東京交響楽団《フィガロの結婚》演奏会形式 2018

ジョナサン・ノット率いる東響の《フィガロの結婚》を聴いた(12月9日 13:00/サントリーホール)。
これでダ・ポンテ3部作の完結。2016年《コジ・ファン・トゥッテ》(芸劇コンサートホール)、17年《ドン・ジョヴァンニ》(ミューザ川崎シンフォニーホール)も素晴らしかったが、今回は両者を凌駕した。以下、簡単にメモする。

指揮/ハンマーフリューゲル:ジョナサン・ノット
演出監修/バルトロ/アントニオ:アラステア・ミルズ

フィガロマルクス・ウェルバ
スザンナ:リディア・トイシャー
アルマヴィーヴァ伯爵:アシュリー・リッチズ
アルマヴィーヴァ伯爵夫人:ミア・パーション
ケルビーノ:ジュルジータ・アダモナイト(エイブリー・アムロウは本人の都合でキャンセル)
マルチェリーナ:ジェニファー・ラーモア
バルバリーナ:ローラ・インコ
バジリオ/ドン・クルツィオ:アンジェロ・ポラック

合唱:新国立劇場合唱団(指揮:河原哲也)
管弦楽:東京交響楽団

演奏会形式だが、これまで同様、椅子や衣装スタンド等だけで演出(アラステア・ミルズ)し、音楽を際立たせた。特に印象的なのが第2幕のフィナーレ。ここでは伯爵夫妻の二重唱にスザンヌが加り、さらにフィガロが、アントニオが、マルチェリーナとバジリオとバルトロが加わっていく。この幕切れの七重唱でノットのゾーンに入ったダンサー顔負けの指揮振りが、めくるめくようなモーツァルト的興奮のるつぼを倍加した。モーツァルトの重唱には奇跡的な喜びがある! 思えば、伯爵やバルトロやマルチェリーナやバジリオらは大喜びで有頂天だが、他方のフィガロやスザンナや伯爵夫人らは困惑し、嘆き、絶望している。この両者が、同じメロディとハーモニーで同時に歌うのだ。まるでモーツァルトは、いがみ合いや対立や争いを、丸ごと音楽で包み込み抱擁しているかのよう。ノットの高揚しながらも巧みに音楽をコントロールする様を見ながら、そう感じた。

歌手はみな歌も芝居も本当にうまい。リディア・トイシャーの第4幕のアリア「早くおいで、美しい喜びよ」はこれまで聴いたベストかも。けっしてこれ見よがしにならず、どこまでもスザンナとして歌いきった。ミア・パーションの第2幕のカヴァティーナ「愛の神様」はもっと伯爵夫人の諦念というか熟した感じがほしい気もした。が、第3幕のレチタティーヴォとアリアはキツい感じが功を奏し、素晴らしい歌唱。近年、コンテッサ役の歌い方がこのように変化しているのは、女性のあり方が時代と共に変わってきたからか。女性といえば、第4幕でマルチェリーナが歌う「牡山羊と牝山羊は仲がいい」はフェミニズムの先駆みたいなアリアだが、ジェニファー・ラーモアはノットを男の代表に見立て、すぐ側で皮肉たっぷりに歌い上げた。会場は喝采の嵐(ラーモアは2016年に新国立版《イェヌーファ》にコステルニチカ役で出ていた)。ケルビーノ役は代役のジュルジータ・アダモナイト。第1幕のアリア「自分で自分が分からない」はとてもよい。第2幕のアリエッタ「恋とはどんなものなのか」では、訳の分からぬものが突き上げてくる思春期のエロスをよく出していたともいえる。ただ、気張りすぎたか、少し不安定な箇所も聞き取れた。代役だとついそうなるのかも。アルマヴィーヴァ伯爵のアシュリー・リッチズは、上演直前に「体調不良だが、本人の強い意向で出演」とのアナウンスが流れた。が、とてもそんな風には見(聞こ)えず。上背があり芝居も歌も見事(万全だとさらに声量が出るのか)。フィガロマルクス・ヴェルバも相変わらずノリがよいし、アンジェロ・ポラックはバジリオ/ドン・クルツィオ役ではもったいない気もした。バルバリーナ役のローラ・インコに至っては、出番が後半のわずかしかないのにこのハイレベルかと思わせるほど。新国立劇場合唱団はさすがの歌唱。ピリオド奏法を採り入れたオケは生き生きしかつ瑞々しい。ナチュラル(?)ホルンが少し不安定だったのは低い気温も影響したか。
【付記】ホール内はかなり寒く、体が固まった。そういえば昨年《ドン・ジョヴァンニ》の芸劇でもそうだった。ホール内でコートを着たままオペラを聴かねばならぬ状況はなんとかしてほしい。

新国立劇場 演劇『スカイライト』プレビュー1日目の感想【関連リンク追加】

デイヴィッド・ヘア作『スカイライト』のプレビュー一日目を観た(12月1日 14:00/新国立小劇場)。小川絵梨子が芸術監督に就任後、初めての演出作品。
新シーズンの前二作はいずれもキャスティング等に疑問を感じた。カミュの『誤解』(10月)では演出の稲葉賀恵やマルタ役の小島聖は健闘したが、ジャンとマリアの配役には首をかしげた。ピンターの『誰もいない国』(11月)に主演の二人は味のある好きな役者だが、ピンターものに必須の切れのある台詞回しで魅せるタイプではない。それを補うためか、演出家は天井から水滴を落とし、ステージの半分を水で浸して男の夢や幻想を物化(視覚化)する。なんとも興醒めの演出。彼もピンター向きではなかったようだ。
今回小川はプレビューをこの劇場に初めて採り入れた。「二回のプレビューの後に三日間ほど劇場を閉めて更に稽古を行」うという。欧米では珍しくないだろうが、観客としても割安(約1000円安)なうえに、舞台が好ければ本公演と見比べられる面白さもある。プログラムの販売は本公演の開始から。以下、簡単にメモしたい。

