コンサート

新日本フィル #516 定期演奏会/下野竜也のブルックナー

新日本フィルハーモニー交響楽団の第516回定期演奏会を聴いた(10月13日 14時/すみだトリフォニーホール)。指揮は下野竜也。前半はシューマンのチェロ協奏曲イ短調 op.129。チェロのルイジ・ピオヴァノは、オケの伴奏にも上体を傾け気持ちを合わせる。全体…

ブリテン生誕100年 第529回 読響定演/意欲的なプログラム/災厄と芸術

開演前にアークヒルズで食事をしていたら、細川俊夫氏に遭遇した。せっかくなので、昨年聞いた四つのコンサート(作曲コンクールの講評を含む)への称賛の意と新国立劇場委嘱作オペラ《夜叉ヶ池》のメモと同旨のことを伝えた(新国立劇場オペラ《夜叉ヶ池》…

新日本フィル #514 & #515 定期演奏会―インゴ・メッツマッハー Conductor in Residence 就任披露公演―

新日本フィルの2013/2014シーズン開幕はインゴ・メッツマッハーの〝Conductor in Residence〟就任披露公演となった(9月6日 19:15/すみだトリフォニーホール)。たまたま翌週のチケットを譲り受け、サントリーホール・シリーズも聴いた(9月14日)。 【トリ…

新日本フィル #513 定期演奏会/アルミンクのラストコンサート/Auf Wiedersehen, Christian!

私はトリフォニー・シリーズ第1夜(金)の会員だが、今回は音楽監督アルミンクの最後のコンサートに立ち会うべく、第2夜(土)にも足を運んだ(8月2日 19:15・3日 14:00/すみだトリフォニーホール)。 アルミンク恒例のプレトークもこれが最後。曰く――マ…

BCJ #103定期演奏会 バッハ:世俗カンタータ・シリーズ Vol. 3『鎮まりしアイオロス』

BCJの第103回定期演奏会を聴いた(7月26日 19:00/東京オペラシティコンサートホール タケミツ メモリアル)。 第103回定期演奏会/バッハ:世俗カンタータ・シリーズ Vol. 3 『鎮まりしアイオロス』 J. S. バッハ: 《響き交わす弦による 一致する不一致よ…

都響《戦争レクイエム》/せっかくの企画も、合唱団が・・・/オウエンの詩

ブリトゥン(ブリテン)の《戦争レクイエム》を聴いた(6月18日 19時/東京文化会館)。 第753回 定期演奏会Aシリーズ 《戦争レクイエム》作品66(1962) 作曲:ベンジャミン・ブリトゥン Edward Benjamin Britten(1913-76) 指揮:大野和士 ソプラノ:リー…

新日本フィル #511 定期演奏会/大野和士のブルックナー7番ほか

新日本フィルハーモニー交響楽団の第511回定期演奏会を聴いた(7月5日 19:15/すみだトリフォニーホール)。 ごく簡単にメモする。 シャリーノ Salvatore Sciarrino (1947- ) 『夜の肖像』Autoritratto nella Notte (1982) *日本初演 約10分 ツィンマーマン …

新日本フィル #509 定期演奏会/ハーディングのマーラー6番/すべての楽音がむき出しに

新日本フィルハーモニー交響楽団の第509回定期演奏会を聴いた(6月21日/すみだトリフォニーホール)。 グスタフ・マーラー Gustav Mahler (1860-1911) 交響曲第6番イ短調「悲劇的」(初演1906)Symphony No. 6 in A minor "Tragische" I. Allegro energico…

イェール大学合唱団&ジュリアード音楽院古楽オーケストラ演奏会/教育者 鈴木雅明

J. S. バッハの《ミサ曲 ロ短調》BWV 232 を聴いた(6月2日/東京藝術大学 奏楽堂)。 指揮は鈴木雅明、演奏はイェール大学スコラ・カントールム合唱団(Yale Schola Cantorum)およびジュリアード音楽院古楽オーケストラ(Juilliard 415)。全席自由とはい…

