演劇

新国立劇場 演劇研修所 第8期生修了公演『アンチゴーヌ』

久し振りに演劇研修生の修了公演を観た(1月11日 Bキャスト/新国立劇場内 Cリハーサル室)。数時間前に中劇場で見たバレエ公演よりはるかに上質で面白かった。 作:ジャン・アヌイ 翻訳:芥川比呂志 演出:栗山民也(演劇研修所長) 美術:伊藤雅子 照明:…

F/T14ピーター・ブルック『驚愕の谷』

『驚愕の谷』の初日を観た(11月3日 18時/東京芸術劇場 プレイハウス)。簡単なメモ。 脚本・演出:ピーター・ブルック、マリー=エレーヌ・エティエンヌ 出演:キャサリン・ハンター、マルチェロ・マーニ、ジャレッド・マクニール 照明・技術監督:フィリ…

シス・カンパニー『鼬(いたち)』

真船豊の『鼬』を観た(12月5日 19時/世田谷パブリックシアター)。ダメ元で招待チケットに応募したら当たったのだ。 真船(1902-77)は三好十郎(1902-58)と同い年で、岸田國士(1890-1954)のちょうど一回り後輩にあたる。『鼬』は、築地座を脱退した人…

『 ポリグラフ 嘘発見器』2012

2年前の下書きから見つけた。あまりに短いので書き足すつもりだったのか。ルパージュは好きな舞台人なのでそのままアップしておく。『ポリグラフ 嘘発見器』を観た(2012年12月12日/東京芸術劇場 シアターイースト)。 脚本・構想:マリー・ブラッサール/…

岩松了『水の戯れ』

書きかけのブログが下書き欄にかなり溜まっている。あまりに〝遅ればせながら〟だが、少しずつアップしていきたい。 岩松了の『水の戯れ』を観た(11月2日 14時/本多劇場)。以下はごく簡単なメモ。 作・演出:岩松 了 照明:沢田祐二 美術:二村周作 音響…

チェルフィッチュ『スーパープレミアムソフトWバニラリッチ』

チェルフィッチュの『スーパープレミアムソフトWバニラリッチ』を観た(12月13日 14時/KAAT 大スタジオ)。 Theatre der Welt 2014(マンハイム/ドイツ)委嘱作品 作・演出:岡田利規 出演:矢沢誠(店長)/足立智充(まみや SV)/上村 梓(客1)/鷲…

新国立劇場 演劇『星ノ数ホド』 Constellations

シリーズ「二人芝居─対話する力─」の3作目『星ノ数ホド』を観た(12月12日 19時/新国立小劇場)。 作:ニック・ペイン 翻訳:浦辺千鶴 演出:小川絵梨子マリアン(物理学者):鈴木 杏 ローランド(養蜂家):浦井健治 美術:松岡 泉 照明:沢田祐二 音響…

F/T14 さいたまゴールド・シアター『鴉よ、おれたちは弾丸をこめる』

さいたまゴールド・シアターの『鴉よ、おれたちは弾丸(たま)をこめる』を初めて観た(11月23日 18時/にしずがも創造舎)。 作:清水邦夫 演出:蜷川幸雄 演出補:井上尊晶 出演:さいたまゴールド・シアター、さいたまネクスト・シアター 美術:中越 司 …

シンポジウム“芸術と科学” ―心はどこにあるのかー/アンドロイド演劇『さようなら』

標記のシンポジウムに組み込まれたアンドロイド演劇『さようなら』を観た(11月22日 17時/東京藝術大学 音楽学部第6ホール)。 シンポジウム“芸術と科学” ―心はどこにあるのかー 青年団+大阪大学ロボット演劇プロジェクト17:00 *アンドロイド演劇『さよう…

東京芸術劇場×明洞芸術劇場 国際共同制作『半神』/イヤフォンでの観劇/耳を塞いで街を歩く人々

野田秀樹の『半神』(韓国語ヴァージョン)を観た(10月25日 14時/東京芸術劇場プレイハウス)。 原作・脚本:萩尾望都 脚本・演出:野田秀樹出演:チュ・イニョン チョン・ソンミン オ・ヨン イ・ヒョンフン イ・ジュヨン パク・ユニ イ・スミ ヤン・ドン…

新国立劇場演劇『ご臨終 Vigil』

『ご臨終』の初日を観た(11月5日 19時/新国立小劇場)。 以下は直後の走り書きメモ。 シリーズ「二人芝居─対話する力─」Vol. 2 作:モーリス・パニッチ 翻訳:吉原豊司 演出:ノゾエ征爾美術: 杉山 至 照明:服部 基 音響:井上直裕 衣裳:駒井友美子 ヘ…