作:デイヴィッド・ヘア
翻訳:浦辺千鶴
演出:小川絵梨子
美術:二村周作
照明:松本大
音響:福澤裕之
衣裳:郄木阿友子
ヘアメイク:鎌田直樹
演出助手:渡邊千穂
舞台監督:福本伸生
キャスト
キラ:蒼井 優
エドワード:葉山奨之
トム:浅野雅博

舞台は粗末なアパートの室内。それを客席が両側から挟み込むかたちだ。なんか既視感がある。2014年にこの劇場で見た二人芝居『ご臨終』の舞台セット(杉山至)とよく似ている(感想メモ)。幕切れ近くで雪が降る美的な趣向もそっくりだ。
キラ(蒼井優)が仕事から疲れて帰ってくる。風呂を沸かし始めた矢先に青年(葉山奨之)が訪ねてきた。吃驚。大きくなったわね。どうやら、以前つき合っていた不倫相手の息子エドワードらしい。キラが別れた男(エドの父)の妻はそのあと病気になり、亡くなったと。初めて知るキラ。父(男)の苦悩も。やがて出ていくエドワード。入浴中にブザーが鳴る。今度はなんとその本人トム(浅野雅博)だ。三年振り? 今の話、昔の話。やがて、チーズにまつわるやりとりから、二人の役者のアドレナリンが出はじめた。才能ある俳優ならではの濃密な時間だ。演劇的愉悦。やがて、トムは下で待つリムジンを帰し泊まることに。ここで20分休憩。
夜中、ベッドで寝ているトム。何か食べながら採点するキラ。彼女は学校の教師だ。ここから、複数のレストランを経営するトムのハイソな志向(嗜好)と学校教師キラの価値観の違いがぶつかり合り、激しい言葉の応酬が続く。最後は愛の問題に。やがて出ていくトム・・・。その後、キラが眠りにつくと、雪が降ってくる。キラの孤独を慰撫し浄化するように。が、ここで終わりではない。朝になるとまたエドワードがやって来る。今度は美味しい朝食を持って・・・。
前半、蒼井と浅野の対話は、言葉を発し合うなかで互いに調子が出てくるのを待つ感じだった。が、チーズの話あたりから、竹内敏晴のいう、「言葉に引っ張り出された感情」がどんどん舞台を覆い、客席まで伝播した。ただし、休憩後、特に浅野は一旦停止したエンジンが掛かりにくい印象。結果、蒼井の長台詞がソロのように聞こえる部分もあり、やりとりの内容がやや飲み込みずらかった。まだプレビューだからかも知れない。
エドワードを演じた葉山の吃音は当初こそ演技かと思ったが、あまりにリアルで、次第に役者自身そうなのかと(まさか)。吃音は「一瞬先は闇」の綱渡り的世界。非日常のいまが現出する。その分、台詞の中身より役者の身体性や存在に注意が向く。吃音は、伊藤亜紗がいうように「言葉ではなく肉体が伝わってしまう」のだ(『どもる体』2018年)。エドワードの吃音は台本に指示があるのか。彼が吃音で発話する演劇上の意味はどこにあるのか。裕福な実業家と、恵まれない子供たちに身を捧げる女性教師の対立軸から、恵まれた前者の息子の吃音(恵まれなさ?)は、二人の間を繋ぐ役割の属性として相応しいということか。
本公演はどんなふうに仕上がるのだろう。つい12月15日ソアレのチケットを取ってしまった。
【2014年の『ブレス・オブ・ライフ〜女の肖像〜』もデイヴィッド・ヘアの作品でブログに感想を書いていた。蒼井優が主演した『アンチゴーヌ』の感想はこちら。】

12月のフィールドワーク予定 2018【キャスト加筆・追加】

新国立劇場のオペラと演劇は今秋から新たな芸術監督によるシーズンを開始した。前者は《魔笛》、後者は『誤解』と『誰もいない国』の二作のみだが、いずれもキャスティングに疑問符が付き、いまのところ期待外れといわざるをえない。両部門ともさらなる作品上演が続くが、挽回できるだろうか。iaku(横山拓也)の演劇作品は今春こまばアゴラ劇場で初めて見たが、とても気に入った。その新作を三鷹で見る。楽しみだ。ジョナサン・ノット指揮による東響の《フィガロの結婚》は、二年前から始まったダ・ポンテ三部作の完結篇。前二作も質の高い上演だったから期待したい。【『くるみ割り人形』のキャストを加筆した。】