BCJ #102定期演奏会:復活祭の初期カンタータ集/空気がいつもと違う/プログラムの対訳について一言

BCJの第102回定期演奏会を聴いた(5月31日/東京オペラシティコンサートホール タケミツメモリアル)。 教会カンタータ・シリーズ Vol.65【復活祭、精霊降誕祭の初期カンタータ集】 オルガン前奏 J. S. バッハ(1685-1759): プレリュードとフーガ ハ長調 B…

新日本フィル #507 定期演奏会/アルミンクの変化/収穫のとき

昨夜、新日本フィルハーモニー交響楽団の第507回定期演奏会を聴いた(4月19日/すみだトリフォニーホール)。指揮はクリスティアン・アルミンク。 前半は清水和音のピアノでブラームスのピアノ協奏曲第2番変ロ長調 op.83。後半はシューマンの交響曲第4番ニ短…

《無限大∞パイプオルガンの宇宙—バッハから現代を超えて》オルガンとダンスのコラボ/撓やかなオルガン/ダンスへの異和

《無限大∞パイプオルガンの宇宙—バッハから現代を超えて》を観た(4月12日/東京芸術劇場コンサートホール)。 構成・演出・振付・照明:勅使川原三郎 ダンス:勅使川原三郎、佐東利穂子、KARAS オルガン:鈴木優人 演奏曲目: 即興(M) J. S. バッハ(168…

東京春祭《ニュルンベルクのマイスタージンガー Die Meistersinger von Nürnberg》(演奏会形式・字幕映像付)

あっという間に4月が来た。3月26日に新国立中劇場で「Dance to the Future 2013」を観たがさほど心が動かず、感想は書かず仕舞い。3月29日金曜日のBCJによる《ヨハネ受難曲》はすばらしい演奏だったが、これも別の理由からアップせず。受難曲を聴くと、エヴ…

ミンコフスキ指揮レ・ミュジシャン・デュ・ルーヴル - グルーノブル/聴きごたえのある二つの「未完成」

マルク・ミンコフスキが率いるレ・ミュジシャン・デュ・ルーヴル - グルーノブルの演奏会を聴いた(2月22日/東京オペラシティ コンサートホール:タケミツ メモリアル)。 このオケは2009年に初来日したが、古楽のイメージとは裏腹によい意味でアバウトとい…

BCJ第100回定期演奏会【教会カンタータ・シリーズ 全曲達成記念】

バッハ・コレギウム・ジャパンの第100回定期演奏会を聴いた(2月24日/東京オペラシティコンサートホール タケミツ・メモリアル)。この公演でバッハの教会カンタータ全曲録音・演奏が達成された。 公演プログラムに「BCJ定期演奏会 第1〜100回のあ…

コリン・カリー・グループ:ライヒ《ドラミング》ライヴ Steve Reich's DRUMMING/果てしない反復の果てに微かな変化=希望が/日本の若者気質との親和性?

コリン・カリー・グループによるライヒの《ドラミング》他を聴いた(12月5日/東京オペラシティ コンサートホール:タケミツ メモリアル)。 スティーヴ・ライヒ作曲: 「クラッピング・ミュージック——2人の手を叩く奏者のための」(1972) 演奏者:スティ…

新日本フィル定期演奏会 サントリーシリーズ 室内楽のようなチャイコフスキー/『ハルサイ』は瑞々しいが

新日本フィルハーモニー交響楽団の第501回定期演奏会を聴いた(11月28日/サントリーホール)。 指揮はダニエル・ハーディング。曲目は、チャイコフスキーの交響曲第4番 ヘ短調 op.36と、ストラヴィンスキーのバレエ音楽『春の祭典』。コンマスは崔文洙。 前…

モリエール台本 音楽付きコメディ《病は気から》北とぴあ国際音楽祭2012/楽しい!/歌手も役者も水準が高い

モリエールの音楽付きコメディ《病は気から》を観た(11月23日/北とぴあ・さくらホール/セミ・ステージ形式/歌詞原語・台詞日本語上演/日本語字幕付き)。北とぴあ国際音楽祭は低料金で水準の高い舞台を提供してくれる。昨年の《コジ・ファン・トゥッテ…

