3月のフィールドワーク予定 2018【追加】

木下順二(1914-2006)の「神と人とのあいだ」二部作は「軍部権力者と民衆自身の戦争責任を追及」した戯曲(帯文)。東京裁判を扱った第一部『審判』(初演1970)の再演は2006年に見たが、第二部『夏・南方のローマンス』(初演1987/再演2013)は未見だった。しかも今回は初めての連続上演。どんな演劇体験になるのか。木下が描いた時代と重なる敗戦翌年、バレエ『白鳥の湖』が日本で初めて全幕上演された。舞台美術は藤田嗣治(1886-1968)だが、原画は失われていた。それが、故佐野勝也氏の調査・研究に基づき復活される。藤田といえば、例の乳白色より、一連の圧倒的な戦争画大東亜戦争記録画)が頭に浮かぶ。サイパン島での玉砕を描いた「サイパン島同胞臣節を完うす」は1945年の作。その翌年(つまり画壇から「戦争責任」を厳しく問われていたさなかに)手がけた「白鳥」の舞台美術が蘇るのだ。全面降伏を受け入れる数ヶ月前の3月10日、東京は大規模な空襲に遭った。甚大な被害を受けた墨田区では、毎年この日に平和記念コンサートを開催している。今回は広島交響楽団を招いたコンサートも。恒例のBCJによる《マタイ受難曲》では、近年目覚ましく進化した櫻田亮エヴァンゲリストを務める(先日BSプレミアムパゾリーニの『奇跡の丘』[原題 マタイによる福音書]を見た。「受難曲」の違った側面が聞き取れるかも知れない)。今月は敗戦後のチャンギ刑務所を描いた鄭義信の『赤道の下のマクベス』や人間とロボットとの境界線の問題を扱う平田オリザのロボット(アンドロイド)演劇もある。こうしてみると、戦争の加害/被害について想起しつつ「人間とは何か」考える月になりそうだ。

3日(土)13:30 劇団民藝 木下順二「神と人とのあいだ 第一部」『審判』演出:兒玉庸策/出演:内藤安彦、水谷貞雄、伊藤孝雄、安田正利 他/装置:島 次郎/照明:前田照夫/衣裳:緒方規矩子/効果:岩田直行/擬闘指導:森岡隆見 @紀伊國屋サザンシアター
3日(土)18:30 劇団民藝 木下順二「神と人とのあいだ 第二部」『夏・南方のローマンス』演出:丹野郁弓/出演、齊藤尊史、塩田泰久、桜井明美、中地美佐子 他 @紀伊國屋サザンシアター
6日(火)18:30 東京シティ・バレエ団 創立50周年記念公演白鳥の湖指揮:大野和士/オデット オディール:ヤーナ・サレンコ(ベルリン国立バレエ団 プリンシパル)/ジークフリード王子:ディヌ・タマズラカル(ベルリン国立バレエ団 プリンシパル)/芸術監督:安達悦子/演出・振付:石田種生/演出(再演):金井利久/演出助手:中島伸欣/美術:藤田嗣治/美術製作:堀尾幸男/照明:足立恒/衣裳:小栗菜代子/管弦楽東京都交響楽団東京文化会館
7日(水)18:30 『赤道の下のマクベス』作・演出:鄭 義信/美術:池田ともゆき/照明:笠原俊幸/音楽:久米大作/音響:福澤裕之/衣裳:半田悦子/キャスト:池内博之、浅野雅博、尾上寛之、丸山厚人、平田 満、木津誠之、チョウ ヨンホ、岩男海史、中西良介 @新国立小劇場
8日(木)18:30 新国立劇場オペラ研修所 修了公演 オペラ《イル・カンピエッロ》作曲:エルマンノ・ヴォルフ=フェッラーリ/原作:カルロ・ゴルドーニ/台本:マーリオ・ギザルベルティ/指揮:柴田真郁/演出・演技指導:粟國 淳(オペラ研修所演出主任講師)/ガスパリーナ:宮地江奈/ ドナ・カーテ:水野 優/ルシエータ:砂田愛梨/:ドナ・パスクア:濱松孝行/ニェーゼ:吉田 美咲子/オルソラ:十合翔子/ゾルゼート:荏原孝弥/アンゾレート:氷見 健一郎/アストルフィ:高橋正尚/ファブリーツィオ:清水 那由太/管弦楽:新国立アカデミーアンサンブル/エレクトーン:西岡 奈津子/合唱:国立音楽大学昭和音楽大学桐朋学園大学武蔵野音楽大学 有志 @新国立中劇場
9日(金)14:00 ロボット演劇「働く私」/アンドロイド演劇「さようなら」作・演出:平田オリザ/テクニカルアドバイザー:石黒 浩(大阪大学ATR石黒浩特別研究所)/出演「働く私」:「ロボビーR3」2体、井上三奈子、海津 忠 「さようなら」:藝大オリジナル・アンドロイド、菊池佳南、伊藤 毅、井上三奈子(アンドロイドの動き・声)/舞台監督:中西隆雄/舞台美術:杉山 至・照明:井坂 浩/衣裳:正金 彩・ロボット側ディレクター:力石武信(東京藝術大学COI拠点/大阪大学 石黒研究室)/ロボット操作:あごうさとし(「働く私」)@浜離宮朝日ホール 小ホール
10日(土)18:00 すみだトリフォニーホール開館20周年記念 すみだ平和祈念コンサート2018《すみだ×広島》ドヴォルザーク:ヴァイオリン協奏曲*/ブラームス交響曲第1番 指揮:上岡敏之/ヴァイオリン:大江 馨*/新日本フィルハーモニー交響楽団 @すみだトリフォニーホール
