演劇

新国立劇場 演劇『ピグマリオン』

『ピグマリオン』の中日を観た(11月22日 14時/新国立中劇場)。 ごく簡単なメモ。 作:ジョージ・バーナード・ショー 翻訳:小田島恒志 演出:宮田慶子 【キャスト】 石原さとみ 平 岳大 小堺一機 綱島郷太郎 増子倭文江 橋本 淳 春風ひとみ 倉野章子(「…

F/T13 イェリネク連続上演『光のない。(プロローグ?)』小沢剛 演出・美術/よく分からないが面白い/ゴリラのフラダンサー2人にグッときた

『光のない。(プロローグ?)』の初日・初回を観た(11月21日 14時/東京芸術劇場 シアターイースト)。エルフリーデ・イェリネク作/小沢剛 演出・美術。なんかよく分からないがとにかく面白かった。 分からないまま、経験した事/出来事をメモしてみたい。…

NODA・MAP 第18回公演『MIWA』

遅まきながら『MIWA』を観た(10月25日 19時/東京芸術劇場 プレイハウス)。 作・演出:野田秀樹 キャスト MIWA:宮沢りえ 赤絃繋一郎(あかいとけいいちろう):瑛太 マリア:井上真央 最初の審判/通訳:小出恵介 ボーイ:浦井健治 負け女:青木さや…

新国立劇場 演劇『エドワード二世』/テンポがよくない

『エドワード二世』の初日を観た(10月9日 13:00/新国立小劇場)。 作:クリストファー・マーロウ(1564-1593) 翻訳:河合 祥一郎 演出:森 新太郎 出演: 柄本 佑/中村 中/大谷 亮介/窪塚 俊介/大鷹 明良/木下 浩之/中村 彰男/西本 裕行/瑳川 哲…

「rendance 世代間の対話」/Whenever Wherever Festival 2013/即興性をめぐって

「rendance 世代間の対話」を観た(10月13日 18:00/森下スタジオ B)。この日は錦糸町で新日本フィルの定演を聴いた後、地下鉄で森下へ。Whenever Wherever Festival は第5回とあるが、見るのはこれが初めて。テーマは「即興の再生」。ダンスというより舞台…

葛河思潮社 第三回公演『冒した者』/須永役の松田龍平が素晴らしい

三好十郎の『冒した者』を観た(9月7日 17時/神奈川芸術劇場 大スタジオ)。いま頃は東京公演(吉祥寺シアター)の中日あたりか。 今回もつい出遅れて、気がついたら〝予定枚数終了〟に。なんとかネットで横浜公演のチケットを入手。この取りにくさは「あま…

『ジャンヌ』―ノーベル賞作家が暴く 聖女ジャンヌ・ダルクの真実―

バーナード・ショーの『ジャンヌ』(聖ジョウン)を観た(9月13日 19時/世田谷パブリックシアター)。 ネットで『MIWA』との抱き合わせが入手条件だったため、11月の『ピグマリオン』への前奏と自分に言い聞かせ、見ることに。ただ、終演は22時13分。長かっ…

新国立劇場 演劇『OPUS/作品』2013/2014シーズン開幕

昨夜『OPUS/作品』の初日を観た(9月10日 19時/新国立小劇場)。 新国立劇場の2013/2014シーズンは演劇部門で開幕した。本作はシリーズ企画「Try・Angle –三人の演出家の視点 –」の第一弾。 【作】マイケル・ホリンガー 【翻訳】平川大作 【演出】小川絵…

松尾スズキ作・演出『悪霊 −下女の恋−』

『悪霊 −下女の恋−』を観た(8月31日 19時/本多劇場)。 NHKの朝ドラ「あまちゃん」人気で、すっかり株が上がった大人計画/松尾スズキだが、これは松尾の作・演出で1997年に初演し、2001年に再演した芝居の再々演版。広岡由里子だけは不動だが、初演のタケ…

小野寺修二 構成・演出『鑑賞者』

『鑑賞者』の初日を観た(8月29日 19時/あうるすぽっと)。 構成・演出:小野寺修二 脚本:高井浩子(東京タンバリン) 出演:斉藤悠、宮下今日子、小田直哉(大駱駝艦)、竹内英明、藤田桃子、南雲麻衣、山田真樹 美術:深沢襟 / 照明:磯野眞也 / 音響:…

