第17回 世界バレエフェス 全幕特別プロ『ラ・バヤデール』2日目 2024

NBS の『ラ・バヤデール』2日目を見た(7月28日 日 15:00/東京文化会館)。ごく簡単にメモする。

振付・演出:ナタリア・マカロワマリウス・プティパ版による)/音楽:ルトヴィク・ミンクス/編曲:ジョン・ランチベリー(マリオ・ボワ出版)/舞台美術:ピエール・ルイジ・サマリターニ/衣裳:ヨランダ・ソナベント

指揮:ワレリー・オブジャニコフ/演奏:東京フィルハーモニー交響楽団/協力:東京バレエ団OB,東京バレエ学校

委託:令和6年度日本博2.0事業(委託型)/特別協賛:株式会社コーセー/主催:公益財団法人日本舞台芸術振興会,独立行政法人日本芸術文化振興会文化庁/後援:外務省,各国大使館

[主演]ニキヤ:オリガ・スミルノワ/ソロルキム・キミン(所属するマリインスキー劇場のスケデュール変更に伴い降板)→ヴィクター・カイシェタ(オランダ国立バレエ)/ガムザッティ:伝田陽美/ハイ・ブラーミン(大僧正):柄本 弾/マグダヴェーヤ(苦行僧の長):井福俊太郎/ブロンズ像:池本祥真

マカロワ版は初めて。オケは今春同じ演目で初台のピットに入った東フィル。聞き慣れない声部があると思ったら、案の定ランチベリーの編曲だ(牧版の編曲は3幕だけだと思う)。それを割り引いても、4月より好い音してる。オブジャニコフの指揮のせいか。冷静な指揮振りで、よい音を引き出していた。それともオケの動機(待遇)が違うのか。チェロのソロは金木さんだと思うが、たっぷり弾いていた。コンマスは三浦さん? 2幕のソロは初台のときよりよくなった。

ニキヤのスミルノワはザハロワとヴィシニョーワを合わせた感じ。一幕はあまりピンとこない。二幕のチュチュはさすがによかった。ソロルはキム・キミンを見たかったけど(といってもほとんど知らない)代役のカイシェタは前に長久メイと組んでたらしい。ちょっと締まりがない印象で戦士に見えない。一幕のリフトで腰砕けしたのはトレーニング不足か。それより、ガムザッティの伝田陽美は初めて見たが、素晴らしい。技術も演技も質が高いし、ニキヤとの遣り取りは強度が高く、三幕のソロには脱帽した。こんなバレリーナがいたのか。チェロのソロで踊ったけど、あの音楽はニキヤのソロの〝恨み節〟と同じ和音進行に聞こえた。ランチベリーの創作なのか。ブロンズ像の池本祥真は思い切りのよい踊り。好いと思う。東京バレエ団のダンサーたちはみな整っていて好印象。かつての東バとはまったく違う。