11日(日)13:00 2018都民芸術フェスティバル参加公演 バレエ『ライモンダ』全幕/音楽:アレクサンドル・グラズノフ/原振付:マリウス・プティパ/新振付/演出:エリダール・アリーエフ(ウラジオストクマリインスキー劇場バレエ芸術監督)/ライモンダ:米沢 唯/ジャン・ド・ブリエンヌ:芳賀 望/指揮:アレクセイ・バクラン/オーケストラ:ジャパン・バレエ・オーケストラ @東京文化会館大ホール
11日(日)18:00 バレエ『ライモンダ』全幕/ライモンダ:酒井はな/ジャン・ド・ブリエンヌ:浅田良和 @東京文化会館大ホール
13日(火)14:00 劇団銅鑼 創立45周年記念公演『おとうふコーヒー』作:詩森ろば/演出:青木 豪/美術:田中敏恵/照明:杉本公亮/音楽:後藤浩明/音響:青木タクヘイ/衣裳:山田靖子/出演:千田隼生、谷田川さほ、三田直門、井上太、久保田勝彦、栗木 純、竹内奈緒子、深水裕子、齋藤千裕、早坂聡美、大竹直哉 @東京芸術劇場シアターイース
14日(水)19:00 ドニゼッティ愛の妙薬指揮:ギレルモ・ガルシア・カルヴォ/演出:チェーザレ・リエヴィ/美術:ルイジ・ペーレゴ/衣裳:マリーナ・ルクサルド/照明:立田雄士/再演演出:澤田康子/舞台監督:郄橋尚史/アディーナ:ルクレツィア・ドレイネ/モリーノ:サイミール・ピルグ/ベルコーレ:大沼 徹/ドゥルカマーラ:レナート・ジローラミ/ジャンネッタ:吉原圭子/合唱:新国立劇場合唱団/管弦楽東京フィルハーモニー交響楽団新国立劇場オペラハウス
17日(土)14:00 大駱駝艦・天賦典式『罪と罰』振鋳・演出・美術:麿 赤兒/照明:森 規幸/音響:久保勇介/衣裳:堂本教子/舞台監督:中原和彦/出演:村松卓、田村一行、松田篤史、塩谷智司、湯山大一郎、若羽幸平、小田直哉、阿目虎南、金 能弘、坂詰健太、荒井啓汰、我妻恵美子、高桑晶子、鉾久奈緒美、藤本 梓、梁 鐘譽、伊藤おらん、齋門由奈、谷口 舞 @新国立中劇場
19日(月)19:00 上岡敏之ピアノリサイタル 曲目未定 @すみだトリフォニーホール
【22日(木)谷川俊太郎展」東京オペラシティ アートギャラリー】
27日(火)19:00 THE DUET〜中村恵理(ソプラノ)&藤木大地(カウンターテナー ヘンデル:いとしい人!美しい人! (歌劇 《ジュリアス・シーザー》 HWV17より)【中村&藤木】オンブラ・マイ・フ (歌劇 《セルセ》 HWV40 より)〔藤木〕/モーツァルト:あけてよ、早く! (歌劇 《フィガロの結婚》 K.492 より)〔中村&藤木〕ぶってよ、マゼット (歌劇 《ドン・ジョヴァンニ》 K.527 より)〔中村〕気のすむようにお命じなさい (歌劇 《皇帝ティートの慈悲》 K.621 より)〔中村&藤木〕/ロッシーニ:ああ、あの日をたえず思い出す (歌劇 《セミラーミデ》 より)〔藤木〕/グノー:宝石の歌 (歌劇 《ファウスト》 より)〔中村〕オッフェンバック:美しい夜、おお恋の夜よ (歌劇 《ホフマン物語》 より)〔中村&藤木〕/J.シュトラウス2世:僕はお客を呼ぶのが好きだ (喜歌劇 《こうもり》 より)〔藤木〕/フンパーディンク:夕べの祈り (歌劇 《ヘンゼルとグレーテル》 より)〔中村&藤木〕/プッチーニ:私が街を歩くと(歌劇 《ラ・ボエーム》より)〔中村〕/マスカーニ:間奏曲 (歌劇 《カヴァレリア・ルスティカーナ》 より)〔園田Solo〕/別宮貞雄:さくら横ちょう〔藤木〕中田喜直:さくら横ちょう〔中村〕/ダヴ:夜明けだが、まだ暗い (歌劇 《フライト》 より)〔藤木〕ヴェルディ:そはかの人か [試聴] 〜花から花へ (歌劇 《椿姫》 より)〔中村〕/ヘンデル:あなたの面差しは優美に溢れ (歌劇 《リナルド》 HWV7より)〔中村&藤木〕/ピアノ:園田隆一郎 @上野学園 石橋メモリアルホール
30日(金)18:30 BCJ 第127回定期演奏会マタイ受難曲BWV 244 全曲 指揮:鈴木雅明/ソプラノ: レイチェル・ニコルズ、澤江衣里/アルト: クリント・ファン・デア・リンデ、藤木大地/エヴァンゲリスト:櫻田 亮/テノール: 中嶋克彦/バス: シュテファン・フォック(イエス)、加耒 徹/合唱・管弦楽バッハ・コレギウム・ジャパン東京オペラシティ コンサートホール タケミツメモリアル
31日(土)14:00 新日本フィル #586 定期演奏会 シューベルト交響曲第5番 変ロ長調 D485/バルトーク:ヴァイオリン協奏曲第2番 BB117/Sz.112*/シューマン交響曲第1番 変ロ長調 op.38 「春」/指揮:上岡敏之/ヴァイオリン:豊嶋泰嗣*(NJP ソロ・コンサートマスター)@すみだトリフォニーホール