F/T14ピーター・ブルック『驚愕の谷』

『驚愕の谷』の初日を観た(11月3日 18時/東京芸術劇場 プレイハウス)。簡単なメモ。

脚本・演出:ピーター・ブルック、マリー=エレーヌ・エティエンヌ
出演:キャサリン・ハンター、マルチェロ・マーニ、ジャレッド・マクニール


照明・技術監督:フィリップ・ヴィアラット
音楽:ラファエル・シャンブーヴェ、土取利行
舞台監督・ビデオ操作:アーサー・フランク
衣裳アシスタント:アリス・フランソワ
制作:マルコ・ランコフ
ツアー・マネージャー:マラ・パトリ
ツアー・コーディネーター:アニエス・クルーティ
製作:C.I.C.T./ブッフ・デュ・ノール劇場
共同製作: シアター・フォー・ア・ニュー・オーディエンス(ニューヨーク)、ルクセンブルク市立劇場
協力製作: アラス劇場/タンデム・アラス・ドゥエ、ジムナズ劇場(マルセイユ)、ウォーリック芸術センター、ホランド・フェスティバル(アムステルダム)、アッティキ文化協会(アテネ)、ブレーメン音楽祭、シアター・フォーラム・メイリンジュネーヴ)、C.I.R.T.、ヤング・ヴィック劇場(ロンドン)


[東京公演スタッフ]
技術監督: 寅川英司
照明コーディネート: 佐々木真喜子(株式会社ファクター)
音響コーディネート: 相川 晶(有限会社サウンドウィーズ)
衣装管理: 藤林さくら
字幕:幕内 覚(舞台字幕/映像 まくうち)
翻訳:住吉梨紗(英語)、岸本佳子(フランス語)
通訳:石井園子、河井麻祐子
制作:松嶋瑠奈
後援:在日フランス大使館/アンスティチュ・フランセ日本
主催:フェスティバル/トーキョー

何もない空間に白木の椅子と机。下手に洋服スタンド。上手にミュージシャンが二人。使用言語は英語(日本語字幕付き)。驚異的な記憶力を持つサミーにまつわる話。三人の役者と二人の音楽家だけ。役者は語り(ナレーション)と台詞を自在にあやつる。サミーを演じるキャサリン・ハンター以外の二人の男性俳優は数役をこなす。新聞社を解雇されたサミーが記憶師として出演するマジックショーでは、観客を任意に呼び出し参加させた。カードマジック。バッハのシャコンヌをキーボードで演奏。それに民族音楽(弦楽器)で合わせる。何度かリピートされるこのシャコンヌが効いていた。才能豊かなアーティストたちが演じる舞台はなんともいえず気持ちが好い。終始頬が弛んだ。ジャズ風の音楽の中、男が絵筆を使うシーンは面白い。ブルック作品のカーテンコールでは、演者は客に視線を向けても決してレヴェランスしない。なにか理由があるのか。