1日(土)14:00 新国立劇場 演劇(プレビュー)『スカイライト』作:デイヴィッド・ヘア/翻訳:浦辺千鶴/演出:小川絵梨子/美術:二村周作/照明:松本大介/音響:福澤裕之/衣裳:郄木阿友子/ヘアメイク:鎌田直樹/演出助手:渡邊千穂/舞台監督・福本伸生/出演:蒼井 優 葉山奨之 浅野雅博 @新国立小劇場
1日(土)19:00 iaku『逢いにいくの、雨だけど』作・演出:横山拓也/出演:尾方宣久(MONO)、橋爪未萠里(劇団赤鬼)、近藤フク(ペンギンプルペイルパイルズ)、納 葉、松本 亮、異儀田夏葉(KAKUTA)、川村紗也、猪俣三四郎ナイロン100℃)@三鷹市芸術文化センター 星のホール
2日(日)14:00 新国立劇場 オペラ《カルメン》全3幕〈フランス語上演/字幕付〉作曲:ジョルジュ・ビゼー/指揮:ジャン=リュック・タンゴー/演出:鵜山 仁/美術:島 次郎/衣裳:緒方規矩子/照明:沢田祐二/振付:石井 潤/再演演出:澤田康子/舞台監督:斉藤美穂カルメン:ジンジャー・コスタ=ジャクソン/ドン・ホセ:オレグ・ドルゴフ/エスカミーリョ:ティモシー・レナー/ミカエラ:砂川涼子/スニガ:伊藤貴之/モラレス:吉川健一/ダンカイロ:成田 眞/レメンダ―ド:今尾 滋/フラスキータ:日比野 幸/メルセデス:中島郁子/合唱指揮:三澤洋史/合唱:新国立劇場合唱団/ダンサー:新国立劇場バレエ団/管弦楽東京フィルハーモニー交響楽団新国立劇場オペラハウス
6日(木)19:00 新国立劇場 オペラ《ファルスタッフ》全3幕〈イタリア語上演/字幕付〉作曲:ジュゼッペ・ヴェルディ/指揮:カルロ・リッツィ/演出:ジョナサン・ミラー/美術・衣裳:イザベラ・バイウォーター/照明:ペーター・ペッチニック/再演演出:澤田康子/舞台監督:郄橋尚史/ファルスタッフ:ロベルト・デ・カンディア/フォード:マッティア・オリヴィエーリ/フェントン:村上公太/医師カイウス:青地英幸/バルドルフォ:糸賀修平/ピストーラ:妻屋秀和/フォード夫人アリーチェ:エヴァ・メイ/ナンネッタ:幸田浩子/クイックリー夫人:エンケレイダ・シュコーザ/ページ夫人メグ:鳥木弥生/合唱指揮:三澤洋史/合唱:新国立劇場合唱団/管弦楽東京フィルハーモニー交響楽団新国立劇場オペラハウス
7日(金)ルーベンス展―バロックの誕生』国立西洋美術館
9日(日)13:00 東京交響楽団特別演奏会 オペラ《フィガロの結婚》(演奏会形式/原語上演/日本語字幕付き)指揮&ハンマーフリューゲル:ジョナサン・ノット/バルトロ&アントニオ&演出監修:アラステア・ミルズ/フィガロマルクス・ヴェルバ/スザンナ:リディア・トイシャー/アルマヴィーヴァ伯爵:アシュリー・リッチズ/アルマヴィーヴァ伯爵夫人:ミア・パーション/ケルビーノ:ジュルジータ・アダモナイト/マルチェリーナ:ジェニファー・ラーモア/バルバリーナ:ローラ・インコ/バジリオ&ドン・クルツィオ:アンジェロ・ポラック/合唱:新国立劇場合唱団/管弦楽:東京交響楽団サントリーホール
【15日(土)18:00 新国立劇場 演劇(本公演)『スカイライト』作:デイヴィッド・ヘア/翻訳:浦辺千鶴/演出:小川絵梨子/美術:二村周作/照明:松本大介/音響:福澤裕之/衣裳:郄木阿友子/ヘアメイク:鎌田直樹/演出助手:渡邊千穂/舞台監督・福本伸生/出演:蒼井 優 葉山奨之 浅野雅博 @新国立小劇場】
16日(日)13:00 新国立劇場バレエ『くるみ割り人形』音楽:ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー /振付:ウエイン・イーグリング/指揮:アレクセイ・バクラン/クララ&金平糖の精:小野絢子/ドロッセルマイヤーの甥&くるみ割り人形&王子:福岡雄大/【ドロッセルマイヤー:貝川鐵夫/ねずみの王様:渡邊峻郁/ルイーズ(クララの姉):細田千晶/雪の結晶:渡辺与布、広瀬 碧/花のワルツ:飯野萌子、益田裕子、木下嘉人、原 健太】/管弦楽東京フィルハーモニー交響楽団/合唱:東京少年少女合唱隊新国立劇場オペラハウス
16日(日)18:00 新国立劇場バレエ『くるみ割り人形』/クララ&金平糖の精:米沢 唯/ドロッセルマイヤーの甥&くるみ割り人形&王子:井澤 駿/【ドロッセルマイヤー:中家正博/ねずみの王様:奥村康祐/ルイーズ(クララの姉):池田理沙子/雪の結晶:柴山紗帆、飯野萌子/花のワルツ:寺田亜沙子、細田千晶、速水渉悟、浜崎恵二朗】 @新国立劇場オペラハウス
21日(金)19:00 新国立劇場バレエ『くるみ割り人形』/クララ&金平糖の精:木村優里/ドロッセルマイヤーの甥&くるみ割り人形&王子:渡邊峻郁/【ドロッセルマイヤー:貝川鐵夫/ねずみの王様:井澤 駿/ルイーズ(クララの姉):奥田花純/雪の結晶:渡辺与布、広瀬 碧/花のワルツ:飯野萌子、益田裕子、木下嘉人、原 健太】 @新国立劇場オペラハウス
22日(土)18:00 新国立劇場バレエ『くるみ割り人形』/クララ&金平糖の精:米沢 唯/ドロッセルマイヤーの甥&くるみ割り人形&王子:井澤 駿/【ドロッセルマイヤー:中家正博/ねずみの王様:奥村康祐/ルイーズ(クララの姉):池田理沙子/雪の結晶:柴山紗帆、飯野萌子/花のワルツ:寺田亜沙子、細田千晶、速水渉悟、浜崎恵二朗】 @新国立劇場オペラハウス

