1月のフィールドワーク予定 2020/一年を振り返る【再追記】

2019年もあとわずか。この一年間、オペラ、バレエ(ダンス)、演劇にクラシックコンサートを含めた劇場文化(芸術)をフィールドワークしてきたが、公演数は117。例年と大差ない。ただ、バレエが少し減り演劇が増えている。ここで簡単に一年を振り返りたい。観客(聴衆)としての評価基準は極めてシンプル。チケットを買って再度見(聴き)たいかどうかだ。新国立劇場の公演は、オペラ・バレエ・演劇のいずれも全演目を見ている。まずはこの三部門について簡単に。

オペラでは大野和士が芸術監督になり、力のある日本人歌手が主役級に抜擢されるようになった。これは大変よかったと思う。舞台は客席と地続きであるべきだ(〝地続き文化〟についてはこちら)。ただ、昨年の《フィデリオ》に匹敵する舞台は見出せなかった。

バレエでは、やはり米沢唯。全幕物で舞台を生きるあり方に加え、美しいラインや型(様式)が単発的に求められるガラ公演でも素晴らしい踊りを見せた。『バヤデール』はすでに書いたから、『ロミ&ジュリ』について手短に。米沢は、ジュリエットが自立前の少女から恋愛と苦境を経て成長するありようを踊りで見事に表現した。終幕で自刃する時、乳母と人形で遊ぶシーンから後の生の過程すべてがフラッシュバックするかのよう。ロミオの渡邊峻郁もバルコニーシーンの踊りなど目を見張った。速水渉悟の天真爛漫なベンボーリオは、軸のぶれない回転が素晴らしく、これから楽しみ(あとはサポートか)。福岡雄大のティボルトは見応えがありロミオ役よりフィットしていた。

新国立の演劇は、残念ながらもう一度見たいと思う舞台はなし。「こつこつプロジェクト」はよいと思う(西悟志の『リチャード三世』は大変面白かった)。が、全般的に客席の身体まで熱が伝わってこない。英米物への偏りも少し気になる。オリジナルは別としても、チェーホフギリシャ悲劇まで英米の翻案を使う必要があるのだろうか。

音楽では、鈴木雅明 率いるBCJベートーヴェン 第九、特に合唱は新鮮な驚きだった。上岡敏之新日本フィルが中高生の演劇とコラボしたバレエ音楽『ロミオとジュリエット』佐藤俊介とオランダ・バッハ協会管弦楽団はどちらもブログに書いたが、特筆すべきコンサート。

2020年は4月から今より自分の時間がとれる見込みだ。その分ブログの更新を増やしたいが、果たしてそうなるかどうか。

【8日(水)岡﨑乾二郎監修「坂田一男 捲土重来」展東京ステーションギャラリー←追記

10日(金)19:00  劇団俳優座 No.340『雉はじめて鳴く』作:横山拓也(iaku) /演出:眞鍋卓嗣/美術:杉山 至/照明:桜井真澄(株式会社 東京舞台照明)/効果:木内拓(株式会社 音映)/衣裳:樋口 藍(アトリエ藍)/舞台監督:関裕麻/出演:天野 眞由美 山下 裕子 河内 浩 塩山 誠司 清水 直子 若井なおみ 保 亜美 宮川 崇 深堀 啓太朗 後藤 佑里奈 八頭司 悠友 @俳優座劇場

11日(土)14:00 新国立劇場バレエ「ニューイヤー・バレエ」『セレナーデ』振付:ジョージ・バランシン 音楽:ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー「弦楽セレナーデ」ハ長調  出演:寺田亜沙子、柴山紗帆、細田千晶、井澤 駿、中家正博/『ライモンダ』よりパ・ド・ドゥ 振付:マリウス・プティパ 音楽:アレクサンドル・グラズノフ  改訂振付・演出:牧 阿佐美 出演:小野絢子、福岡雄大『海賊』よりパ・ド・ドゥ 振付:マリウス・プティパ 音楽:リッカルド・ドリーゴ  出演:木村優里、速水渉悟/『DGV Danse à Grande Vitesse』振付:クリストファー・ウィールドン 音楽:マイケル・ナイマン「MGV(超高速音楽)」 美術・衣裳:ジャン=マルク・ピュイサン 照明:ジェニファー・ティプトン 出演:小野絢子、福岡雄大、本島美和、米沢 唯、寺田亜沙子、渡邊峻郁、木下嘉人、中家正博//指揮:マーティン・イエイツ/管弦楽:東京交響楽団新国立劇場オペラハウス