青年団+大阪大学ロボット演劇プロジェクト アンドロイド版『変身』

アンドロイド版『変身』の初日を観た(10月9日 19:30/神奈川芸術劇場 KAAT)。簡単にメモする。 青年団国際演劇交流プロジェクト2014 原作:フランツ・カフカ 作・演出:平田オリザ アンドロイド開発:石黒 浩(大阪大学&ATR石黒浩特別研究所) 翻訳:マチ…

青年団第73回公演『暗愚小傳』/内的対話を促す余白

平田オリザ作・演出の『暗愚小傳』を観た(10月22日 19:30/吉祥寺シアター)。 出演 山内健司 松田弘子 永井秀樹 川隅奈保子 能島瑞穂 堀 夏子 森内美由紀 木引優子 伊藤 毅 井上みなみ 折原アキラ 佐藤 滋 スタッフ 舞台美術:杉山 至 照明:三嶋聖子 音響…

新国立劇場 演劇『ブレス・オブ・ライフ〜女の肖像〜』/二人の役者の在り方

『ブレス・オブ・ライフ』の初日を観た(10月8日 19時/新国立小劇場)。 シリーズ「二人芝居─対話する力─」Vol. 1 作:デイヴィッド・ヘア 翻訳:鴇澤麻由子 演出:蓬莱竜太 美術:伊藤雅子 照明:中川隆一 音響:長野朋美 衣裳:前田文子 ヘアメイク:鎌田…

Dance New Air 2014 カンパニ―デラシネラ『赤い靴』/受容者の「予知」について

カンパニ―デラシネラ『赤い靴』の初日を観た(9月12日 19時/青山円形劇場)。 演出・出演:小野寺修二 出演:片桐はいり, Sophie Brech, 藤田桃子 美術:Nicolas Buffe 演出助手・通訳:保科由里子 演出助手・稽古場代役:傳川光留 テキスト:山口茜 照明:…

新国立劇場 演劇『三文オペラ』初日

『三文オペラ』の初日を観た(9月10日 19時/新国立中劇場)。 作:ベルトルト・ブレヒト 音楽:クルト・ヴァイル 翻訳:谷川道子 演出:宮田慶子 音楽監督:島 健 美術:池田ともゆき/照明:沢田祐二/音響:渡邉邦男/衣裳:半田悦子/歌唱指導:伊藤和美…

大正直劇団『三文オペラ改』

知人が出るというので観てきた(9月6日 14時/中野ウエストエンドスタジオ)。 作:ベルトルト・ブレヒト 台本・演出:串田杢弥 音楽:クルト・ワイル、CARRIE☆ミ 舞台監督:はじり孝奈/照明:原彰人/照明オペレーター:内田英嗣/チラシイラスト:Kentoo …

あうるすぽっとシェイクスピアフェスティバル2014 地点『コリオレイナス』

地点の『コリオレイナス』を観た(8月29日 19:30/あうるすぽっと)。 三浦基の演出作品を観るのは、イェリネクの『光のない。』(2012年11月/東京芸術劇場プレイハウス)で強烈な異和を感じて以来、二作目。 原作:ウィリアム・シェイクスピア 翻訳:福田…

彩の国さいたま芸術劇場開館20周年記念 さいたまゴールド・シアター×瀬山亜津咲『KOMA'』+『コンタクトホーフ』のカーテンコール

初日を観た(8月28日 19時/彩の国さいたま芸術劇場 小ホール)。 演出・振付:瀬山亜津咲(ピナ・バウシュ ヴッパタール舞踊団ダンサー) 演出・振付補:ファビアン・プリオヴィル 出演:さいたまゴールド・シアター 石川佳代 、上村正子、北澤雅章、佐藤禮…

劇団銅鑼公演ドラマファクトリーvol.8「たったいま八月の冥王星で たったいま八月の地球では」

先ほど標記公演の初日を観てきた(8月27日 19時/銅鑼アトリエ)。 劇団銅鑼公演ドラマファクトリーvol.8「たったいま八月の冥王星で たったいま八月の地球では」 テキスト/和合亮一 構成・演出/篠本賢一 美術・衣装/長谷川康子 照明/佐々木真喜子 音響…

