コンサート4,バレエ5+1,オペラ1,演劇1,美術展1の計12+1 。いまの自分にはほどよい公演数か。多すぎる?
春祭は《パルジファル》も聴きたかったところだが、ヤノフスキのマッチョな音楽作りは好みでないため回避。ただ、第九よりはるかに好きな《ミサ・ソレ》とあれば聴かない選択肢はない。ノット=東響の《こうもり》は楽しみだ。
メゾソプラノの山下裕賀は、帰省中に NHK ニューイヤーオペラコンサートでセギディーリャ(カルメン)の歌唱を見て(聞いて)、日本にこんな歌手がいたのかと、なまで聴くことにした。しかもオール・ロッシーニだ。どんなアジリタを聴かせてくれるか。
新国立バレエ団の《ジゼル》は初めてコヴェント・ガーデンで上演する前の〝前哨戦〟となる。仕上がりはどうだろう。東バ『眠れる森の美女』は永久メイ(マリインスキー・バレエ団)がオーロラとしてゲスト出演する。どんな踊りを見せてくれるか。
今年のBCJ《マタイ》は吉田志門(RIAS室内合唱団)がエヴァンゲリストを務める。昨年の《ヨハネ》第二稿ではいまひとつ安定感に欠けたが、今回はどうか。
新国立演劇「こつこつプロ」の『夜の道づれ』は3年前に「第二期 3rd.試演会」を見た。主役の石橋徹郎ほか、ほぼ同じ配役だが、重要な熊丸信吉の役が変わっている。舞台がどのように成長しているか見届けたい。
アナキストの大杉栄や和田久太郎らを支援(と共闘)した〝民衆画家〟望月桂(かつら 1887-1975)の企画展が丸木美術館で開かれる。場所はちょっと不便だが、5月17日に開催のシンポジウム(版画家の風間サチコや Chim↑Pomの卯城竜太ほか出演)にも足を運びたい。
4日(金)19:00 東京春祭 ベートーヴェン《ミサ・ソレムニス(荘厳ミサ曲)》ニ長調 op.123/指揮:マレク・ヤノフスキ/ソプラノ:アドリアナ・ゴンサレス/メゾ・ソプラノ:ターニャ・アリアーネ・バウムガルトナー/テノール:ステュアート・スケルトン/バス:タレク・ナズミ/管弦楽:NHK交響楽団/合唱:東京オペラシンガーズ/合唱指揮:エベルハルト・フリードリヒ、西口彰浩/主催:東京・春・音楽祭実行委員会/共催:NHK交響楽団/後援:ドイツ連邦共和国大使館 @東京文化会館
↑本作の〝地上的〟な面白さは再確認できた(ふつうミサやレクイエムは〝天上的〟だが)。「アニュス・デイ」は聞き応えあり。平和の祈りにラッパと太鼓(軍隊)が響くと時節柄さすがにゾクッとする。ただオケ・合唱・ソリスト(尻上がり)の響きがまとまらず。ヤノフスキの限界か。合唱は弱/強音とも熱が感じられない。オケはさほど悪くないしコンマス川崎洋介が(いつもの椅子から半立ちならぬ)実際に立って弾くのを見られたのも嬉しいが、歌手との〝対話〟不足はやはり指揮のせいか。
《ミサ・ソレ》は数年前 BCJの名演を聴き、そのあとN響ともやるはずがコロナで流れたのは本当に残念。鈴木雅明 +BCJ(合唱)+N響でぜひ聴いてみたい。4/4 ツイートに少し加筆修正
6日(日)15:00 浜離宮ベルカント・シリーズ第2弾〈山下裕賀&小堀勇介&池内 響 with 矢野雄太 ~ Baccanale!! ~〉G.ロッシーニ:歌劇《セビーリャの理髪師》より「私は街の何でも屋「(池内),「私の名前を知りたいのなら」(小堀),「金貨を見れば知恵が湧く」(小堀・池内),「今の歌声は」(山下),「それじゃ、私なのね!」(山下・池内),「思いがけないこの衝撃に」(山下・小堀・池内),「もう逆らうのをやめよ」(小堀)/G.ロッシーニ:歌劇《ラ・チェネレントラ》より「むかしむかしある王様が」(山下),「何か分からぬ甘美なものが」(山下・小堀),「静かに!声をひそめて!」(小堀・池内),「あの美しい面影は」(山下・小堀・池内),「必ず彼女を見つけ出すと誓う」(小堀),「むかしむかしある王様が」(山下),「テンポラーレ -嵐-」(ピアノ独奏),「哀しみの涙から生まれて」(山下・小堀・池内)/出演:山下裕賀(メゾソプラノ)、小堀勇介(テノール)、池内 響(バリトン)、矢野雄太(ピアノ)/主催:朝日新聞社/浜離宮朝日ホール @浜離宮朝日ホール
