新国立劇場ダンスBプログラム「Shakespeare THE SONNETS」再演

中村恩恵×首藤康之の「Shakespeare THE SONNETS」再演を観た(10月9日 19:00/新国立中劇場)。
この日は13時から『エドワード二世』の初日を小劇場で観たのち中劇場へ。

<Bプログラム>Shakespeare THE SONNETS
構成・演出・出演:中村恩恵首藤康之
振付:中村恩恵
音楽:ディルク・P・ハウブリッヒ
照明:足立 恒
音響:内田 誠
衣裳協力:株式会社ヨウジヤマモト
舞台監督:黒澤一臣


アーティスチック・コンサルタント:デヴィッド・ビントレー
主催:新国立劇場
平成25年度(第68回)文化庁芸術祭協賛公演


初演時(2011年9月)は高く評価されたらしい。私も見たが、あまり面白くなかった。今回も変わらない。「小さな家」より作品としてまとまっていることはよく分かる。だが、シェイクスピアの『ソネット集』はわりあい親しんできた詩集で、その分〝先入観〟があるためか、どうもピンとこない。全般的に一本調子な点も気になる。
舞台は暗闇に包まれており、正面奥に蝋燭の火が灯された鏡台、下手にデスク、上手にボディスタンドがほのかに見える。
全3場でその都度、詩人(首藤康之)が〝見立て〟で本を開き、『ソネット集』の一節を読み上げる(小田島雄志訳)。その後、『ソネット集』で言及される美青年やダークレディをはじめ、二人のダンサーが戯曲の登場人物などに扮して寸劇というかダンスを繰り広げる。闇のなかで。たとえば『オセロー』や『ヴェニスの商人』のキャラクターがそれらしい動きを見せるのだが、特に驚きも発見もない。オセローとデズデモーナの踊りは音楽を含め既視(聴)感があるし、シャイロックにいたっては金だけか、と思ってしまう。タイテーニアがパックの魔法により驢馬に擬した洋服のボディスタンドに抱きつくシーンは今回も面白かったが。The Sonnets といえばやはり三角関係を期待するが、それはない(二人では物理的に無理なのか)。また、第3場で朗読される詩は、詩集の第3番冒頭部――「鏡をみてそこに映るあなたの顔にいいなさい。今こそ、その顔がもう一つの顔を作るときだと」。これは、詩人が美青年に、結婚して子孫を残すよう勧める趣旨のもの。だが、展開されるダンスはそこから逸脱。あえてそうしたのかも知れない。それはよい。
だが、全般的に、自分たちが「分かったこと」を動きや踊りに還元しているように感じるのだ。ゆえにスノビッシュな臭いも。どうやら私は、「分からない」「理解できない」がゆえに創作したものを見たいらしい。「小さな家」には多少なりとも後者の感触があった。