【ザ・ファクトリー3】 さいたまゴールド・シアター×瀬山亜津咲 WORK IN PROGRESS/磨かれた魂の希有なタンツテアター

瀬山亜津咲がさいたまゴールド・シアターに振付・演出した〝ダンス公演〟を観た(8月15日 14時/彩の国さいたま芸術劇場 大練習室)。 【ザ・ファクトリー3】 WORK IN PROGRESS(ワーク・イン・プログレス) 演出・振付:瀬山亜津咲(Tanztheater Wuppertal …

子供のためのシェイクスピア『ジュリアス・シーザー』/芝居の粋がここにある/高度にブレヒト的な舞台

山崎清介脚本・演出の『ジュリアス・シーザー』を観た(7月14日 15時/あうるすぽっと)。 作:ウィリアム・シェイクスピア(小田島雄志翻訳による) 脚本・演出:山崎清介 照明:山口 暁 音響:角張正雄 衣装:三大寺志保美 演出補:小笠原響 舞台監督:堀 …

平成25年度 地域招聘公演 オペラ《三文オペラ》/オペラ批判のオペラをオペラ歌手が歌い演じると・・・

オペラ《三文オペラ》を観た(7月12日/新国立中劇場)。昨年10月にびわ湖ホール中ホールで上演された舞台らしい。 〝オペラ《三文オペラ》〟と書くとリダンダントだが、新国立劇場の「地域招聘オペラ公演」だからこう記さざるをえない。つまり、この《三文…

新国立劇場 演劇『象』/重苦しさが軽減

『象』の2日目を観た(7月3日 14時/新国立小劇場)。 『象』(1962/65) 作: 別役 実 演出: 深津篤史美術:池田ともゆき 照明:小笠原 純 音響:上田好生 衣裳:宮本宣子 ヘアメイク:鎌田直樹 演出助手:川端秀樹 舞台監督:田中直明 配役 病人:大杉 …

マギー・マラン『Salves −サルヴズ』/ベンヤミンの「歴史の概念」など

マギー・マランの『Salves −サルヴ(ズ)』を観た(6月15日/彩の国さいたま芸術劇場 大ホール)。 演出・振付:マギー・マラン Maguy Marin 共同演出:ドゥニ・マリオット Denis Mariotte 出演:カンパニー・マギー・マラン Compagnie Maguy Marin ユリーズ…

文学座『ガリレイの生涯』/後味は悪くないが

文学座公演『ガリレイの生涯』の初日を観た(6月14日/あうるすぽっと)。 作:ベルトルト・ブレヒト 訳:岩淵達治 演出:高瀬久男 装置:石井強司 照明:賀澤礼子 音楽:芳垣安洋、高良久美子 音響効果:藤田赤目 衣裳:前田文子 舞台監督:寺田 修 演出補…

岩松了『不道徳教室』

岩松了 作・演出の『不道徳教室』初日を観た(5月29日/KAAT神奈川芸術劇場 大スタジオ)。 いろいろあって、だいぶ日にちが経ってしまった。今頃はシアタートラムか。感触を忘れないうちに簡単なメモを記す。 作・演出:岩松 了配役: 大森南朋(山城) 二…

新国立劇場 演劇『つく、きえる』

シリーズ「With ─つながる演劇・ドイツ編─」『つく、きえる』の初日を観た(6月4日/新国立小劇場)。 作:ローラント・シンメルプフェニヒ 翻訳:大塚 直 演出:宮田慶子 美術:土岐研一 照明:佐藤 啓 音響:長野朋美 衣裳:高木阿友子 ヘアメイク:川端富…

新国立劇場 演劇『アジア温泉』/「ロミ&ジュリ」のアジア版/韓国人俳優のパトス

シリーズ「With——つながる演劇・韓国編——」『アジア温泉』の初日を観た(5月10日/新国立中劇場)。 作:鄭 義信 Chong Wishing 演出:ソン・ジンチェク Sohn Jinchaek 翻訳:パク・ヒョンスク Park Hyunsook 美術:池田ともゆき 照明:沢田祐二 音楽:久米…

新国立劇場 演劇『効率学のススメ The Opportunity of Efficiency』 舞台の出来は微温的/企画の当否は数値で測るな

アラン・ハリスの『効率学のススメ』を観た(4月10日/新国立小劇場)。 「人生は数値で測ることができるのか。」(フライヤー)。「効率性」や「合理化」の名の下に、真っ先に切り捨てられてきたのは演劇を含む芸術文化そのものだ。特にこの国ではそういえ…