↑山下裕賀&小堀勇介&池内響with矢野雄太@浜離宮《セビーリャ》《チェネレントラ》名場面。バリトン池内は声量十分、ソロもブッファの軽みがあれば更に好い。美声テノール小堀は力まず言葉を大事に歌う。ラミーロの高音は聴衆にでなく天上に響かせる声を聞きたい。アジリタ巧みなメゾ山下の「哀しみ」で初めて頬が緩んだ。
ピアノ矢野の、正確さより勢い優先の弾き方は好いが、歌手に寄り添う柔軟性とタメが加われば、ロッシーニ的快楽が更に増したのではないか。指揮もやるなら尚更だ。4/6 ツイートに少し加筆修正
【追記】テノール小堀勇介は新国立劇場オペラ研修所時代《コジ・ファン・トゥッテ》短縮版後半のフェルランド(2012)と《セヴィリアの理髪師》のアルマヴィーヴァ伯爵(2014)を聴いている。もう十年余り経つのか。4/11 ツイート
8日(火)企画展「望月 桂 自由を扶くひと」共催:安曇野市教育委員会/企画:望月桂調査団(代表:足立元)/助成:日本学術振興会科学研究費助成事業、サントリー文化財団、公益財団法人小笠原敏晶記念財団/JSPS科研費 JP24K00022助成/協力:安曇野市美術館 安曇野市文書館 ANOMALY 無人島プロダクション/特別協力:望月 透/タイトルロゴ:風間サチコ、展示空間監修:卯城竜太、映像制作:松田 修 @丸木美術館

↑11年振りの丸木美術館。前回は「木下晋」展で今度は「望月桂」展。東松山駅からのバス経路が変わり徒路も長めだが、長閑な景色が楽しめた。
足立元に参集の「望月桂調査団」は3年前から望月家の蔵を徹底調査。「自由を扶くひと 望月桂」展はその集大成(のひとつ)らしい。タイトルとロゴはさすがの風間サチコ考案。

望月作品は小松隆二『大正自由人物語—望月桂とその周辺』、図録『民衆美術運動の唱道者 望月桂展』、復刻版『漫文漫画』等で知るのみ。本展では作品110点+資料17点が7章に区分け展示されている。実物は違う。付された「解説」は読み応えありだが時間がかかるため途中から拾い読み(ネットで閲覧可)。
油彩、水彩、墨、漫画等々。気づけば2時間経ち閉館間際。墨や水彩で速描した一連の風刺画は時代を刺す鋭さとユーモアが共存してる。情動を喚起するコルヴィッツばりの木炭コンテ画「Hospitalo(病院)」「Ftizo(結核)」も好い。義妹しげを描いた「風船」の質感。
故郷を描いた油彩の風景画、特に戦後の女子校教員時代の素朴な描き振りにも惹かれる。和田久太郎の遺言「死灰で月見草をあの世から咲かせたい」を実行し、押し花を有縁の人々に送った望月。そのクリアな押し花写真もあった。
美術館裏の都幾川の堤から臨む景色は美しい。11年前冬枯れの風景に見惚れたが、この日は鶯の声を聞きつつ桜や菜の花が咲き揃う春景を堪能。帰りはつきのわ駅まで歩いた。無料配布の『自由を扶くひと 望月桂』ZINEは充実してる。足立元『アナキズム美術史』を注文。5月のシンポジウムまでに読もう。4/10のツイートに少し加筆修正
10日(木)19:00 新国立劇場バレエ団『ジゼル』振付:ジャン・コラリ&ジュール・ペロー&マリウス・プティパ/演出:吉田 都/ステージング&改訂振付:アラスター・マリオット/音楽:アドルフ・アダン/美術&衣裳:ディック・バード/照明:リック・フィッシャー/ジゼル:小野絢子/アルブレヒト:福岡雄大/ヒラリオン:木下嘉人/ミルタ:吉田朱里/ペザント パ・ド・ドゥ:奥田花純&水井駿介/指揮:ポール・マーフィー/冨田実里[指揮日程の分担は未定]/管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団 @新国立劇場オペラハウス
12日(土)13:30 新国立劇場バレエ団『ジゼル』ジゼル:柴山沙帆/アルブレヒト:速水渉悟/ヒラリオン:渡邊拓朗/ミルタ:山本涼杏/ペザント パ・ド・ドゥ:五月女遥&森本亮介 @新国立劇場オペラハウス
12日(土)18:00 新国立劇場バレエ団『ジゼル』ジゼル:米沢唯/アルブレヒト:井澤駿/ヒラリオン:中家正博/ミルタ:根岸祐衣/ペザント パ・ド・ドゥ:飯野萌子&山田悠貴 @新国立劇場オペラハウス
15日(火)19:00 新国立劇場演劇 こつこつプロジェクト Studio公演『夜の道づれ』作:三好十郎/演出:柳沼昭徳/照明:鈴木武人/音響:信澤祐介/衣裳:山野辺雅子/ヘアメイク:高村マドカ/舞台監督:川除 学/出演:石橋徹郎 金子岳憲 林田航平 峰 一作 滝沢花野 @新国立小劇場
