福島三部作 第二部『1986年:メビウスの輪』の二日目を観た(8月9日19:00/東京芸術劇場シアターイースト)。 簡単にメモする。が、その前に、昨年7月に観た第一部『1961年:夜に昇る太陽』についても少しだけ。 細部は覚えていないが、こころが強く動いた舞…
「バレエ・アステラス 2019」の初日を観た(3日18:30/新国立劇場オペラハウス)。 今回は10回目を記念し2回公演となった(見たのは初日のみ)。なかなか見応えのある舞台だった。ごく簡単にメモする。 バレエ・アステラス委員(五十音順):安達悦子(東京…
8月はバレエのガラ公演が二つとオペラ《フィデリオ》 がコンサート形式で上演される。吉田都は来年9月から新国立劇場の舞踊芸術監督に就任するが、『Last Dance』で現役ダンサーを引退する。古巣の英国ロイヤルバレエ団や、やがて自身が指導する新国立のダ…
「すみだサマーコンサート2019 ―Chance to Play―」を聴いた(7月27日 14:00/すみだトリフォニーホール)。 中高生による演劇と上岡が率いる新日本フィルのコラボ。素直で物怖じしない前者の演技を、後者は美しく時に苛烈ともいえる極上の演奏で支えた。ある…
新日本フィルの定演で「リクエストコンサート」を聴いた(19日 19:00/すみだトリフォニーホール)。 指揮:上岡敏之/コンサートマスター:豊嶋泰嗣 ビゼー(1838):交響曲 ハ長調 なんと快活で瑞々しい演奏だろう。まさに音符が飛び跳ねているように感じ…
平田オリザの新作は日韓仏の共同公演だ。他に旧作のフランス語版等も見ることができる。大野和士が発案した〈オペラ夏の祭典 2019-20〉は「新国立劇場と東京文化会館が2020年に向けて」びわ湖ホールや札幌文化芸術劇場 hitaruなど「各地の劇場と連携して2年…
初めてマヌリの音楽を聴いた(6月13日 19:00/東京オペラシティ コンサートホール:タケミツ メモリアル)。 この公演で特筆すべきは、聴衆の〝並外れた傾聴〟だ。みんな物音ひとつ立てず集中して聴いていた。ただそれだけのこと。だが、昨今、そんな聴衆に…
すでに終わった二つの公演も記す(両者とも大変よい公演だった)。今年のコンポージアムはフィリップ・マヌリが審査員。新国立劇場バレエでは『アラジン』が再演される。振付のビントリーは来日するのだろうか。同じく新国立劇場のオペラ研修所が試演会で《…
新日本フィル定演 #606〈トリフォニー・シリーズ〉を聴いた(5月31日 14:00/すみだトリフォニーホール)。 メンデルスゾーン(1809-47) 序曲「フィンガルの洞窟」op. 26 〝いわゆる〟でない、初めて聴くような感触。すべてが〝ほどよく〟響き、各楽器の素…
《ドン・ジョヴァンニ》の初日を観た(5月17日 18:30/新国立劇場オペラハウス)。簡単にメモする。 指揮:カーステン・ヤヌシュケ(フランチェスコ・ランツィロッタは本人の都合でキャンセル) 演出:グリシャ・アサガロフ 美術・衣裳:ルイジ・ペーレゴ 照…
「利賀演劇人コンクール2019」第一次上演審査の後半を観た(5月4日 15:30-19:10/こまばアゴラ劇場)。 □第一次上演審査 審査員(50音順・敬称略) 相馬千秋(あいちトリエンナーレ2019 キュレーター) 野村政之(演劇制作者・ドラマトゥルク) 平田オリザ(…
「利賀演劇人コンクール2019」の第一次上演審査 前半を観た(5月2日 15:30-19:20/こまばアゴラ劇場)。 昨年スタートした「こまばアゴラ演出家コンクール」はたいへん面白かった(一次審査・二次審査)。これを見るために劇場の支援会員になったといっても…
昨年スタートした「こまばアゴラ演出家コンクール」はたいへん刺激的でめっぽう面白かった(一次審査・二次審査)。じつはこれを見るために劇場の支援会員になったといってもよいくらいだ。今年は「利賀演劇人コンクール」と連動し、一部内容をリニューアル…
四月の公演数は仕事上さすがに控えめ。春祭の《さまよえるオランダ人》に出演するターフェルを聴くのは久し振り。新国立の『かもめ』は全キャストオーディションでの公演だ。小川絵梨子監督の果敢な挑戦のひとつだが、オリジナルでなくストッパード版の使用…
「DANCE to the Future 2019」の初日を観た(3月29日 19:00/新国立小劇場)。アドヴァイザー:中村恩恵 楽日も見る予定だが、とりあえず簡単にメモする。 【初日はC5、楽日はD2列で。3列離れるだけで全体がずいぶん見やすくなった。】 第1部 「ゴルトベルク…
