ラ・ヴェネクシアーナのモンテヴェルディ《ポッペーアの戴冠》

ラ・ヴェネクシアーナによる《ポッペーアの戴冠》を聴いた(10月15日 18:30/東京オペラシティコンサートホール)。簡単なメモ。

モンテヴェルディ作曲 歌劇《ポッペーアの戴冠》コンサート・スタイル/原語(イタリア語)上演/日本語字幕付
ラ・ヴェネクシアーナ(指揮・音楽監督: クラウディオ・カヴィーナ)
≪キャスト≫
ポッペーア: ロベルタ・マメリ (ソプラノ)
ネローネ(ローマ皇帝ネロ): マルゲリータ・ロトンディ (メゾ・ソプラノ)
オットーネ: ラファエレ・ピ (カウンターテナー)
オッターヴィア: セニア・マイヤー (メゾ・ソプラノ)
セーネカ: サルヴォ・ヴィターレ (バス)
アルナルタ: アルベルト・アレグレッツァ (テノール)
乳母/兵士/執政官: アレッシオ・トシ (テノール)
ドルシッラ/美徳: フランチェスカ・カッシナーリ (ソプラノ)
ヴァレット/運命/ヴェネレ/パッラーデ: アレッサンドラ・ガルディーニ (ソプラノ)
愛/待女: フランチェスカ・ボンコンパーニ (ソプラノ)
兵士/ルカーノ/自由奴隷: ラファエレ・ジョルダーニ (テノール)
メルクーリオ/警史/執政官: マウロ・ボルジョーニ (バリトン)

≪器楽≫
エフィックス・プレオ <ヴァイオリン>
ダニエラ・ゴディオ <ヴァイオリン>
ルカ・モレッティ <ヴィオラ>
懸田 貴嗣 <バッソ・ディ・ヴィオリーノ>
アルベルト・ロ・ガット <ヴィオローネ>
ガブリエレ・パロンバ <アーチリュート>
キアラ・グラナータ <ハープ>
クラウディオ・カヴィーナ <チェンバロ>

主催:アレグロミュージック
共催:公益財団法人 東京オペラシティ文化財
後援:イタリア大使館/イタリア文化会館/株式会社東京エムプラス

伝統芸能を見ているような感じ。日本の義太夫節等を連想。人間が抱く様々な感情を音楽で、というか人間の声、歌で表出する。筋はそのための道具にすぎない。そんな感じ。ラストの苦しみも死もない世界。ラブラブの世界が見事に音楽化されている。聴いていると、身体がゆるーく、甘やかになる。
タイトルロールのロベルタ・マメリは表現と音域のレンジがかなり広い。吹き込まれる息の量も半端ではない。ネローネ役のマルゲリータ・ロトンディは硬質の声。もっと強くてもよい。オッターヴィアを歌ったセニア・マイヤーは美声ではないがよい仕事をした。強い意志を感じる。セーネカのサルヴォ・ヴィターレは哲学者らしい深い声。アルナルタ役のアルベルト・アレグレッツァは芝居っ気も歌唱もたっぷりで、ステージの空気を変えた。
指揮・チェンバロ音楽監督)のカヴィーナは聴衆の大きな喝采に、最終場のアンコールで応えてくれた。