ドキュメンタリー映画『Brook by Brook』『ピーター・ブルックのザ・タイトロープ(原題)』

標記の映画を見た(7月19日 B:16時 A:18時/彩の国さいたま芸術劇場 映像ホール)。 『ピーター・ブルックのザ・タイトロープ(世界一受けたいお稽古)』は「全国ロードショーに先駆けた特別先行上映」らしい。これを機に、ブルック(1925- )のどれを見たの…

深津篤史を追悼する

演出家・劇作家の深津篤史(しげふみ)氏が、今日、肺小細胞がんのため亡くなったという。46歳か。 深津演出の舞台を観たのは再演を含めて6作にすぎない。彼自身が書いた作品は1つだけ。それでも、演劇人としての才能は圧倒的だった。 2005年10月 岸田國士…

新国立劇場 演劇『十九歳のジェイコブ』

『十九歳のジェイコブ』を観た(6月21日 13時/新国立小劇場)。 原作:中上健次(1946–92)『十九歳のジェイコブ』1986年/角川書店(『野生時代』1978年7月号〜79年10月号・80年2月号連載の「焼けた眼、熱い喉」を加筆・改題) 台本:松井 周 演出:松本雄…

戯曲リーディング 時代を築いた作家たち2 ウージェーヌ・イヨネスコ『禿の女歌手/椅子』

イヨネスコの2作品をリーディングするというので観てきた(5月10日 14時/シアタートラム)。 イヨネスコといえば、かつて渋谷のジャン・ジャンで毎週金曜の夜に中村伸郎が出演していた『授業』ぐらいしか見ていない(調べてみると1972年から11年間も)。生…

劇団銅鑼『女三人のシベリア旅行』/虚構の次元について

初日を観た(3月13日 14時/俳優座劇場)。 原作:森まゆみ『女三人のシベリア鉄道』 脚本:森まゆみ 演出:野崎美子美術:佐藤朋有子/照明:鷲崎淳一郎/音響:中嶋直勝/音楽:芳賀一之/衣裳:広野洋子/舞台監督:稲葉対介/音声ガイド:鯨エマ/宣伝美…

2013年12月〜2月感想メモ/BCJ『レクイエム』/新国立バレエ『くるみ割り人形』+厚木公演/日本バレエ協会『アンナ・カレーニナ』/新国立オペラ『カルメン』『蝶々夫人』/新日本フィル#105定演/現代能楽集VII「花子について」/ARCHITANZ 2014

そういうわけでたまった舞台の感想をまとめて簡単にメモする。 BCJ #105定演 モーツァルト『レクイエム』鈴木優人 補筆校訂(12月9日 19時/東京オペラシティ コンサートホール) 2006年モーツァルト・イヤーではアーノンクール指揮のウィーン・コンツェント…

新国立劇場 演劇『アルトナの幽閉者』

ジャン=ポール・サルトル(1905-80)作『アルトナの幽閉者』(1959)の初日を観た(2月19日 18:30/新国立小劇場)。 先に永戸多喜雄訳で戯曲を読んだ(岩切正一郎の新訳は刊行しないとのこと。翻訳権の問題か)。とても面白い作品。戦争責任と家族(特に父…

チェルフィッチュ『地面と床』/死者と生者、格差と戦争

チェルフィッチュの『地面と床』を観た(12月15日 14時/KAAT 神奈川芸術劇場 大スタジオ)。 先日F/Tで観た『現在地』は、3.11以降の日本の文脈では極めて selfish と見えたはずの行動やそこから派生した情念を見事に創作へ転化し昇華しえた舞台だった。も…

F/T13 チェルフィッチュ『現在地』/スタイリッシュな舞台の裏

チェルフィッチュの『現在地』を観た(12月2日 19:30/東京芸術劇場 シアターイースト)。 作・演出:岡田利規 出演:佐々木幸子、伊東沙保、南波圭、安藤真理、青柳いづみ、上村梓、石橋志保 美術:二村周作 音楽:サンガツ ドラマトゥルグ:セバスチャン・…

F/T13 イェリネク連続上演『光のない。(プロローグ?)』宮沢章夫 演出/イェリネクへの見事な応答/『想像ラジオ』のエコーも

エルフリーデ・イェリネク 作/宮沢章夫 演出『光のない。(プロローグ?)』の初日を観た(11月30日 19:40/東京芸術劇場 シアターウエスト)。 作:エルフリーデ・イェリネク 翻訳:林 立騎 演出/美術:宮沢章夫 出演:安藤朋子 谷川清美 松村翔子 牛尾千…