1月のフィールドワーク予定 2021【追記】【追加】

コロナ禍により実演者と受容者が同じ時空を共有して初めて成立する実演芸術の上演が、困難もしくは厳しく制限されるようになった。関係者たちは知恵を絞り、インターネットを介した映像や音楽の配信などで、一定の喜びや利益を生み出した。これはネットや IT技術の進化がなければありえなかったろう。だが、ネットを媒介した映像や音楽の受容には、決定的な要素が欠けている。それは、実演者と受容者の〝生身のからだ〟が相互に反応して起きる「共振作用」(別役実)である。この相互作用が決定的なのは、なにより「お客さんの波動が芝居をつくる」(片桐はいり)からであり、「演技は観客の息づかいにふれ、観客のからだにおいて成り立つ」(竹内敏晴)からである。まさに、これを体験するためにこそ劇場やホールに足を運んできたといっても過言ではない。2020年は、実演芸術を愛する者なら誰でもからだが(で)知っているこの事実を、あらためて確認した一年だった。

明日7日に二回目の緊急事態宣言が出るらしい。新国立劇場バレエ団の「ニューイヤー・バレエ」は「公演関係者」に陽性者が出たため中止となった。大変残念だが仕方ない。その「関係者」については詮索しないようにしたい。東京の感染者は1日で1500人を超える勢いだ。注意しているつもりでも、いつどこで感染するか分からない。今月は、下記の通り、公演数は少ないが、実演芸術ならではの共鳴作用をじっくり体験したい。

5日(火)14:00 青年団 第82回公演『コントロールオフィサー』+『百メートル』二本立て公演/作・演出:平田オリザ/[出演](コントロールオフィサー)永井秀樹 立蔵葉子 海津 忠 島田桃依 串尾一輝 尾﨑宇内 中藤 奨 木村巴秋/(百メートル)永井秀樹 海津 忠 串尾一輝 尾﨑宇内 中藤 奨 木村巴秋[スタッフ]舞台美術:杉山 至/舞台監督:黒澤多生/照明:井坂 浩/衣裳:正金 彩/フライヤーデザイン:カヤヒロヤ、西 泰宏/制作:太田久美子、金澤 昭 @アトリエ春風舎

9日(土)14:00 新国立劇場バレエ団〈ニューイヤー・バレエ〉第1部『パキータ』音楽:レオン・ミンクス/振付:マリウス・プティパ/美術:川口直次/衣裳:大井昌子/照明:立田雄士/指揮:冨田実里/管弦楽東京フィルハーモニー交響楽団/出演:米沢 唯、渡邊峻郁//第2部『Contact』音楽:オーラヴル・アルナルズ/振付:木下嘉人/出演:小野絢子、木下嘉人『ソワレ・ド・バレエ』音楽:アレクサンドル・グラズノフ/振付:深川秀夫/出演:池田理沙子、中家正博『カンパネラ』音楽:フランツ・リスト振付:貝川鐵夫/ピアノ演奏:山中惇史/出演:福岡雄大//第3部『ペンギン・カフェ音楽:サイモン・ジェフス/振付:デヴィッド・ビントリー/美術・衣裳:ヘイデン・グリフィン/照明:ジョン・B・リード/[出演]ペンギン:広瀬 碧/ユタのオオツノヒツジ:米沢 唯/テキサスのカンガルーネズミ:福田圭吾/豚鼻スカンクにつくノミ:五月女遥/ケープヤマシマウマ:奥村康祐/熱帯雨林の家族:本島美和、貝川鐵夫/ブラジルのウーリーモンキー:福岡雄大 @新国立劇場オペラハウス←1/4のウイルス検査で「公演関係者」に陽性反応が出たため中止

10日(日)14:00 新国立劇場バレエ団〈ニューイヤー・バレエ〉『パキータ』木村優里、井澤駿//『Contact』米沢 唯、渡邊峻郁/『ソワレ・ド・バレエ』池田理沙子、中家正博/『カンパネラ』速水渉悟//ペンギン・カフェペンギン:広瀬 碧/ユタのオオツノヒツジ:米沢 唯/テキサスのカンガルーネズミ:福田圭吾/豚鼻スカンクにつくノミ:奥田花純/ケープヤマシマウマ:奥村康祐/熱帯雨林の家族:小野絢子、中家正博/ブラジルのウーリーモンキー:福岡雄大新国立劇場オペラハウス←同上

【11日(月/祝)14:00 新国立劇場バレエ団〈ニューイヤー・バレエ〉上記9日と同キャストで、下記の通り、無観客上演を無料ライブ配信

1月7日に改めてその他の公演関係者にウイルス検査を行ったところ全員陰性の結果となり、また保健所からは新国立劇場内には濃厚接触者はいないとの判断をいただきました。

公演中止の判断の時点では、公演準備が整う見通しが立たなかったため、やむなく中止とさせていただきましたが、このたび、皆様になんらかの形で公演をお届けするべく検討した結果、1月11日(月・祝)に無観客で上演し、無料でライブ配信を行うことといたしました。(新国立劇場HP)

