12月のフィールドワーク予定 2021【追記】【コメント付き】

すでに三作は見終えたが、いずれも充実した舞台。特に文学座アトリエの『ピンター作品6選』は演劇的な刺激や発見が随所にあった(感想メモ)。風姿花伝の『ダウト』も役者の質が高く面白いが、どこまでも娯楽の域を出ない印象。7回目の再演オペラ《蝶々夫人》は主要キャストの変更もあり、さほど期待せずに見た。が、代役村上公太の、世界とひとりで対峙するような歌いっぷりと、中村恵理の、武士の娘として誇り高い自死へと向かう熱量の高い歌唱に、グッときた。演出・美術の素晴らしさは見る度に再確認(美術の島次郎は二年前に死去)。

中旬から大晦日まで新国立劇場バレエ団の『くるみ割り人形』が続く。この版は好みでないが、音楽とダンサー目当てで今年は三回足を運ぶ。横山拓也の『エダニク』(2009)を劇団銅鑼が新人公演で取りあげる。韓国語版リーディング公演の無料ネット配信を昨年見たが、字幕でも十分楽しめた。日本語版の生舞台を見るのは今度が初めて。

さいたまゴールドシアターがいよいよ最終公演をおこなう。立ち上げた蜷川幸雄の死から五年か。高齢者集団のコロナ禍での活動継続はやはり難しかったのだろう。伝説の舞姫・崔承喜(1911-??)をモティーフにした鄭義信の書き下ろしをみょんふぁがひとり芝居する。どんな舞台になるのだろう。

3日(金)18:30 文学座アトリエの会『Hello〜ハロルド・ピンター作品6選〜』「家族の家」「ヴィクトリア駅」「丁度それだけ」「景気づけに一杯」「山の言葉」「灰から灰へ」翻訳:喜志哲雄/演出:的早孝起/美術:石井強司/照明:金 英秀/音響:藤田赤目/衣裳:宮本宣子/舞台監督:岡野浩之/制作:前田麻登、梶原 優/宣伝美術:藤尾勘太郎/出演:中村彰男 藤川三郎 石橋徹郎 上川路啓 萩原亮介 寺田路恵 山本郁子 小石川桃子文学座アトリエ

5日(日)14:00 新国立劇場オペラ《蝶々夫人》指揮:下野竜也/演出:栗山民也/美術:島 次郎/衣裳:前田文子/照明:勝柴次朗/再演演出:澤田康子/舞台監督:斉藤美穂[キャスト]蝶々夫人:中村恵理/ピンカートン:ルチアーノ・ガンチ(入国制限のためスケジュールが合わず来日が不可能となり)→村上公太/シャープレス:アンドレア・ボルギーニ/スズキ:但馬由香/ゴロー:糸賀修平/ボンゾ:島村武男/神官:上野裕之/ヤマドリ:吉川健一/ケート:佐藤路子/合唱指揮:冨平恭平/合唱:新国立劇場合唱団/管弦楽東京フィルハーモニー交響楽団新国立劇場オペラハウス

6日(月)14:00 風姿花伝プロデュース vol.8『ダウト 〜疑いについての寓話』作:ジョン・パトリック・シャンリィ/翻訳&演出:小川絵梨子/[キャスト]フリン神父:亀田佳明/シスター・ジェイムズ:伊勢佳世/ミラー夫人:津田真澄/シスター・アロイシス:那須佐代子/美術:小倉奈穂/照明:松本大介/音響:加藤 温/衣裳:原 まさみ/ヘアメイク:鎌田直樹/演出助手:稲葉賀恵/演出部:黒崎花梨/舞台監督:梅畑千春 @シアター風姿花伝

10日(金)19:30 N響 #1946 定演〈池袋Cプロ〉チャイコフスキーロココ風の主題による変奏曲 作品33*/ムソルグスキーラヴェル編):組曲展覧会の絵指揮:ワシーリ・ペトレンコ(「オミクロン株に対する水際措置の強化」により外国人の新規入国が停止されたため)→ガエタノ・デスピノーサ/チェロ:ダニエル・ミュラー・ショット(同上)→佐藤晴真* @東京芸術劇場コンサートホール

チャイコフスキーロココの主題による変奏曲》佐藤晴真のチェロは骨太というか、豊かな音。少し荒削りな印象もあるが、アンコールで「鳥の歌」を弾く所など、なるほどな思った。デスピノーサ はおっとりした指揮者。

組曲展覧会の絵」は力みがちな曲だけど、力が抜けてフォルテッシモでもふわっと振ってる。呼応したN響はトランペットの長谷川氏を初め、豊かでふっくらしたffを生み出してた。こんな「展覧会」は初めてだ。デスピノーサはゼンパーオーパーのコンマスだったのか。彼の振ったオペラも聴きたい。

佐藤氏のアンコールをデスピノーサが後方で聴いてた。人柄が出てたな。弾き終えたチェリストは彼に気づかなかったけど。ルイージの勧めで指揮者に専念か。二人の指揮は対照的なのが面白い。2007年のゼンパーオーパー来日公演《ばらの騎士》をルイージ指揮で聴いた。デスピがコンマスしてたかも。(2021.11.11 ツイート)