佐藤俊介 plays J. S. バッハ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ&パルティータ 全曲

標記のコンサートを聴いた(4日 15:00 佐藤俊介所沢市民文化センター ミューズ キューブホール)。
出遅れたため東京公演はすでに売り切れで、所沢公演の残っていた一枚をかろうじて入手。このホールは初めてだが音響はとてもよく、三方からステージを囲む客席はかなりの傾斜で聴き(見)やすかった。市民文化センターの環境もよく、気に入った。以下、簡単にメモする。

ソナタ第1番 ト長調 BWV1001
 1. アダージョ 2. フーガ:アレグロ 3. シチリアーナ 4. プレスト

パルティータ第1番 ロ短調 BWV1002
 1. アルマンド―ドゥーブル 2. クーラント―ドゥーブル(プレスト) 3. サラバンド―ドゥーブル 4. テンポ・ディ・ブーレ―ドゥーブル

ソナタ第3番 ハ長調 BWV1005
 1. アダージョ 2. フーガ 3. ラルゴ 4. アレグロ・アッサイ


インターミッション(20分)


パルティータ第3番 ホ長調 BWV1006
 1. プレリュード 2. ルール 3. ガヴォット・アン・ロンドー 4. メヌエットI II 5. ブーレ 6. ジー

ソナタ第2番 イ短調 BWV1003
 1. グラーヴェ 2. フーガ 3. アンダンテ 4. アレグロ

パルティータ第2番 ニ短調 BWV1004
 1. アルマンド 2. クーラント 3. サラバンド 4. ジーグ 5. シャコンヌ

いずれの曲も素晴らしい演奏。今回、ソナタも興味深く聴いた。舞曲から成るパルティータは変化に富んだ面白さがあるが、一方ソナタは「教会ソナタの伝統に従」った「緩―急―緩―急」の「4楽章構成」(プログラム)から、カンタータなどの宗教的な展開に似たものを感じた。特にソナタ第3番 ハ長調。不安から安らぎを経て喜びに至る。もちろん、舞曲でもサラバンドや今回最後に弾かれたシャコンヌ(チャコーナ)などは別だが。とにかく佐藤俊介はすごい才能の持ち主。美点は沢山あるが、なにより音が透明でこのうえなく美しい。ピリオド楽器で奏される場合、総じてモダン楽器よりは抑制的に響きがちだが、佐藤の創り出す音はシャープで鮮烈。いつでも聴く者を刺し貫く美音を弾き出せる。テンポの速い曲がまた凄まじい迫力だが、乱れることは微塵もない。ユーモアが混じることも。特にパッセージが不意に途切れる時などがそう。
それにしてもエネルギーと集中力は尋常ではない。ラストのシャコンヌだけ聴いたら、それまで三つのソナタと三つのパルティータを2時間半に亘って弾いてきたとはとても思えないだろう。シャコンヌは、以前、ダンサーの柳本雅寛とのコラボで弾いた時より入魂度が深い分、軽快さは幾分減じはした(佐藤俊介の現在(いま) Vol.1 ヴァイオリン×ダンス―奏でる身体)。とはいえ、それなりのハイテンポでどんどん先へ進んでいく。その爽快感が心地よい。もちろん、途上では密度の濃い内面的世界が幾度か喚起され、こころに沁みた(若い頃ヴァイオリンで聴く以前にセゴヴィアのギター版レコードをずっと愛聴していた)。最後の長く伸ばした一音で、まだ弓を下ろす前に拍手が出たのは残念。だが、所沢の客は総じてよく耳を傾けていたと思う。カーテンコールではもちろんスタンディングで拍手を送った。アンサンブル「オランダ・バッハ協会」のコンサートマスターだった佐藤は、本年6月からその音楽監督に就任した。佐藤が率いるアンサンブルの演奏をぜひ聴いてみたい。

青年団第80回公演『ソウル市民』『ソウル市民1919』 歌の力

『ソウル市民』『ソウル市民1919』をそれぞれ同日のマチネとソワレで観た(10月20日 14:30, 18:00/こまばアゴラ劇場)。
『ソウル市民』(初演 1989年)はフレデリック・フィスバック演出を見たのみで(2005年12月/シアタートラム)、『ソウル市民1919』(初演 2000年)は今回が初めて。

『ソウル市民』『ソウル市民1919』作・演出:平田オリザ/舞台美術:杉山 至/照明:三嶋聖子/衣裳:正金 彩/舞台監督:中西隆雄 黒澤多生/制作:林有布子 石川景子/出演:山内健司 松田弘子 永井秀樹 たむらみずほ 天明留理子 秋山建一 木崎友紀子 兵藤公美 島田曜蔵* 太田 宏 申 瑞季 田原礼子 大竹 直 村井まどか 山本雅幸 荻野友里 石松太一 井上みなみ 菊池佳南* 富田真喜(*『ソウル市民1919』のみ出演) @こまばアゴラ劇場