タイムスケジュール

第1部 14:00~14:40

<休憩25分>

第2部 15:05~15:35

<休憩25分>

第3部 16:00~16:45

15日(金)14:00 新日本フィル #36 定演ルビーアフタヌーン コンサート・シリーズ〉ベートーヴェン交響曲第 8 番 ヘ長調 op. 93/モーツァルト:ピアノ協奏曲第 20 番 ニ短調 K. 466*/ベートーヴェン交響曲第 6 番 ヘ長調 op. 68「田園」指揮:上岡敏之佐渡裕/*ピアノ:田部京子すみだトリフォニーホール

15日(金)19:00 青年団 第84回公演『眠れない夜なんてない』作・演出:平田オリザ[出演]猪股俊明(客演)羽場睦子(客演)山内健司 松田弘子 永井秀樹 たむらみずほ 小林 智 島田曜蔵 能島瑞穂 井上三奈子 堀 夏子 村田牧子 井上みなみ 岩井由紀子 吉田 庸[スタッフ]舞台美術:杉山 至/舞台監督:中西隆雄 小川陽子/照明:井坂 浩/照明操作:西本 彩 高木里桜/音響:泉田雄太/音響操作:秋田雄治/衣裳:正金 彩/宣伝美術:工藤規雄+渡辺佳奈子 太田裕子/宣伝写真:佐藤孝仁/宣伝美術スタイリスト:山口友里/制作:太田久美子 赤刎千久子 金澤 昭 @吉祥寺シアター

17日(日)15:00 鈴木雅明 指揮 BCJ メンデルスゾーン《エリアス》キャロリン・サンプソン(ソプラノ)→中江早希/マリアンネ・ベアーテ・キーラント(アルト)→清水華澄/セイル・キムテノール)→西村 悟/エリアス:クリスティアン・イムラー(バス)→【加耒 徹】合唱&管弦楽バッハ・コレギウム・ジャパン @オペラシティコンサートホール タケミツメモリアル

18日(月)19:00 〈リーラ・ジョセフォウィッツ&トーマス・アデス デュオ・リサイタル〉ヤナーチェク《ヴァイオリン・ソナタアデス《マズルカ op.27》(2009)[ピアノ・ソロ]/アデス《おとぎ話の踊り》(2020)[日本初演][ルイ・ヴィトン財団、東京オペラシティ文化財団共同委嘱作品]/ストラヴィンスキー《協奏的二重奏曲》ナッセン《リフレクション》(2016)/ラヴェル《ヴァイオリンとピアノのためのソナタ第2番》/リーラ・ジセフォウィッツ(ヴァイオリン)+トーマス・アデス(ピアノ)@東京オペラシティ リサイタルホール←「12月23日に政府が発表した、新型コロナ変異ウイルスの感染拡大を受けたイギリスからの入国禁止措置により、トーマス・アデスの来日は不可能となり」中止

【19日(火)14:00 青年団 第84回公演『眠れない夜なんてない』作・演出:平田オリザ @吉祥寺シアター←初日は最前列で全体像が見えなかったため、もう一度(支援会員は何度でも見られる)

19日(火)18:30 コンポージアム 2020 武満徹作曲賞 本選演奏会/審査員:トーマス・アデス/杉山洋一(指揮)/東京フィルハーモニー交響楽団[ファイナリスト](エントリー順)シンヤン・ワン(中国)『ボレアス』/フランシスコ・ドミンゲス(スペイン)『MIDIの詩』/デイヴィット・ローチ(イギリス)『6つの祈り』/カルメン・ホウ(イギリス/香港)『輪廻』@オペラシティ コンサートホール:タケミツメモリアル←上記の通りアデスは来日できないが「会場での演奏は予定通り行います。審査、結果発表の各方法につきましては後日お知らせします」とのこと→【*2020年度武満徹作曲賞審査員トーマス・アデスは、高音質・高画質の通信を用いて当日の本選演奏をロンドンで聴き、審査を行います。審査結果は本選演奏会翌日にホームページ等で発表の予定です。】

23日(土)14:00 新国立劇場オペラ ジャコモ・プッチーニ《トスカ》全3幕〈イタリア語上演/日本語及び英語字幕付〉指揮:ダニエレ・カッレガーリ/演出:アントネッロ・マダウ=ディアツ/美術:川口直次/衣裳:ピエール・ルチアーノ・カヴァッロッティ/照明:奥畑康夫/[出演]トスカ:キアーラ・イゾットン/カヴァラドッシ:フランチェスコ・メーリ/スカルピア:ダリオ・ソラーリ/アンジェロッティ:久保田真澄/スポレッタ:今尾 滋/シャルローネ:大塚博章/堂守:志村文彦/看守:細岡雅哉/羊飼い:渡邉早貴子/合唱:新国立劇場合唱団/管弦楽:東京交響楽団 @新国立劇場オペラハウス