8月のフィールドワーク予定 2020【加筆・修正】

 5ヶ月ぶりに生のオーケストラを聴いた。このかたちでBCJ の《マタイ受難曲》を体験したのは偶然だが、必然のようにも感じる。《マタイ》は一番好きな楽曲だ。感染防止のため器楽と合唱の配置が入れ替わり、奏者・歌手間もかなり距離がある。が、特に違和感はなかった【ヴァイオリン群が奥上段に移動したため、音色がいつもよりまろやかな印象】。海外からアーティストを呼べないため、日本人のみの《マタイ》。これも初めてだった。久々に鈴木秀美のチェロが聴けた。とはいえ、通奏低音だからソロがあるわけでもないが、やはり好い。どこが? とにかく音が生きている。他にいいようがない。雅明氏のテンポはいつもより遅めの印象。物理的な距離を考慮してか、それとも内的必然性か。エヴァンゲリスト櫻田亮は昼夜連続で心配したが、見事な歌いぶり(時として感情のうねりが歌唱をはみ出しそうで少しハラハラしたがこれこそ生の好さだ)。【イエスの加耒徹はノーブルでありながら実によく通る歌声。レチタティーヴォは以前から好かったが、近年はアリアでも真価を発揮している。】若手の女性アルト(布施奈緒子)やカウンターテナー(久保法之)のアリアは新鮮だった。森麻季は、バッハを歌い慣れたメンバーとはやや異なる感触(モーツァルトだとさほど感じない)だが、菅きよみのフラウト・トラヴェルソは、今回もこころ揺さぶられる美しさでソプラノを支えた。終曲後、これほど沈黙が保たれたのは珍しい! カーテンコールが終わっても拍手は止まず、再登場した鈴木氏らに聴衆はスタンディングで感謝を表した。/大和シティーバレエは、米沢唯の出演が決まったと教えられ、行くことに。

3日(月)18:30 BCJ # 137定演《マタイ受難曲》(4月10日の延期公演)/指揮:鈴木雅明/福音史家:櫻田 亮/イエス:加耒 徹/ソプラノ:森 麻季、松井亜希/アルト:青木洋也、久保法之/テノール:中嶋克彦、谷口洋介/バス:浦野智行、渡辺祐介/オーケストラ&合唱:バッハ・コレギウム・ジャパン @オペラシティ・コンサートホール タケミツメモリアル

14日(金)18:00 大和シティーバレエ 夏季公演「SUMMER CONCERT 2020 想像×創造」[日本の怪談4部作]耳なし芳一振付:熊谷拓明 出演:熊谷拓明 他/『牡丹灯篭』振付:池上直子 出演:菅井円加 → 米沢 唯◇、宝満直也★ 他/『雪女』振付:中原麻里 出演:小野絢子◇、福田圭吾◇ 他/『死神』振付:福田紘也◇ 出演:本島美和◇、福岡雄大◇、五月女 遥◇ 他[ネオクラシック]『Scarlatti Pas de deux』振付:J. Martinez 出演:大谷遥陽◆、松井学郎♧「『NYX』よりルナティック」振付:中原麻里 出演:五月女 遥◇、渡邊峻郁◇/『Contact』振付:木下嘉人◇ 出演:米沢 唯◇、木下嘉人◇、相原 舞、古尾谷莉奈、林田翔平☆、森田維央/[奏者]ピアノ:榎本真弓 → 大滝 俊和 太鼓:小林太郎 琵琶:鎌田薫水/[大和シティーバレエ]萩原ゆうき、橋本侑佳、稲葉由佳利、牧 祥子、窪田夏朋、刀袮平美咲/[Dancer]山田歌子◇、成田 遥、金田優香、盆子原美奈、大上のの、加藤美羽、新名かれん、八幡顕光♣︎、牧村直紀●、渡邊拓朗◇、小出顕太郎、細野 生♤、望月寛斗/YCBアプレンティス/SBA Jr.カンパニー/[凡例]◇新国立劇場バレエ団、○ハンブルク・バレエ、◆スペイン国立ダンスカンパニー、★NBAバレエ団、♣︎ロスアンゼルス・バレエ、♧ノルウェー国立バレエ、●谷桃子バレエ団、☆スターダンサーズ・バレエ団、♤牧阿佐美バレヱ団 @大和市シリウスホール

23日(日)15:00 新国立劇場『Super Angels スーパーエンジェル』[新制作]創作委嘱作品・世界初演/全1幕〈日本語上演/日本語及び英語字幕付〉企画監修・指揮:大野和士/台本:島田雅彦/作曲:渋谷慶一郎/演出:小川絵梨子/総合舞台美術(装置・衣裳・照明・映像監督):針生 康/映像:ウィアードコア/振付:貝川鐵夫/舞踊監修:大原永子[キャスト]【ゴーレム3】オルタ3 (Supported by mixi, Inc.)/アキラ:藤木大地/エリカ:三宅理恵/ジョージ:成田博之/ルイジ:小泉詠子/世田谷ジュニア合唱団+練馬児童合唱団+新国立劇場合唱団ほか/渡邊峻郁、木村優里、渡辺与布、中島瑞生、渡邊拓朗(新国立劇場バレエ団)/管弦楽東京フィルハーモニー交響楽団新国立劇場オペラハウス