『ソウル市民』は1909年の夏「韓国併合」を翌年に控えたソウル(漢城)で文房具店を経営する篠崎家の日常を描く。舞台は大きなテーブルと食器戸棚がある客間。当主やその親族など使用(支配)する側と、女中や書生など使用(支配)される側の違いが、服装のみならず、挨拶の仕方や立ち居振る舞いから即わかる。とても新鮮。かつての日本はそうだった。さらに、同じ女中でも日本人と朝鮮人では、チマチョゴリを措いても、言葉遣い(敬語)等で両者の違いが識別できる。
女中たちが休憩時にテーブルを囲んで雑談するシーンは、岸田國士の『留守』を想起させる。『留守』は、主人の留守中に隣家の奉公人同士が談笑するなかへ八百屋の御用聞きが加わるユーモラスな佳作。オリザの作では、日本人女中らの朝鮮人への(いまからみれば)無神経な言葉が客席にちくちく刺さり、居心地が悪い。
長女の愛子(富田真喜)が女中らの話に加わるシーン。愛子曰く、朝鮮語の音は文学に向いていないと思う…。女中の福山(田原礼子)曰く、たしかにこっちの言葉は刺々しいから…。愛子「やっぱり、文学には、それなりの美しい言葉の響きが必要だから」。福山「それは、やっぱり、言葉のことより、朝鮮人の方が問題なんじゃないですか?」/愛子「だからね、そこが間違いなのよ。だって、朝鮮人も日本人も同じ人間なんだから、文学に向かない人間なんて、いないわけがないのよ」。この愛子の言い間違いを指摘するのは、この家で育ち日本語が達者で文学好きの朝鮮人女中 李淑子(荻野友里)である。淑子「文学に向かない人間はいないんですよね」。愛子「そうそう。あぁ、文学に向かない人間なんて、いるわけがないか。[…]こういうのを、ヒューマニズムっていうんだけどね」。
朝鮮語を挨拶程度しか解さない篠崎家の長女が、朝鮮語と文学の非親和性について語る言説は、誰よりも(日本)文学を理解する朝鮮人女中の指摘により、自己解体している様が見事に露呈する(このシーンは、レジナルド・ローズの『十二人の怒れる男たち』でスラム出身の被告を馬鹿呼ばわりする10番陪審員の英語の間違いを、ヨーロッパ難民の出自を持つ11番が指摘する件りを思い出させる)。いずれにせよ、朝鮮への無知や無理解から来る差別的言説が飛び交うとき、例によって、当事者たる淑子は客席に背中を向けて座り、表情は判らない。その分、観客は朝鮮人淑子の立場に身を置き、彼女が感受するであろう痛みを想像し、深く共感するのである。
書生の友人手品師の来訪とその不可解な失踪、いくら待っても来ない次女幸子の文通相手、朝鮮人女中と長男の家出(駆け落ち)…。これらの「事件」はなんの解決も見ないまま終幕する。作品の主眼は別にあるからだ。

続編の『ソウル市民1919』では、朝鮮人女中 朴貫礼役を演じた申瑞季(シン・ソゲ)の素晴らしい歌唱にやられた。
…二人の朝鮮人女中が部屋の掃除をしている。金美玉(たむらみずほ)はオルガンや椅子を拭いていたが、朴と二人きりになると、小声で鼻歌を口ずさむ。正面奥の食器戸棚を拭いていた朴が、ほどなく金と向き合い、やおらそのメロディを韓国語で歌い出す。パトス(受苦=情熱)のこもった力強い歌声だ。チマチョゴリ姿の二人は、途中から、片足を歌のリズムに合わせ大きく踏み鳴らしながら歌う。震えた。韓国語の意味は分からなくとも、あきらかに、家の外で沸き起こっている独立運動に呼応するものだ。
歌い終わると、二人は韓国語で短く言葉を交わし、朴は勢いよく【でもなかったか】外へ出て行く。金は同僚を見送ると、下手のオルガンを開き、先ほどのメロディをゆっくり弾く。驚いたのは、キーが同じだったこと。そもそも二人が完全にキーを維持したまま歌い終えたのもすごい。想田和弘監督の映画『演劇1』(2012)で地方公演のリハーサルの合間に、女優二人が「(キーが)低い」と言いながら朗々と韓国語で歌うシーンはとても印象的だった。あれはこの歌だったのか。
一方、篠崎家の人々は出入する者らも含め、みな脳天気。通りに朝鮮の人々があふれているのは祭りか何かとしか思わない。植民地における自分の存在が彼らに何を意味するか想像できない。他者性の欠如。現在まで地続きの島国的偏狭さがヒリヒリと伝わってくる。
『ソウル市民1919』は「日本の植民地支配下での最大の抵抗運動」である「三・一独立運動」が背景になっている(プログラム)。前作同様、一家のなかでは、ほぼ平凡な日常生活が続いていく。もちろん内地から相撲取り(島田曜蔵)が来訪したり、出戻りの幸子(荻野友里)が兄(店主)の謙一(山内健司)ともめたりと、多少の変化や波風は見られる。だが、そうした家族間のわだかまりも、オルガンの先生(木崎友紀子)を交えた幸子の演奏「発表会」が流行の替え歌披露に発展するなかでかき消され、大団円のうちに終演する。だが、観終えた者の内側では、この替え歌と朝鮮人女中二人によるあの歌の世界との皮肉な対照がくすぶり続けるのだ。
帰りの電車で台本を見ると、あの歌はアイルランド歌曲で「霧の滴」とある。プログラムの用語説明にも、観る前は気づかなかったが簡単に記されていた。歌詞は1916年にダブリンで勃発した「イースター蜂起」を題材に、北アイルランドカトリック司祭が作詞。メロディは古くから伝わる民謡らしい。さらにネットで調べると、革命歌として作られたのはイースター蜂起から3年後の1919年頃。とすれば、この芝居の設定と同時期だ。しかも、イギリス支配から独立すべく武装蜂起した事件を綴ったとあれば、「霧の滴(The Foggy Dew)」は「三・一独立運動」の精神を表象する歌としてまさに打ってつけといえる。