11日(土)17:00 新国立劇場演劇『あーぶくたった、にいたった』作:別役 実/演出:西沢栄治/美術:長田佳代子/照明:鈴木武人/音響:信澤祐介/衣裳:中村洋一/ヘアメイク:高村マドカ/演出助手:杉浦一輝/舞台監督:川除 学/出演:山森大輔 浅野令子 木下藤次郎 稲川実代子 龍 昇 @新国立小劇場

12日(日)14:00 北とぴあ国際音楽祭2021 リュリ作曲 オペラ《アルミード》(世界的な新型コロナウイルス感染拡大に伴い一部の出演者の招聘が困難となったため)→アクト・ド・バレ《アナクレオン》(1757)[演奏会形式/フランス語上演・日本語字幕付]作曲:ジャン=フィリップ・ラモー/台本:ピエール・ジョゼフ・ベルナール/[その他の曲目]ルベル《様々な舞曲》、コレッリ:フォーリア、リュリ:コメディ・バレ《町人貴族》〈諸国民のバレ〉より、リュリ:オペラ《アルミード》より〈パッサカイユ〉ほか/指揮・ヴァイオリン:寺神戸 亮/合唱・管弦楽:レ・ボレアードバロックダンス:ピエール=フランソワ・ドレ、松本更紗/アナクレオン:与那城 敬/愛の神:湯川亜也子/バッカスの巫女:佐藤裕希恵/歌:波多野睦美 @北とぴあ さくらホール

18日(土)13:00 新国立劇場バレエ団『くるみ割り人形』クララ&こんぺい糖の精:米沢 唯/ドロッセルマイヤーの甥&くるみ割り人形&王子:井澤 駿ドロッセルマイヤー:貝川鐵夫/ねずみの王様:木下嘉人/ルイーズ:池田理沙子/雪の結晶:飯野萌子、広瀬 碧/花のワルツ:寺田亜沙子、中島春菜、浜崎恵二朗、渡邊拓朗/指揮:アレクセイ・バクラン 新国立劇場オペラハウス

18日(土)17:00 劇団銅鑼 新人公演『エダニク』作:横山拓也(iaku)/監修:山田昭一/演出:館野元彦/出演:鈴木裕大(劇団員補) 多賀名啓太(劇団員補) 山形敏之/美術:髙辻知枝/照明:館野元彦/音響:真原孝幸/方言指導:清原達之(青年劇場)/舞台監督:池上礼朗/演出助手:永井沙織/宣伝美術:早坂聡美/制作:齋藤裕樹 @劇団銅鑼アトリエ

19日(日)17:00 さいたまゴールド・シアター最終公演『水の駅』作:太田省吾/構成・演出・美術:杉原邦生/出演:石井菖子 石川佳代 大串三和子 小渕光世 葛西 弘 上村正子 北澤雅章 佐藤禮子 田内一子 髙橋 清 滝澤多江 竹居正武 谷川美枝 田村律子 都村敏子 遠山陽一 林田惠子 百元夏繪 渡邉杏奴/井上向日葵/小田豊/主催・企画・制作:公益財団法人埼玉県芸術文化振興財団/助成:一般財団法人地域創造 文化庁文化芸術振興費補助金(劇場・音楽堂等機能強化推進事業) 独立行政法人日本芸術文化振興会彩の国さいたま芸術劇場 大ホール

21日(火)14:00 新国立劇場バレエ団『くるみ割り人形』クララ&こんぺい糖の精:柴山紗帆/ドロッセルマイヤーの甥&くるみ割り人形&王子:速水渉悟(怪我のため降板)→渡邊峻郁ドロッセルマイヤー:中島駿野/ねずみの王様:木下嘉人/ルイーズ:飯野萌子/雪の結晶:渡辺与布、広瀬 碧/花のワルツ:寺田亜沙子、中島春菜、浜崎恵二朗、渡邊拓朗/指揮:アレクセイ・バクラン @新国立劇場オペラハウス

22日(水)18:20 映画『偶然と想像』監督・脚本:濱口竜介/プロデューサー:高田聡/撮影:飯岡幸子/整音:鈴木昭彦/助監督:高野徹/深田隆之/制作:大美賀均/カラリスト:田巻源太/録音:城野直樹 黄永昌/美術:布部雅人 徐賢先/スタイリスト:碓井章訓/メイク:須見有樹子/エグゼクティブプロデューサー:原田将 徳山勝巳/キャスト:古川琴音(芽衣子)中島歩(男性)玄理(つぐみ)渋川清彦(瀬川)森郁月(奈緒)甲斐翔真(佐々木)占部房子(夏子)河井青葉(あや)@Bunkamura ル・シネマ

23日(木)19:00 みょんふぁ一人芝居『母 My Mother』作・演出:鄭 義信/出演:みょんふぁ/チャング演奏:李 昌燮 @下北沢シアター711

31日(金)16:00 新国立劇場バレエ団『くるみ割り人形』クララ&こんぺい糖の精:小野絢子/ドロッセルマイヤーの甥&くるみ割り人形&王子:福岡雄大ドロッセルマイヤー:中家正博/ねずみの王様:小柴富久修/ルイーズ:奥田花純/雪の結晶:柴山紗帆、渡辺与布/花のワルツ:飯野萌子、廣川みくり、井澤 諒、原 健太/指揮:アレクセイ・バクラン @新国立劇場オペラハウス