昨年スタートした「こまばアゴラ演出家コンクール」はたいへん刺激的でめっぽう面白かった(一次審査・二次審査)。じつはこれを見るために劇場の支援会員になったといってもよいくらいだ。今年は「利賀演劇人コンクール」と連動し、一部内容をリニューアルして開催される。昨年の課題戯曲は一次がイプセン『ヘッダ・ガブラー』とチェーホフ『かもめ』、二次はシェイクスピア『お気に召すまま』だった(いずれも抜粋)。審査の一週間前に発表された今回の課題は、別役実『マッチ売りの少女』と岸田國士『温室の前』。共に日本の作品が選ばれた。利賀山房での最終審査がチェーホフだから、差別化したのだろう。/昨年のコンクールで優勝した額田大志は、二次の課題戯曲『お気に召すまま』を全篇上演するという。あのとき「これで全幕を作れるのか。作れたとしても、チケットを買って見たいか」とブログに書いたが、結局〝買って〟見ることに(支援会員は無料だから予約するだけだが)。どんな舞台になるのか見届けたい。/ハーウッドの『Taking Sides』を加藤健一事務所が上演する。フルトヴェングラーが登場する本作には思い入れがあるので、見ないわけにはいかない。加藤といえば、以前、同じ作家の『コラボレーション』を日本初演した(2011年2月)。後者はリヒャルト・シュトラウス(作曲家)とシュテファン・ツヴァイク(台本作家)の関係を描いた作品で、前者同様、音楽(芸術)と戦争/政治(ナチス)の問題を扱っていた。/ところで、あと数時間経つと年号が変わる。そこではどんな舞台が見られるのか。どんな世界になるのか。
2日(木)15:30 利賀演劇人コンクール2019 第一次上演審査〈前半〉/審査員(50音順):相馬千秋(あいちトリエンナーレ2019 キュレーター),野村政之(演劇制作者・ドラマトゥルク),平田オリザ(舞台芸術財団演劇人会議理事・青年団主宰・こまばアゴラ劇場芸術総監督・劇作家・演出家),柳美里(劇作家・小説家)/課題戯曲:別役実『マッチ売りの少女』より抜粋(上演時間:最長20分)/参加者:こしばきこう(劇団風蝕異人街),島村和秀(情熱のフラミンゴ),中嶋さと(FOURTEEN PLUS 14+),中谷和代(ソノノチ),中村大地(屋根裏ハイツ)/出演:青年団 @こまばアゴラ劇場
【3日(金)映画『主戦場』Shusenjo: The Main Battleground of the Comfort Women Issue 監督・脚本・撮影・編集・ナレーション:ミキ・デザキ/製作:ミキ・デザキ & ハタ・モモコ/音楽:オダカ・マサタカ/出演:トニー・マラーノ 藤木俊一 山本優美子 杉田水脈 藤岡信勝 ケント・ギルバート 櫻井よしこ 吉見義明 戸塚悦朗 ユン・ミヒャン イン・ミョンオク パク・ユハ フランク・クィンテロ 渡辺美奈 エリック・マー 林博史 中野晃一 イ・ナヨン他(USA,2018年)@シアター・イメージフォーラム】
4日(土)15:30 利賀演劇人コンクール2019 第一次上演審査〈後半〉/課題戯曲:岸田國士『温室の前』より抜粋(上演時間:最長20分)/参加者:小野彩加 中澤陽,神田真直(劇団なかゆび),酒井一途,松浦友(演劇ユニットYOU企画),三浦雨林(隣屋/青年団)/出演:青年団 @こまばアゴラ劇場
10日(金)19:00 新日本フィル #605 定演 ジェイド <サントリーホール・シリーズ> ワーグナー:歌劇『タンホイザー』より「序曲とバッカナール」(パリ版)/ワーグナー:楽劇『トリスタンとイゾルデ』より「前奏曲と愛の死」/ワーグナー:楽劇『神々の黄昏』より第1幕「ジークフリートのラインへの旅」、第3幕「ジークフリートの死と葬送行進曲」/ワーグナー:舞台神聖祝典劇『パルジファル』より「第1幕前奏曲と第3幕フィナーレ」/指揮:上岡敏之 @サントリーホール