ダブリンの街、誇り高く
戦いの旗が揺れる
誰も私たちを束縛できない
自由の空を目指す
その唄は荒れ地を越え
谷間を抜けて出ていく
破壊者達 銃を手に
霧を切り裂いて迫る


霊鎮めの鐘が鳴る
祈祷の歌が響く
復活祭の春の静かな朝
すべてをかけて立ち上がる
その歌は、海を越え
ときを越えて、いまここに
誇り高き自由の光
朝の滴に揺れる

(この歌詞の訳は、元の英語と、中川敬氏、伊丹英子氏の日本語訳を参考に記してある。実際の舞台では、これがさらに韓国語で歌われる)
――『青年団上演台本』

「霧の滴」はソウル・フラワー・ユニオンがカバーしたものらしい(『エレクトロ・アジール・バップ』1996)。平田オリザは曲調や歌詞の内容から『ソウル市民1919』に使えると判断したのだろう。だが、韓国語へは誰が翻訳したのか。あるいは韓国でもカバーされていたのか。いずれにせよ、申瑞季の歌をもう一度聴くため、11月1日(木)にアゴラ劇場へ行く。
(カーテンコールで彼女の姿が見られないのは残念。後半に出番はないから仕方ないのか。)

11月のフィールドワーク予定 2018【再修正・追加】

11月はさすがに公演が多い。新国立劇場バレエは新制作『不思議の国のアリス』で遅まきながら事実上のシーズン開幕。本作は2011年に英国ロイヤルバレエで初演され、2013年には日本への引越公演もあったらしい(未見)。今回はオーストラリア・バレエとの共同制作でカンパニー上演が実現した。佐藤俊介がバッハの無伴奏ヴァイオリン・ソナタ&パルティータ全曲を弾く。東京は早々に完売で所沢の席をなんとか確保した。アイルランドの劇作家ショーン・オケイシーの『The Silver Tassie 銀杯』が上演されるのも珍しい。BCJの《クリスマス・オラトリオ》や北とぴあの《ウリッセの帰還》など、楽しみな公演が目白押しである。

