁王門は大修理勧進のため、特別開帳の秘仏が拝める。側道から境内に入り蔵王堂へ。旧安禅寺本尊の蔵王権現立像(縦長写真)もかなり大きいが、秘仏の青色三体はさらに巨大で圧巻だった(横長)。
蔵王権現は役小角(えんのおづぬ)が吉野山上で祈り出したもの。はじめは釈迦の姿であったが、この国の衆生済度(しゅじょうさいど)に適しないため弥勒の姿に変えて現れ、これも相応しくないと、遂に恐ろしい蔵王の形で出現され(権現)、これこそわが国に最も相応しい教化者であると歓迎されて、いまにいたるという(「沙石集」村山修一『本地垂迹』の孫引き)。まさに神仏習合。修験道の開祖とされる役行者(小角)は空海の先駆的存在(司馬)で、彼なしには空海も最澄もなかったと。坪内逍遙の戯曲『役の行者』を読みたくなった。
中村蓉