井上ひさし原案/蓬莱竜太 作『木の上の軍隊』 オキナワの内なる声

『木の上の軍隊』を観た(4月6日13:30/Bunkamura シアターコクーン)。 井上ひさしが最後までこだわり続けた企画の舞台化。千田是也の演出にすまけいと市川勇の二人芝居で1990年4月の上演が決まっていた。ところが、台本があがらずに中止。その後、2010年7…

新国立劇場 演劇『長い墓標の列』(2)中日再見/成長した舞台/古河耕史に痺れた/自死しないユダの決意

再度『長い墓標の列』を観てきた(3月15日/新国立小劇場)。やはり舞台は育ち成長していた。どの役者も初日に見られた硬さがほぐれ、それぞれの役を生きはじめている。なかでも城崎を演じた古河耕史には痺れた。 まずは第3幕の城崎と山名の対話。前言を翻…

新国立劇場 演劇『長い墓標の列』(1)優れた思想劇/役者の質が高い/観劇後はすっきりしない

福田善之作『長い墓標の列』の初日を観た(3月7日/新国立小劇場)。 作:福田善之 演出:宮田慶子美術: 伊藤雅子 照明:鈴木武人 音響:上田好生 衣裳:半田悦子 演出助手:渡邊千穂 舞台監督:福本伸生 キャスト 山名庄策 経済学部教授(純理派):村田雄…

燐光群 創立30周年記念 第一弾 『カウラの班長会議』/歴史と現在を繋ぐ興味深い試み/説明的な台詞が多すぎる

坂手洋二作・演出『カウラの班長会議』の初日を観た(3月8日/下北沢ザ・スズナリ)。 作・演出:坂手洋二 照明:竹林功(龍前正夫舞台照明研究所) 音響:島猛(ステージオフィス) 美術:島次郎 衣裳:宮本宣子 振付:矢内原美邦 舞台監督:高橋淳一 演出…

劇団銅鑼『からまる法則』劇団創立40周年記念公演/適材適所の配役/台本と俳優を活かす演出

劇団銅鑼の『からまる法則』初日を観た(2月27日/俳優座劇場)。 作:小関直人 演出:松本祐子(文学座) 美術:石井強司 照明:伊藤孝 効果:熊野大輔 衣装:大野典子 舞台監督:稲葉対介 演出助手:柴田愛奈 舞台監督助手:鈴木正昭 イヤホンガイド:鯨エ…

ARICA 第24回公演『ネエアンタ』/山崎広太主演のベケットに基づく舞台/亡霊の現前に違和感

『ネエアンタ』の初日を観た(2月28日/森下スタジオ Cスタジオ)。 山崎広太がベケットに基づく舞台に出演するという。最近、ベケットの後期作品と舞踏との親近性について、また、米沢唯のジゼルを見ながらダンサーが亡霊を生きることについて、考えさせら…

カンパニーデラシネラ『異邦人』/ストーリー・テラーの才能

カンパニーデラシネラ『異邦人』を世田谷パブリックシアターで観た(2月14日)。再演らしいが、今回はじめて見た。ごく簡単にメモする。 [原作]アルベール・カミュ [翻訳]窪田啓作(新潮文庫刊) [構成・演出]小野寺修二 [テキスト協力]小里清(フラ…

サミュエル・ベケット『消滅するまえに…』劇団マウス オン ファイア /新世代のベケット?

アイルランドの劇団マウス オン ファイア Mouth on Fire による『消滅するまえに…』Before Vanishing . . . を観た(2月16日15:00/シアターX)。公演はベケット後期の4作から成る。「大事な視覚的要素の邪魔になる」(カハル・クイン芸術監督)ため、字幕…

ハーウッド作『テイキングサイド』Ronald Harwood, TAKING SIDES/深みに欠ける舞台/ドラマトゥルクの必要性

ロナルド・ハーウッド作『テイキングサイド〜ヒトラーに翻弄された指揮者が裁かれる日〜』の初日を観た(2月1日/天王洲 銀河劇場)。 戦時下の音楽家を扱う本作はそのテーマ(危機と芸術の問題)に惹かれ、原書で親しんできた。劇団民藝が『どちらの側に…

東京芸術劇場・テルアビブ市立カメリ・シアター国際共同制作『トロイアの女たち』/異文化の融和/言語的対話の不在

(舞台を見ても、そのメモをアップできないでいる公演がかなり溜まってしまった。気になりながらも、あっという間に年の瀬だ。せめて『トロイアの女たち』だけでもアップしておきたい。) 蜷川幸雄演出の『トロイアの女たち』を観た(12月13日/東京芸術劇場…