1日(木)18:00 青年団第80回公演『ソウル市民1919』作・演出:平田オリザ/出演:山内健司 松田弘子 永井秀樹 たむらみずほ 天明留理子 秋山建一 木崎友紀子 兵藤公美 島田曜蔵 太田 宏 申 瑞季 田原礼子 大竹 直 村井まどか 山本雅幸 荻野友里 石松太一 井上みなみ 菊池佳南 富田真喜 @こまばアゴラ劇場
2日(金)19:00 新国立劇場バレエ『不思議の国のアリス』[新制作]音楽:ジョビー・タルボット/振付:クリストファー・ウィールドン/指揮:ネイサン・ブロック/美術・衣裳:ボブ・クロウリー/照明:ナターシャ・カッツ/照明リプロダクション:サイモン・ベニソン/台本:ニコラス・ライト/映像:ジョン・ドリスコル、ジュンマ・キャリントン/パペット:トビー・オリー/マジック・コンサルタント:ポール・キエーヴ/振付指導:ジャクリーン・バレット、ジェイソン・ファウラー/コレオロジスト:アナ・トレヴィアン/共同制作:オーストラリア・バレエ/【出演】アリス:米沢 唯/ルイス・キャロル&白ウサギ:奥村康祐/庭師ジャック&ハートのジャック:渡邊峻郁/アリスの母&ハートの女王:エイミー・ハリス/手品師&マッドハッタ―:ジャレッド・マドゥン/アリスの父&ハートの王:輪島拓也/ラジャ&イモ虫:井澤 駿/公爵夫人:吉本泰久/管弦楽東京フィルハーモニー交響楽団新国立劇場オペラハウス
3日(土)14:00 新国立劇場バレエ『不思議の国のアリス【出演】アリス:小野絢子/ルイス・キャロル&白ウサギ:木下嘉人/庭師ジャック&ハートのジャック:福岡雄大/アリスの母&ハートの女王:本島美和/手品師&マッドハッタ―:菅野英男/アリスの父&ハートの王:貝川鐵夫/ラジャ&イモ虫:宇賀大将/公爵夫人:輪島拓也 @新国立劇場オペラハウス
4日(日)15:00 佐藤俊介 plays J.S.バッハ無伴奏ヴァイオリン・ソナタ&パルティータ BWV1001〜1006 全曲所沢市民文化センター ミューズ キューブホール
10日(土)13:00 新国立劇場 演劇『誰もいない国』作:ハロルド・ピンター/翻訳:喜志哲雄/演出:寺十 吾/美術:池田ともゆき/照明:中川隆一/音楽:坂本弘道/音響:岩野直人/衣裳:半田悦子/ヘアメイク:林みゆき/演出補:大西一郎/演出助手:城田美樹/舞台監督:幸光順平/出演:柄本 明 石倉三郎 有薗芳記 平埜生成 @新国立小劇場
10日(土)18:30 新国立劇場バレエ『不思議の国のアリス【出演】アリス:米沢 唯/ルイス・キャロル&白ウサギ:奥村康祐/庭師ジャック&ハートのジャック:渡邊峻郁/アリスの母&ハートの女王:エイミー・ハリス/手品師&マッドハッタ―:ジャレッド・マドゥン/アリスの父&ハートの王:輪島拓也/ラジャ&イモ虫:井澤 駿/公爵夫人:吉本泰久 @新国立劇場オペラハウス
16日(金)19:00 新日本フィル定演 #597 トパーズ<トリフォニー・シリーズ> ブラームスピアノ協奏曲第2番 変ロ長調 op. 83*/ブラームス交響曲第2番 ニ長調 op. 73/指揮:ローレンス・フォスター/ピアノ*:ヨーゼフ・モーグすみだトリフォニーホール ←大好きなブラームス交響曲第2番は聴きたかったが都合でやむなく断念。
17日(土)18:30 『The Silver Tassie 銀杯』作:ショーン・オケイシー/翻訳・訳詞:フジノサツコ/演出:森新太郎/美術:伊藤雅子/照明:服部基/音楽:国広和毅/音響:高橋巖/衣裳:西原梨恵/ヘアメイク:鎌田直樹/演出助手:石田恭子/舞台監督:澁谷壽久/【出演】中山優馬 矢田悠祐 横田栄司 浦浜アリサ 安田聖愛 土屋佑壱 麻田キョウヤ 岩渕敏司 今村洋一 チョウヨンホ 駒井健介 天野勝仁 鈴木崇乃 吉田久美 野田久美子 石毛美帆 永石千尋 秋山みり 山本亨 青山勝 長野里美 三田和代世田谷パブリックシアター
23日(金・祝)15:00 BCJ #130 定演《クリスマス・オラトリオ》BWV 248 (全曲)/指揮:鈴木 雅明/ソプラノ: ハナ・ブラシコヴァ/アルト: クリント・ファン・デア・リンデ/テノール: ザッカリー・ワイルダー/バス: クリスティアン・イムラー/合唱・管弦楽バッハ・コレギウム・ジャパン東京オペラシティ コンサートホール:タケミツメモリアル
24日(土)14:00 ダンス・アーカイヴ in JAPAN 2018 「砂漠のミイラ」(1993年初演)構成・演出・振付:藤井 公・利子/作品責任者:藤井利子/音楽構成:山本 直/出演:秋本里奈子 井上依里子 江尻美由紀 江積志織 江藤裕里亜 海保文江 上村有紀 北堀 希 桜井 陽 佐々木治子 清水フミヒト 郄橋純一 寺粼ゆい子 田路紅瑠美 戸口未貴 中嶋野々子 林 敏秀 半澤 昇 藤井彩加 藤井友美 松元日奈子 梁田妃美子 横田安規 吉垣恵美//「獄舎の演芸」(1977年初演)構成・振付:若松美黄/作品責任者:小柳出加代子 窪内絹子/音楽:クルト・ヴァイル「第2シンフォニー」ほか/出演:高比良洋//「八月の庭」(1994年初演)構成・振付:庄司 裕/作品責任者:中井恵子/音楽:安良岡章夫「協奏的変容〜ヴァイオリン、チェロとオーケストラのための」/出演:石井 武 江口香織 大槻沙絵 大野木純子 岡野友美子 片山葉子 小室眞由子 近藤みどり 佐藤樹理愛 杉原 萌 須粼汐理 鷹栖歩莉 田中麻友美 玉田光子 冨田奈保子 名越晴奈 藤村港平 船木こころ 宝満直也 南帆乃佳 山西香澄 米沢麻佑子 @新国立中劇場 ←都合で断念。
25日(日)14:00 北とぴあ国際音楽祭2018 モンテヴェルディ作曲 オペラ《ウリッセの帰還指揮・ヴァイオリン:寺神戸亮管弦楽:レ・ボレアード(オリジナル楽器使用)/パフォーマー:辻田暁、遠山悠介/ウリッセ:エミリアーノ・ゴンザレス=トロ/ペネーロペ:湯川亜也子/ミネルヴァ/運命:クリスティーナ・ファネッリ/テレーマコ:ケヴィン・スケルトン/エウメーテ:櫻田亮/イーロ:フルヴィオベッティーニ/メラント:マチルド・エティエンヌ/エウリーマコ:眞弓創一/エリクレーア:波多野睦美/人間のもろさ:上杉清仁/愛:広瀬奈緒ジョーヴェ:谷口洋介/ジュノーネ:阿部早希子/ネットゥーノ/時:渡辺祐介/ピザンドロ:中嶋俊晴/アンフィーノモ:福島康晴/アンティーノオ:小笠原美敬/演出:小野寺修二(カンパニーデラシネラ)@北とぴあさくらホール
【11月27日(火)ムンク展―共鳴する魂の叫び Munch: A Retrospective」東京都美術館