『ラ・バヤデール』初日(3月2日[土]13:00/新国立劇場オペラハウス)の続き。ニキヤ:小野絢子/ソロル:福岡雄大/ガムザッティ:米沢 唯 これまで小野は福岡と踊ると、やや小さく纏まる傾向が無きにしも非ず。一方、ゲストダンサー相手には、対他的なあ…
会員が招待される「特典コンサート」を今年も聴いてきた(3月18日 19:00/すみだトリフォニーホール)。 昨年は音楽監督の上岡敏之によるピアノソロだったが、今回は若手団員と上岡との室内楽。客席はかなり埋まっていた。以下ごく簡単にメモする。 グリエー…
『くちづけ〜現代音楽と能』(3月9日 16:00/東京文化会館 小ホール)を聞い/観た。簡単にメモする。 能:青木涼子[ce] フルート:斎藤和志[abe] バスクラリネット:山根孝司[abce] クラリネット/バスクラリネット:コハーン・イシュトヴァーン[bce] ヴァイ…
『ラ・バヤデール』のゲネプロと初日を観た(3月1日,2日 14:00/新国立劇場オペラハウス)。 ゲネプロは、4年前の前回公演同様、アトレ会員の特典。ゲネプロ後に本公演を体験すると、観客が舞台芸術を完結させる上でいかに必要不可欠かよく分かる(竹内敏晴…
近年 BCJ の演奏には何度も心が動かされた。しかも強く。定演での受難曲やモーツァルトの《レクイエム》以外でも、ベートーヴェン《ミサ・ソレムニス》(2017.2)、モンテヴェルディ《聖母マリアの夕べの祈り》(2017.9)、ベートーヴェン《第九》(2019.1)…
修了公演『るつぼ』を観た(2月12日 18:30/新国立小劇場)。遅ればせながら感想メモをアップする。 この演目は正直シンドイので見るつもりはなかったが、知人から出演の知らせが入り行くことに。見てよかった。7年前の本公演も演出は同じ宮田慶子。その時よ…
一月にはてなダイアリーからはてなブログへ移行した際、この記事に限り(?)第1部「Immortals」のコメントまでしか公開できていなかった。編集画面にすると記事全体がすべて見えるが、「公開する」をクリックすると見える記事は相変わらず。試行錯誤の末、…
1980年にパルコ劇場で見た三島由紀夫の『熱帯樹』は、演出 串田和美、美術 横尾忠則、出演 岸田今日子、藤真利子、加藤治子等々の顔ぶれで、いま思えば夢のような舞台だった。先般、世田谷パブリックシアターの会報誌『SePT倶楽部』で本作を小川絵梨子が演出…
新日本フィルの定演 ルビー〈アフタヌーン コンサート・シリーズ〉でハイドンのオラトリオ《四季》(1801)を聴いた(2月15日 14:00/すみだトリフォニーホール。 指揮:ソフィ・イェアンニン ソプラノ:安井陽子 テノール:櫻田 亮 バス:妻屋秀和 合唱:栗…
今月は平田オリザの中短篇を集中して観ることができる。お馴染みの舞台もあれば、初見の作品もある。とても楽しみ。新国立劇場の新作オペラ《紫苑物語》がいよいよ初日を迎える。石川淳の中篇小説から西村朗はどんな音楽を創り出したのか。笈田ヨシの演出を…
はてなダイアリーが1月28日に更新停止となる。最後まで書き切れていないが、記録として下書き欄から〝救出〟した。ベートーヴェンの唯一のオペラ《フィデリオ》の初日、三日目、千穐楽を観た(5月20日 14:00,27日 14:00,6月2日 14:00/新国立劇場オペラハ…
はてなダイアリーの停止を受け、やむなく下書き欄のメモをそのままアップすることにした。『梨の礫の梨』については完成していたが、『粛々と運針』は断片のみ。 2018年5月26日(土)15:00(約60分)こまばアゴラ劇場 『梨の礫の梨』(2012) 演出:横山拓也…
はてなダイアリーは1月28日に記事の更新を停止し、2月28日には全機能を停止するとの知らせが届いた。今日いささか慌ててはてなブログへの移行を実施。なんとか引越が完了した。ただし、下書欄に書き残した膨大なメモは移行できない。さて、どうするか。頭が…
今年もあとわずかで終わる。その前に大急ぎで一年を振り返ろう。まず想起するのは新国立のオペラ《フィデリオ》(5月)だ。ドールハウスのような舞台セットが上下するなか、「レオノーレ」序曲第3番を合図にあっと驚く展開へ突入する。予定調和を排したカタ…
『スカイライト』本公演の中日を観た(12月15日 18:00/新国立小劇場)。 やはりプレビュー初日とはまったく違う。2回のプレビューと三日間の稽古を経て10回余りの上演を重ねてきた舞台。俳優たちは役を生きつつ、さらに成長してきたのだろう(あの膨大な科…