新国立劇場バレエ団 Young NBJ GALA 2025

「Young NBJ GALA」初日のマチネとソワレを見た(7月12日土曜14:00,18:30/新国立中劇場)。マチネは1階、ソワレは2階で。以下は簡単なメモ。

[パ・ド・ドゥ集]

『海賊』より/振付:マリウス・プティパ/音楽:リッカルド・ドリーゴ&レオン・ミンクス/出演:堀之内咲希 森本晃介

堀之内はよく踊れる。様式性が増せばさらによい。愉しそうに踊るソワレを見て、踊りが本当に好きなんだなと思った。

森本晃介は姿はよいが、こわごわやってないか。体が硬い? 思い切りがほしい。もっと跳んで! ソワレは多少よくなったがもっとできるはず(亮介に教わって)。

ラ・シルフィード』より/振付:オーギュスト・ブルノンヴィル/音楽:ヘルマン・ルーヴェンシュキョル/出演:東 真帆 李 明賢

東はふわふわの浮遊感にタメもある。ふんわり柔らかな踊り。

李は脚さばきが見事! 両回転はチャレンジを買いたい。ソワレでは脚さばきの高さを見て、胸が一杯に。ジェイムズがシルフィードを捕まえる動きはもっと本気でもよい。のちの悲劇はそこから生まれる。

東と李は(悲劇前の)幸福感を作り出す余裕があった。

2000年に吉田都は本作でヨハン・コボーと共演してる(グァーン役の逸見智彦も素晴らしかった)。ぜひ東と李も全幕で見たい。

白鳥の湖』第3幕より/振付:マリウス・プティパ &レフ・イワーノフ&ピーター・ライト/音楽:ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー/出演:花形悠月 仲村 啓

花形は緊張からか十全でなかった。ソワレは多少よくなった。ただフェッテ前半で落ちそうになり何度も持ちこたえた。根性がある。ただ福田新作を踊ったあとの黒鳥は酷か。

仲村は悪くないがサポートがあまりうまくいかなかった。踊りに何かを出せる点はよいと思う。

『O Solitude』振付:中村恩恵/音楽:ヘンリー・パーセル/衣裳:山田いずみ/照明:足立 恒/振付指導:五月女遥/出演:中島瑞生

『O Solitude』をやった「DANCE to the Future 2013」は宝満の日だけ見たが、まったく覚えてないし、メモも残してなかった。

パーセルの音楽はソプラノにビオラ・ダ・ガンバか。上方にスモークが雲のように漂う。マチネの中島瑞生は悪くないが、ソワレの大木に引き込まれた。すべての動きに意味が宿り、フィクショナルな空間が現出した。自分の腕や脚を〝他者〟のごとく操り動かせる。大木はまず福田作品マチネのルナ役で驚いた。新国立にこんなダンサーが居たのかと。

『The Theory of Reality』振付:福田圭吾/音楽:トラヴィス・レイク/衣裳:幾左田千佳/照明:鈴木武人/出演:大木満里奈 渡邊拓朗 渡邊峻郁ほか 新国立劇場バレエ団

マチネのルナ役大木は、センター奥からチュチュで歩いてくる。それだけで目を見張った。花魁道中を思わせる異形のアウラ。面白い。ローバーの渡邊拓朗は以前より存在感が増した。ザ・サイエンスの渡邊峻郁はサングラスを掛け、イカれた科学者をキレキレの動きと踊りで魅せた。少し白ウサギが入ってたか。

ソワレのルナは吉田明花(はるか)。手脚が長く上背があり、きれいなライン。ルナ(月)らしい。水澄ましみたいに滑る動きで小池ミモザを思い出した。ローバーの森本亮介には驚いた。骨太な踊りと役(さすらい人)を生きるあり方が素晴らしい。見直した。コンテの方が合ってるのか。眼鏡を掛けた米沢は、渡邊とはまったく別キャラ。他の存在(宇宙)をすべて相対化し/ひっくり返す(幕切れのローバーを見よ)動きと踊り。こんな米沢は初めて見た。面白い。

若手ダンサーたちの隠れた才能を活かすよい作品だと思う。

マチネの入りはまずまずだが、ソワレは空席が目立った。営業努力(工夫)の必要がありそうだ。