【12日(日)18:15-20:40 映画『パラサイト 半地下の家族』監督:ポン・ジュノ/製作:クァク・シネ ムン・ヤングォン チャン・ヨンファン/脚本:ポン・ジュノ ハン・ジヌォン/撮影:ホン・ギョンピョ/美術:イ・ハジュン/衣装:チェ・セヨン/編集:ン・ジンモ/音楽:チョン・ジェイル/[キャスト]キム・ギテク:ソン・ガンホ/パク・ドンイク:イ・ソンギュン/パク・ヨンギョ:チョ・ヨジョン/キム・ギウ:チェ・ウシク/キム・ギジョン:パク・ソダム/ムングァン:イ・ジョンウン/キム・チュンスク:チャン・ヘジン/パク・ダヘ:チョン・ジソ/パク・ダソン:チョン・ヒョンジュン/ミニョク:パク・ソジュン @イオンシネマ板橋】←追記

13日(月)14:00 新国立劇場バレエ「ニューイヤー・バレエ」『セレナーデ』出演:同上/『ライモンダ』よりパ・ド・ドゥ  出演:米沢 唯、渡邊峻郁/『海賊』よりパ・ド・ドゥ 出演:同上/『DGV Danse à Grande Vitesse』出演:同上 @新国立劇場オペラハウス

【17日(金)14:00  劇団俳優座 No.340『雉はじめて鳴く』作:横山拓也(iaku) /演出:眞鍋卓嗣/美術:杉山 至 @俳優座劇場】←追記

17日(金)19:15 新日本フィル #615 定演 トパーズ〈トリフォニー・シリーズ〉シューベルト交響曲第6番 ハ長調 D589/ヴェルディ:歌劇『ドン・カルロ』より「王妃の舞踏会」/メンデルスゾーン交響曲第4番 イ長調 op. 90 「イタリア」指揮:上岡敏之すみだトリフォニーホール

24日(金)18:30 新国立劇場オペラ《ラ・ボエーム》全4幕〈イタリア語上演/日本語及び英語字幕付〉作曲:ジャコモ・プッチーニ指揮:パオロ・カリニャーニ/演出:粟國 淳/美術:パスクアーレ・グロッシ/衣装:アレッサンドロ・チャンマルーギ/照明:笠原俊幸/ミミ:ニーノ・マチャイゼロド/ルフォ:マッテオ・リッピ/マルチェッロ:マリオ・カッシ/ムゼッタ:辻井亜季穂/ショナール:森口賢二/コッリーネ:松位 浩/ベノア:鹿野由之/アルチンドロ:晴 雅彦/パルピニョール:寺田宗永/管弦楽:東京交響楽団/合唱:新国立劇場合唱団 @新国立劇場オペラハウス

25日(土)14:00 開館65周年記念  川端康成生誕120周年記念作品 室内オペラ《サイレンス》(フランス語上演/日本語字幕付)日本初演/原作 : 川端康成「無言」/作曲・指揮:アレクサンドル・デスプラ/台本:アレクサンドル・デスプラ/ソルレイ/演出・映像:ソルレイ/美術・照明:エリック・ソワイエ/衣装:ピエールパオロ・ピッチョーリ/演奏:アンサンブル・ルシリン/出演:ジュディス・ファー(ソプラノ)、ロマン・ボックラー(バリトン)、ローラン・ストッカー(コメディーフランセーズ/語り) @神奈川県立音楽堂

【29日(水)18:25 映画『風の電話』監督:諏訪敦彦/脚本:狗飼恭子 諏訪敦彦/撮影:灰原隆裕/照明:舟橋正生/編集:佐藤崇/音楽:世武裕子/助監督:是安祐/出演:モトーラ世理奈(ハル)西島秀俊(森尾)、西田敏行(今田)、三浦友和(公平)、渡辺真起子(広子)、山本未來占部房子池津祥子石橋けい、篠原篤、別府康子 @イオンシネマ板橋】←再追記