15日(水)19:30『Aokid presents シェイクスピア(?)』/出演:Aokid 他 @こまばアゴラ劇場
16日(木)19:00 新国立劇場演劇 少年王者舘『1001』作・演出:天野天街/美術:田岡一遠/美術製作:小森祐美加 & 岡田 保/映像:浜嶋将裕/照明:小木曽千倉/音響:岩野直人/振付:夕沈 & 池田 遼/音楽:珠水/衣裳:雪港/小道具:る/演出助手:山田 翠/舞台監督:大垣敏朗/キャスト:珠水 夕沈 中村榮美子 山本亜手子 雪港 小林夢二 宮璃アリ 池田 遼 る 岩本苑子 近藤樺楊 カシワナオミ 月宵水 井村 昂 寺十 吾 廻 飛呂男 海上学彦 石橋和也 飯塚克之 青根智紗 石津ゆり 今井美帆 大竹このみ 奥野彩夏 小野寺絢香 小島優花 小宮山佳奈 五月女侑希 相馬陽一郎 朝長愛 中村ましろ 新田周子 一楽 野中雄志 長谷川真愛 坂東木葉木 人とゆめ 深澤寿美子 @新国立小劇場
17日(金)18:30 新国立劇場オペラ モーツァルト《ドン・ジョヴァンニ》全2幕〈イタリア語上演/字幕付〉指揮:カーステン・ヤヌシュケ/演出:グリシャ・アサガロフ/美術・衣裳:ルイジ・ペーレゴ/照明:マーティン・ゲプハルト/再演演出:三浦安浩/舞台監督:斉藤美穂//ドン・ジョヴァンニ:ニコラ・ウリヴィエーリ/騎士長:妻屋秀和/レポレッロ:ジョヴァンニ・フルラネット/ドンナ・アンナ/マリゴーナ・ケルケジ/ドン・オッターヴィオ:フアン・フランシスコ・ガテル/ドンナ・エルヴィーラ:脇園 彩/マゼット:久保和範/ツェルリーナ:九嶋香奈枝/合唱指揮:三澤洋史/合唱:新国立劇場合唱団/管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団 @新国立劇場オペラハウス
18日(土)14:00 ヌトミック『お気に召すまま』作:ウィリアム・シェイクスピア/翻訳:松岡和子/構成・演出・音楽:額田大志/舞台監督:黒澤多生/舞台美術:渡邊織音(グループ・野原)/照明:松本 永(eimatsumoto Co. Ltd.)、佐々木夕貴(eimatsumoto Co. Ltd.)/音響:額田大志/振付:Aokid/ドラマトゥルギー:朴 建雄/宣伝美術:三ッ間菖子/制作:河野 遥/出演:原田つむぎ(東京デスロック) 深澤しほ 古屋隆太(青年団) 松田弘子(青年団) 矢野昌幸 @こまばアゴラ劇場
23日(木)14:00 加藤健一事務所 vol.105『Taking Sides ~それぞれの旋律~』作:ロナルド・ハーウッド/翻訳:小田島恒志 & 小田島則子/演出:鵜山仁//アーノルド少佐:加藤健一/ローデ:今井朋彦/エンミ:加藤忍(文学座)/タマーラ:小暮智美(青年座)/デイヴィッド中尉:西山聖了/フルトヴェングラー:小林勝也(文学座)@下北沢 本多劇場
30日(木)14:00 劇団櫂人 第5回公演『かさぶた式部考』作:秋元松代/演出:篠本賢一/美術:篠本賢一 & 村上洋子/照明:朝日一真/出演:青木恵 向後正枝 鈴木里花 田中淳子 宮下文子 佐藤陽子 下地きく乃 村川玲子 小杉美智子(以上劇団櫂人) 森美穂子 篠田悦子 三井紀子 今野智子 高原美沙子 外山ヤス子 高橋知生 菊地伸二 湯浅嘉章 草野峻平 川邊史也(劇団銅鑼) 佐藤辰哉(PuR) 篠本賢一(遊戯空間) 柘植英樹 @上野ストアハウス
31日(金)19:00 新日本フィル #606 定演 トパーズ <トリフォニー・シリーズ> メンデルスゾーン:序曲「フィンガルの洞窟」op. 26/シューマン:ピアノ協奏曲イ短調op. 54*/シューマン:交響曲第2番ハ長調op. 61/指揮:フィリップ・ヘレヴェッヘ/*ピアノ:仲道郁代 @すみだトリフォニーホール