コンサート

新日本フィル #561 サントリー定演/上岡敏之の音楽監督就任/オールR. シュトラウス

上岡敏之が音楽監督に就任後、初のコンサートを聴いた(9月9日 19:00/サントリーホール)。コンサートマスターは崔文洙。簡単にメモする。 前半は、リヒャルト・シュトラウスの交響詩「ツァラトゥストラはかく語りき」op. 30(1896)。 決して力まない。力…

新日本フィル #556 サントリー定演/上岡敏之音楽監督就任前/マーラー「巨人」他

上岡敏之が新日本フィルの音楽監督に就任後、初のコンサートを聴いた(9月9日)。その感想を記す前に、上岡が指揮した3月定演の短い走り書きを以下に転記する。 上岡敏之の音楽監督就任前の最後の演奏会(3月16日 19:15/サントリーホール)。コンサートマス…

弦楽三重奏@喫茶さかもと/プロ奏者によるモーツァルト

近所の喫茶店で弦楽三重奏の生演奏を聴いた(9月7日 19:00/喫茶さかもと)。昼の部(14:00)もあったが聴いたのは夜の部。 喫茶さかもとは、ジャズ喫茶というわけではないが、絶えずジャズが心地よく鳴っている。店主も奥さんもともに本好きで、店内には美…

佐藤俊介の現在 Vol. 2 ドイツ・ロマン派への新たな眼差し/様式を自在に弾きわけるヴァイオリニスト

「佐藤俊介の現在(いま)」 Vol. 2を聴いた(2月13日 15:00/彩の国さいたま芸術劇場 音楽ホール)。 昨年のVol. 1はダンサーとのコラボでとんでもない舞台だった(佐藤俊介の現在(いま) Vol.1 ヴァイオリン×ダンス―奏でる身体/至福の一時間 - 劇場文化…

別役実『はるなつあきふゆ』(劇団銅鑼)/“バッハのオペラ”から考える

9月26日(土)オペラシティでBCJの#114定演を聴いた。今回は世俗カンタータ・シリーズのVol. 6で演出付き「農民カンタータ」がメイン。少し早めにホール入り口へ到着しプログラムを入手。開場を待ちながら鈴木雅明氏の「巻頭言」を立ったまま読む。これがい…

マクミランの『グローリア』とツィンマーマンの『ある若き詩人のためのレクイエム』

ケネス・マクミラン振付の『グローリア』初日を観た(8月21日 18:30/新国立中劇場)その二日後に、ベルント・アロイス・ツィンマーマンの《ある若き詩人のためのレクイエム》を聴いた(8月23日 18:00/サントリーホール)。 共に日本初演であり、「戦争」と…

ビオンディ & エウローパ・ガランテ+ヴィヴィカ・ジュノー ヴィヴァルディの「四季」と「スターバト・マーテル」

ファビオ・ビオンディ & エウローパ・ガランテのコンサートを聴いた(3月3日 19時/東京オペラシティ コンサートホール)。 席は三階正面の三列目(最後列)。ホールは空席がかなり目立つ。三日前《メッセニアの神託》が上演された神奈川県立音楽堂は満席だ…

佐藤俊介の現在(いま) Vol.1 ヴァイオリン×ダンス―奏でる身体/至福の一時間

昨日、佐藤俊介のヴァイオリンと柳本雅寛のダンスのコラボレーションを観(聴い)た(2月14日 15:00/彩の国さいたま芸術劇場 音楽ホール)。 出演:佐藤俊介(ヴァイオリン)、柳本雅寛(ダンス) 演出:田村吾郎 曲目 ・ハインリヒ・イグナツ・フランツ・…

上原彩子の「くるみ割り人形」ピアノ独奏版

ジャパン・アーツの「夢倶楽部公演招待2014」で標記のコンサートが当選し、聴いてきた(1月24日 13:30/東京オペラシティコンサートホール)。席は1階2列目のかなり右寄り。ピアニストの手はまったく見えないが、表情はよく分かる。 アフタヌーン・コンサー…

新国立劇場 特別企画『さまよえるオランダ人』(演奏会形式)

特別企画『さまよえるオランダ人』(演奏会形式)を観た(1月16日 19時/新国立中劇場)。 指揮:城谷正博 ピアノ:木下志寿子ダーラント:長谷川 顯 ゼンタ:橋爪ゆか エリック:片寄純也 マリー:山下牧子 舵手:土崎 譲 オランダ人:小森輝彦 本公演のカ…

