ラモーの歌劇《プラテ》を観た(11月7日 19時/北とぴあ さくらホール)。
ラモー没後250年記念
歌劇《プラテ》(初演:1745年ヴェルサイユ/1749年パリ・オペラ座)
セミ・ステージ形式/フランス語上演/日本語字幕付
作曲:ジャン=フィリップ・ラモー(1683-1764)
台本:ル・ヴァロワ・ドルヴィル
指揮:寺神戸 亮
管弦楽・合唱:レ・ボレアード(オリジナル楽器使用)出演:
マティアス・ヴィダル(プラテ)
ベツァベ・アース(アムール/フォリー)
フルヴィオ・ベッティーニ(サティール/ジュピテル)
小野 和歌子(ジュノン)
与那城 敬(シテロン)
安冨 泰一郎(メルキュール)
鈴木 美紀子(クラリーヌ)
小笠原 美敬(モミュス)
高橋 美千子(タリー)
石川 洋人(テスピス)
ほか
主催:(公財)北区文化振興財団
共催:東京都北区
後援:在日フランス大使館/アンスティチュ・フランセ日本、日仏文化協力90周年
助成:(公財)三菱UFJ信託芸術文化財団
(公財)花王芸術・科学財団
近年楽しみにしている公演だが、例年ほどの満足感は得られなかった。デスピス役のテノールがあまりに不安定で出鼻をくじかれた(BCJではコーラスでしか聴いたことがなかった)。総じて次第に持ち直しはしたが、後半、特にバレエ音楽等の、プロット進行がない部分(ディヴェルティスマン)は、少々長くたいくつ。そのことを意識し、逆手に取った演技(演出)はあったのだが・・・。タイトルロールのマティアス・ヴィダルが質の高さと頑張りでなんとかかっこうをつけた。喜劇的歌唱。しっかりした基本があるからこそ可笑しさが横溢する。声が強く、技術も高い。アムール/ラ・フォリー役のベツァベ・アースは2幕のアリアは少し不安定。サティール/ジュピテル役のフルヴィオ・ベッティーニは例によってお茶目な芝居と歌唱で、よい仕事をした。与那城敬(シテロン)はいつもながら歌唱が硬い。安冨泰一郎(メルキュール)は声はよく出るが、歌唱が不自然。鈴木美紀子(クラリーヌ)は〝海外組〟以外で唯一自然で気持ちの好い歌唱。それにしてもこの指揮者は本当によくやる。