17日(木)19:00 N響 #2035 定演〈B-1〉ストラヴィンスキー:バレエ音楽「ペトルーシカ」全曲(1947年版)/ブリテン:ピアノ協奏曲 作品13/プロコフィエフ:交響組曲「3つのオレンジへの恋」作品33bis/指揮:パーヴォ・ヤルヴィ/ピアノ(ブリテン):ベンジャミン・グローヴナー/ピアノ(ストラヴィンスキー):松田華音 @サントリーホール

↑金曜は BCJ《マタイ》とダブり木曜に振替た。やはり初日は好い。ストラヴィンスキー《ペトルーシカ》は色彩豊かな響き。Tp. Fl. Cl. の闊達なソロ、華音のPf.が嬉々と弾み、奥村 池田 中家のバレエ舞台が蘇る。
ブリテン《ピアノ協奏曲》「トッカータ」は Pf.のグリッサンドが鮮やか。「ワルツ」で村上の艶やかな Va.に Pic. Cl.が絡み(途中左バルコニーでバリトンの声?)、「即興曲」はパッサカリアか、「マーチ」はプロコ風に不穏さも。

プロコフィエフ 交響組曲《3つのオレンジへの恋》馴染みの「マーチ」は「シンデレラ」より厚い響き、しっとり感の「王子と王女」でもVa.ソロが聴けた。
20世紀前半に「並外れて鋭い演劇的な感性」(向井大策)を有した作曲家の三曲。ヤルヴィの冷静な棒は、爆発こそないが、調った自発的な響きを引き出したと思う。4/18ツイート
18日(金)18:30 BCJ #166 定演 受難節コンサート2025 J. S. バッハ《マタイ受難曲》BWV 244/指揮:鈴木雅明/エヴァンゲリスト:吉田志門/ソプラノ:ハナ・ブラシコヴァ、安川みく/アルト:マリアンネ・ベアーテ・キーラント、青木洋也/テノール:櫻田 亮/バス:ヨッヘン・クプファー、加耒 徹/合唱・管弦楽:バッハ・コレギウム・ジャパン @オペラシティコンサートホール タケミツメモリアル→感想メモ
19日(土)18:00 新国立劇場バレエ団『ジゼル』ジゼル:米沢 唯/アルブレヒト:井澤駿/ヒラリオン:中家正博/ミルタ:吉田朱里/ペザント パ・ド・ドゥ:飯野萌子&山田悠貴@新国立劇場オペラハウス
20日(日)15:00 東京春祭 J. シュトラウス2世:喜歌劇《こうもり》(全3幕/ドイツ語上演・日本語字幕付)指揮:ジョナサン・ノット/アイゼンシュタイン(バリトン):アドリアン・エレート/ロザリンデ(ソプラノ):ヴァレンティーナ・ナフォルニツァ(妊娠のため長距離移動を避ける必要からキャンセル 4/8)→アニタ・ハルティヒ/アデーレ(ソプラノ):ソフィア・フォミナ/アルフレート(テノール):ドヴレト・ヌルゲルディエフ/ファルケ博士(バリトン):マルクス・アイヒェ/オルロフスキー公爵(メゾ・ソプラノ):アンジェラ・ブラウアー/ブリント博士(テノール):升島唯博/フランク(バス・バリトン):山下浩司/イーダ(メゾ・ソプラノ):秋本悠希/フロッシュ:志村文彦/管弦楽:東京交響楽団/合唱:東京オペラシンガーズ/合唱指揮:米田覚士/構成:リリ・フィッシャー/主催:東京・春・音楽祭実行委員会/後援:オーストリア大使館/オーストリア文化フォーラム東京/助成:公益財団法人三菱UFJ信託芸術文化財団 @東京文化会館→感想メモ
【25日(金)18:30 東京バレエ団『眠れる森の美女』全3幕 プロローグ付/オーロラ姫:秋山 瑛/デジレ王子:大塚 卓/リラの精:中島瑛理子/悪の精カラボス:伝田陽美 @東京文化会館】←追加
28日(月)14:00 東京バレエ団『眠れる森の美女』全3幕 プロローグ付/音楽:ピョートル・チャイコフスキー/台本:イワン・フセヴォロシスキー、マリウス・プティパ(シャルル・ペローの童話に基づく)/原振付:マリウス・プティパ/新演出・振付:斎藤友佳理/ステージング・アンド・プロダクション・コンセプト:ニコライ・フョードロフ/舞台美術:エレーナ・キンクルスカヤ/衣裳デザイン:ユーリア・ベルリャーエワ/オーロラ姫:永久メイ(ゲスト)/デジレ王子:宮川新大/リラの精:榊 優美枝子/悪の精カラボス:柄本 弾/指揮:ベンジャミン・ポープ/演奏:東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団/主催:公益財団法人日本舞台芸術振興会/後援:一般社団法人日本バレエ団連盟 @東京文化会館