北とぴあ国際音楽祭2014 歌劇《プラテ》セミ・ステージ形式

ラモーの歌劇《プラテ》を観た(11月7日 19時/北とぴあ さくらホール)。 ラモー没後250年記念 歌劇《プラテ》(初演:1745年ヴェルサイユ/1749年パリ・オペラ座) セミ・ステージ形式/フランス語上演/日本語字幕付 作曲:ジャン=フィリップ・ラモー(1…

ラ・ヴェネクシアーナのモンテヴェルディ《ポッペーアの戴冠》

ラ・ヴェネクシアーナによる《ポッペーアの戴冠》を聴いた(10月15日 18:30/東京オペラシティコンサートホール)。簡単なメモ。 モンテヴェルディ作曲 歌劇《ポッペーアの戴冠》コンサート・スタイル/原語(イタリア語)上演/日本語字幕付 ラ・ヴェネクシア…

NNTT Young Opera Singers Tomorrow 2014/「オペラ・ガラ・コンサート」の名に恥じぬ内容

新国立劇場オペラ研修生によるオペラ・ガラ・コンサートを聴いた(12月23日 14時/新国立中劇場)。 出演:オペラ研修所研修生第15期生、第16期生、第17期生 ピアノ:河原忠之(オペラ研修所音楽主任講師) オペラ研修所長:永井和子 モーツァルト作曲『フィ…

パオロ・ファナーレ テノール・リサイタル

昨日やっと懸案の一件にひと区切りついた。溜まったメモを少しずつアップしていきたい。 パオロ・ファナーレのリサイタルを聴いた(10月1日 19時/紀尾井ホール)。本来は1月28日の予定が「本人の都合により」この日に振替延期となった。新国立劇場で16日か…

サブスクリプション公演の充実/新日本フィル・新国立劇場オペラ・BCJ・ファナーレ

月曜から土曜までの六日間で五つの公演を観(聴い)た。ジャンルはコンサートとオペラ。 9月29日(月)新日本フィル #530 定演(メッツマッハー指揮)ツィンマーマン:大オーケストラのためのプレリュード『フォトプトシス』日本初演/『ユビュ王の晩餐のた…

新日本フィル #529 トリフォニー定期演奏会/ツィンマーマンの“白鳥の歌”/「伝道の書」と「大審問官」

新日本フィルの第529回 定期演奏会を聴いた(7月18日 19:15/すみだトリフォニーホール)。 “ツィンマーマン&ベートーヴェン”シリーズの第二弾を遅ればせながらメモする。遅れるのは相変わらずだが、今回は、片付けるべき仕事や種々の公演が詰まっていただ…

新日本フィル #528 サントリー定期演奏会/メッツマッハー指揮

新日本フィルの第528回 定期演奏会を聴いた(7月13日 14時/サントリーホール)。 ベートーヴェン(1770-1827):劇音楽『エグモント』op. 84 序曲 しびれた。筋肉質の、引き締まった演奏。外からなにも加えない。内から外へエネルギーが噴出する。テンポは…

新日本フィル #527 サントリー定演/ハーディング All Brahms Vol. 3/画布としての聴衆

新日本フィルの第527回 定期演奏会を聴いた(6月29日 14時/サントリーホール)。 遅まきながら、ハーディングによる「オール・ブラームス」シリーズの掉尾をメモする。 ブラームス(1833-97):ピアノ協奏曲第1番 ニ短調 op. 15 ピアノ:ポール・ルイス 二…

新日本フィル #526 トリフォニー定演/ハーディング All Brahms Vol. 2

新日本フィルの第526回 定期演奏会を聴いた(6月20日 19:15/すみだトリフォニーホール)。 明日はサントリーでAll Brahms Vol. 3を聴くので、その前に簡単なメモを。 ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 op. 77 ヴァイオリン:イザベル・ファウスト すごくひきしま…

新日本フィル #525 サントリー定演/ハーディング All Brahms Vol. 1

新日本フィルの第525回 定期演奏会を聴いた(5月2日 19:15/サントリーホール)。 遅まきながら、簡単にメモする。 ブラームス(1833-97)のシンフォニーで好きな順は4番、2番、1番、3番。今回はその二番目と四番目。 前半は交響曲第2番 ニ長調 op. 73(187…

新日本フィル#522定演/後半のメルクルは別人

準・メルクル指揮の3つ目の公演を聴いた(3月14日 19:15/すみだトリフォニーホール)。 シューマン「ゲーテの『ファウスト』からの情景」序曲 初めて聴いた。「序曲と七つの情景で構成される」全曲を聴いてみたい。そう思わせる演奏。 シェーンベルク 浄め…