新日本フィル定期演奏会 トリフォニーシリーズ第一夜/代役指揮者はエル・システマ出身/聴き手の免疫性を高める演奏

新日本フィルハーモニー交響楽団の第500回定期演奏会を聴いた(10月26日/トリフォニーホール)。 当初予定の指揮者ヴォルフ=ディーター・ハウシルトが急病のため来日できず、代わりにドミンゴ・インドヤンが出演。この若手指揮者は、例のエル・システマで…

BCJによるメンデルスゾーン《パウルス》/永遠に聴いていたいと思わせる名演

バッハ・コレギウム・ジャパンによるメンデルスゾーンのオラトリオ《パウルス》を聴いた(東京オペラシティコンサートホール タケミツ メモリアル/10月14日)。 指揮:鈴木雅明/合唱・管弦楽:バッハ・コレギウム・ジャパン(コンサートマスター:寺神戸亮…

8/6 世界平和への祈り 広島特別演奏会 奇跡的な沈黙

昨夜、標記の「読売日本交響楽団創立50周年特別公演」を上野学園ホール(広島県立芸術文化ホール)で聴いた。 秋にカンブルラン=読響が取り上げる細川俊夫の『ヒロシマ・声なき声』を目当てに同響のHPを覗いたら、この特別演奏会について告知されていた。偶…

日中共同制作 オペラ《アイーダ》(コンサート形式) 堂々たる中国人歌手/挙動不審の和製ラダメス

正直、気が重かったのだが、オペラ《アイーダ》(コンサート形式)を新国立劇場で観た(7月29日)。 日中国交正常化40周年記念 2012「日中国民交流友好年」認定行事 指揮:広上淳一/東京フィルハーモニー交響楽団/合唱:新国立劇場合唱団・国家大劇院…

大島莉紗ヴァイオリン・コンサート〜パリ・オペラ座からの便り〜第2回 「実存」を音化する音楽家/新国立劇場オペラ研修所 試演会 アリア抜きのオペラ

先週の土曜日は午前11時から「大島莉紗ヴァイオリン・コンサート〜パリ・オペラ座からの便り〜」をトッパンホールで聴き、その後、初台へ移動し、14時から新国立劇場オペラ試演会の「《コジ・ファン・トゥッテ》重唱で綴るオペラ短縮版」を聴いた(7月28日)…

バッハ・コレギウム・ジャパン(BCJ)の定期演奏会/非キリスト者にとっての〝教会〟

先週の金曜日、BCJの定演を聴いた(7月20日/東京オペラシティコンサートホール)。今回は「教会カンタータ」ではなく〈J. S. バッハ:世俗カンタータ全曲シリーズ Vol.2〉の「結婚カンタータ」。もちろん指揮は先頃ライプチヒ市からバッハ・メダルを授…

シー・イージェ(Shi Yijie)テノール・リサイタル 残念ながら・・・

水曜の夜シー・イージェ(石倚洁)のテノール・リサイタルを聴いた(7月18日/東京オペラシティコンサートホール タケミツメモリアル)。ピアノは浅野菜生子。数年まえ東フィルの定期でロッシーニの『ギョーム・テル』と『スターバト・マーテル』を聴いたと…

シー・イージェ(石倚洁)のテノールがまた聴ける

上海生まれのテノール歌手シー・イージェ Shi Yijie(石倚洁)が日本での初リサイタルを開く。昨日の「朝日新聞」夕刊で初めて知った(危うく聴き逃すところ)。ただ、その記事には「韓国の若手テノール」と表記されていたが(もちろん中国が正しい)。 シー…

新日本フィル定期演奏会 トリフォニー・シリーズ第1夜/内面と外面のコントラスト/昨年のハーディング

新日本フィルの#497定演を聴いた(7月6日・トリフォニーホール)。指揮はダニエル・ハーディング。曲目は、シューベルトの交響曲第7(8)番 ロ短調「未完成」D759と、リヒャルト・シュトラウスの交響詩「英雄の生涯」op.40。コンマスは崔文洙。 「未完成」…

ラ・フォル・ジュルネ 疲弊のなかのコーラス(カペラ・サンクトペテルブルク)

一年ぶりのラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン。テーマは「Le Sacre Russe——サクル・リュス——」。2005年の「ベートーヴェンと仲間たち」以来、毎年足を運んできた。低料金で最高の音楽を提供し、新たなクラシックファンを開拓したいというルネ・マルタンの…