10月のフィールドワーク予定 2018【修正】

新国立劇場の2018/2019シーズンが開幕する。オペラと演劇の二部門では新しい芸術監督が就任した。大野和士が率いるオペラは新制作の《魔笛》から(これを機に新シーズンからプルミエ会員に復帰した)。演劇部門の小川絵梨子はカミュの『誤解』を選んだ。両者とも自分以外の人間に指揮・演出を託したのは興味深い。海外の劇場文化に精通した二人の芸術監督が今後どんな舞台を見せてくれるのか。とても楽しみだ。

3日(水)18:30 新国立劇場オペラ《魔笛[新制作]全2幕〈ドイツ語上演/字幕付〉芸術監督:大野和士/指揮:ローラント・ベーア/演出・美術:ウィリアム・ケントリッジ/美術:ザビーネ・トイニッセン/衣裳:グレタ・ゴアリス/照明:ジェニファー・ティプトン/プロジェクション:キャサリン・メイバーグ/映像オペレーター:キム・ガニング/照明監修:スコット・ボルマン/舞台監督:郄橋尚史/キャスト:サヴァ・ヴェミッチ(ザラストロ)スティーヴ・ダヴィスリム(タミーノ)安井陽子(夜の女王)林正子(パミーナ)アンドレ・シュエン(パパゲーノ)九嶋香奈枝(パパゲーナ)升島唯博(モノスタトス) 成田 眞(弁者・僧侶I・武士II)/秋谷直之(僧侶II・武士I)増田のり子(侍女I)小泉詠子(侍女II)山下牧子(侍女III)前川依子(童子I)野田千恵子(童子II)花房英里子(童子III)/合唱:新国立劇場合唱団(指揮:三澤洋史)/管弦楽東京フィルハーモニー交響楽団新国立劇場オペラハウス
4日(木)18:30 新国立劇場 演劇『誤解』芸術監督:小川絵梨子作/作:アルベール・カミュ/翻訳:岩切正一郎/演出:稲葉賀恵/美術:乘峯雅寛/照明:服部 基/音響:加藤 温/衣裳:原 まさみ/ヘアメイク:川端富生/演出助手:郄野 玲/舞台監督:村岡 晋/キャスト:原田美枝子(母親)小島 聖(マルタ)水橋研二(ジャン)深谷美歩(マリア)小林勝也(老召使)@新国立小劇場
19日(金)19:00 新日本フィル定演 #595 トパーズ<トリフォニー・シリーズ> シベリウス:ヴァイオリン協奏曲 ニ短調 op. 47* リンドベルイ:タイム・イン・フライト【日本初演シベリウス交響曲第7番 ハ長調 op. 105 /指揮:ハンヌ・リントゥ/ヴァイオリン*:ヴァレリー・ソコロフ @すみだトリフォニーホール体調不良のためキャンセル
20日(土)14:30 青年団第80回公演『ソウル市民』作・演出:平田オリザ/舞台美術:杉山 至/照明:三嶋聖子/衣裳:正金 彩/舞台監督:中西隆雄 黒澤多生/制作:林有布子 石川景子/出演:山内健司 松田弘子 永井秀樹 たむらみずほ 天明留理子 秋山建一 木崎友紀子 兵藤公美 太田 宏 申 瑞季 田原礼子 大竹 直 村井まどか 山本雅幸 荻野友里 石松太一 井上みなみ 富田真喜 @こまばアゴラ劇場
20日(土)18:00 青年団第80回公演『ソウル市民1919』作・演出:平田オリザ/出演:山内健司 松田弘子 永井秀樹 たむらみずほ 天明留理子 秋山建一 木崎友紀子 兵藤公美 島田曜蔵 太田 宏 申 瑞季 田原礼子 大竹 直 村井まどか 山本雅幸 荻野友里 石松太一 井上みなみ 菊池佳南 富田真喜 @こまばアゴラ劇場
26日(金)19:00 読響定演 #582 J.M.クラウス:教会のためのシンフォニア ニ長調 VB146モーツァルト交響曲 第39番 変ホ長調 K.543メンデルスゾーン:オラトリオ「キリスト」作品97メンデルスゾーン詩篇第42番「鹿が谷の水を慕うように」作品42指揮:鈴木 雅明/ソプラノ:リディア・トイシャー/テノール:櫻田 亮/合唱:RIAS室内合唱団 @サントリーホール
27日(土)14:00 新日本フィル定演 #596 ジェイド<サントリーホール・シリーズ>ブルックナー交響曲第9番 ニ短調 WAB 109/ブルックナー:テ・デウム WAB 45*/指揮:上岡敏之/ソプラノ:山口 清子*/アルト:清水華澄*/テノール:余儀 巧*/バス:原田 圭*/合唱:新国立劇場合唱団*(指揮:冨平恭平)@すみだトリフォニーホール
31日(水)19:00 「マ ハ の ま な ざ し:バ ロ ッ ク・ 近 代 歌 曲 コ レ ク シ ョ ン 」カッチーニ:死なねばならないのか/モンテヴェルディ:さらばローマ オペラ「ポッペーアの戴冠」より/ストロッツィ:巡礼者/ヴィラ=ロボス:ブラジル風バッハ第 5 番 アリア/グラナドス:悲しみのマハ/マハ のまなざし/ピアソラ:オブリヴィオン 他/ソプラノ:ロベルタ・マメリリュート・ギター:つのだたかし @Hakuju Hall