準・メルクル指揮の新日本フィル2公演/#521定演&すみだ平和記念コンサート2014」

準・メルクル指揮の新日本フィル(崔文洙コンマス)を2公演聴いた。 まずは#521定演(3月6日 19:15/サントリーホール)。 ストラヴィンスキー『花火』大オーケストラのための幻想曲 op. 4 ドビュッシー バレエ音楽『遊戯』 バレエ好きには興味深い選曲。演…

2013年12月〜2月感想メモ/BCJ『レクイエム』/新国立バレエ『くるみ割り人形』+厚木公演/日本バレエ協会『アンナ・カレーニナ』/新国立オペラ『カルメン』『蝶々夫人』/新日本フィル#105定演/現代能楽集VII「花子について」/ARCHITANZ 2014

そういうわけでたまった舞台の感想をまとめて簡単にメモする。 BCJ #105定演 モーツァルト『レクイエム』鈴木優人 補筆校訂(12月9日 19時/東京オペラシティ コンサートホール) 2006年モーツァルト・イヤーではアーノンクール指揮のウィーン・コンツェント…

新日本フィル#520定期演奏会/全身音楽のスピノジ/栗友会の巧みな歌芝居

新日本フィルハーモニー交響楽団の第518回定演(サントリーホール・シリーズ)を聴いた(2月27日 19:15/サントリーホール)。 ビゼー作曲 歌劇『カルメン』より 第1幕 前奏曲、広場を人々が通る、タバコ女工達の合唱 第2幕間奏曲、第3幕間奏曲、第4幕 …

新日本フィル #518定期演奏会/マイヤー&藤村美穂子/沈黙を味わえないサントリーホールの聴衆

新日本フィルハーモニー交響楽団の第518回定演(サントリーホール・シリーズ)を聴いた(11月29日 19:15/サントリーホール)。 #518 定期演奏会【マイヤー&藤村実穂子 最強コンビが贈るドイツ歌劇の真髄】 マルシュナー作曲 歌劇『吸血鬼』序曲 マルシュナ…

北とぴあ国際音楽祭2013《フィガロの結婚》/アクシデントが顕在化させた舞台芸術の醍醐味

《フィガロの結婚》を聴いた(11月24日 14時/北とぴあ さくらホール)。 北とぴあ国際音楽祭2013 モーツアルト作曲 歌劇《フィガロの結婚》 セミ・ステージ形式/全4幕/イタリア語上演・日本語字幕付 指揮:寺神戸(てらかど) 亮 アルマヴィーヴァ伯爵:…

ネルソンス指揮 バーミンガム市交響楽団/ヒラリー・ハーンの完璧な演奏にも頬は弛まず

ネルソンスの指揮およびハーンのヴァイオリンを初めて聴いた(11月21日 19時/東京芸術劇場 コンサートホール)。 指揮:アンドリス・ネルソンス 管弦楽:バーミンガム市交響楽団 ヴァイオリン:ヒラリー・ハーン ワーグナー:歌劇「ローエングリン」から第1…

ジャン=ギアン・ケラスの J. S. バッハ無伴奏チェロ組曲全曲演奏会/生について深々と内省させるコンサート

ジャン=ギアン・ケラスの J. S. バッハ無伴奏チェロ組曲全曲演奏会を聴いた(11月16日 14時/東京オペラシティ コンサートホール:タケミツ メモリアル)。ごく簡単にメモする。 無伴奏チェロ組曲第1番 ト長調 BWV1007 脱力した地点から少しずつ音楽が流れ…

サントリーホール国際作曲委嘱シリーズ No.36 テーマ作曲家〈細川俊夫〉管弦楽公演

9月7日に書いたような経緯で(ブリテン生誕100年 第529回 読響定演/意欲的なプログラム/災厄と芸術 - 劇場文化のフィールドワーク、サントリー財団によるサマーフェス、細川俊夫の管弦楽作品を中心とした公演を聴くことができた(9月5日19時/サントリーホ…

ムーティ conducts ヴェルディ/春祭オケは今回がベスト

春祭の特別公演「ムーティ conducts ヴェルディ」を聴いた(10月30日 19時/すみだトリフォニーホール)。 ごく簡単にメモする。 東京・春・音楽祭 特別公演 ヴェルディ生誕200年記念 ムーティ conducts ヴェルディ 歌劇《シチリア島の夕べの祈り》序曲 歌劇《…