春祭《こうもり》の楽日を聴いた(4月20日 日曜 15:00/東京文化会館)。
翌日感想ツイートしたが、字数を詰めすぎ下手な俳句まがいの舌足らずに。以下、その連ツイを基に加筆修正したい。
シュトラウス2世:喜歌劇《こうもり》(演奏会形式/全3幕/ドイツ語上演・日本語字幕付)指揮:ジョナサン・ノット/アイゼンシュタイン(バリトン):アドリアン・エレート/ロザリンデ(ソプラノ):
ヴァレンティーナ・ナフォルニツァ(妊娠のため長距離移動を避ける必要からキャンセル 4/8)→アニタ・ハルティヒ/アデーレ(ソプラノ):ソフィア・フォミナ/アルフレート(テノール):ドヴレト・ヌルゲルディエフ/ファルケ博士(バリトン):マルクス・アイヒェ/オルロフスキー公爵(メゾ・ソプラノ):アンジェラ・ブラウアー/ブリント博士(テノール):升島唯博/フランク(バス・バリトン):山下浩司/イーダ(メゾ・ソプラノ):秋本悠希/フロッシュ:志村文彦/管弦楽:東京交響楽団/合唱:東京オペラシンガーズ/合唱指揮:米田覚士/構成:リリ・フィッシャー/主催:東京・春・音楽祭実行委員会/後援:オーストリア大使館/オーストリア文化フォーラム東京/助成:公益財団法人三菱UFJ信託芸術文化財団
序曲の冒頭3音で頬が緩む。好演の予感。歌手はみな高水準で頰がさらに緩む(初台は見習って欲しい)。科白と踊りが重要なオペレッタは演奏会向きとは多分いえない。が、芝居巧者(初台で立証済み)エレートの奮闘や独日語混交の3幕演出に笑いのツボを外さぬ字幕等が功を奏した。舞踊の場はオケが各国の「舞曲」5篇——スペイン、スコットランド、ロシア、ボヘミア、ハンガリー(例のチャルダーシュに収斂)を連ねて奏し代替した。身体の踊りが生み出す狂騒感とは別だが、種々の舞曲が楽しめた。

日本語混じりの芝居と歌で牽引したエレートの他に、ロザリンデの代役ハルティヒは重量級のチャルダーシュで圧倒、アデーレのフォミナはケタケタ笑いと立派な歌唱、アルフレートのヌルゲルディエフは科白はともかく艶っぽい華やかな歌声、師走はファーニナル役で《ばらの騎士》を支えたアイヒェが今春は仕掛け人ファルケ博士で充実の歌芝居、オルロフスキー公爵のブラウアーは華麗なメゾで場を支配(もっと歌が聴きたくなった)、ブリント升島は初台と同役、刑務所長フランクの山下は初め日本人と分からぬほど対話が自然で歌唱は充実、イーダ役の秋本も独語のやりとりが自然で姿が綺麗、フロッシュ志村はいい仕事をした。
東響(コンマス小林壱成)はシャンパンの泡が弾けるには少し重めだが豊麗な響きは魅力的。ノットの棒が要所で軽みも引き出した。
多様な出自の歌手(オーストリア、ルーマニア、ロシア、ドイツ、ドイツ系トルクメニスタン、アメリカ、日本)がイギリス人指揮者と日本の楽団+合唱で《こうもり》特に「兄弟たち、姉妹たち」を和して歌う。時節柄、グッときた。
