オペラ

2014新国立劇場オペラ《ドン・カルロ》

これも年が変わる前にアップする。《ドン・カルロ》再演の初日を観た(11月27日 18:30/新国立オペラ劇場)。 プロダクションの初演は2006年9月。 《ドン・カルロ》全4幕〈イタリア語上演/字幕付〉 作曲:ジュゼッペ・ヴェルディ 原作:フリードリヒ・フォ…

2014新国立劇場オペラ[新制作]《パルジファル》

2ヶ月半前、書き殴ったメモをブログの下書き欄に打ち込みかけたが、あの頃かなり忙しく、今日まで放置してしまった。大晦日のいま続けようとしたら、舞台の記憶が薄れているうえに我ながらひどい悪筆で解読できない箇所がけっこうある。公演直後ならメモに…

北とぴあ国際音楽祭2014 歌劇《プラテ》セミ・ステージ形式

ラモーの歌劇《プラテ》を観た(11月7日 19時/北とぴあ さくらホール)。 ラモー没後250年記念 歌劇《プラテ》(初演:1745年ヴェルサイユ/1749年パリ・オペラ座) セミ・ステージ形式/フランス語上演/日本語字幕付 作曲:ジャン=フィリップ・ラモー(1…

ラ・ヴェネクシアーナのモンテヴェルディ《ポッペーアの戴冠》

ラ・ヴェネクシアーナによる《ポッペーアの戴冠》を聴いた(10月15日 18:30/東京オペラシティコンサートホール)。簡単なメモ。 モンテヴェルディ作曲 歌劇《ポッペーアの戴冠》コンサート・スタイル/原語(イタリア語)上演/日本語字幕付 ラ・ヴェネクシア…

NNTT Young Opera Singers Tomorrow 2014/「オペラ・ガラ・コンサート」の名に恥じぬ内容

新国立劇場オペラ研修生によるオペラ・ガラ・コンサートを聴いた(12月23日 14時/新国立中劇場)。 出演:オペラ研修所研修生第15期生、第16期生、第17期生 ピアノ:河原忠之(オペラ研修所音楽主任講師) オペラ研修所長:永井和子 モーツァルト作曲『フィ…

サブスクリプション公演の充実/新日本フィル・新国立劇場オペラ・BCJ・ファナーレ

月曜から土曜までの六日間で五つの公演を観(聴い)た。ジャンルはコンサートとオペラ。 9月29日(月)新日本フィル #530 定演(メッツマッハー指揮)ツィンマーマン:大オーケストラのためのプレリュード『フォトプトシス』日本初演/『ユビュ王の晩餐のた…

新国立劇場 演劇『三文オペラ』初日

『三文オペラ』の初日を観た(9月10日 19時/新国立中劇場)。 作:ベルトルト・ブレヒト 音楽:クルト・ヴァイル 翻訳:谷川道子 演出:宮田慶子 音楽監督:島 健 美術:池田ともゆき/照明:沢田祐二/音響:渡邉邦男/衣裳:半田悦子/歌唱指導:伊藤和美…

新国立劇場オペラ研修所 試演会《秘密の結婚/ラ・ボエーム》(抜粋上演)/新所長と新音楽主任講師に期待する

オペラ試演会《秘密の結婚/ラ・ボエーム》(抜粋上演)を観た(8月2日 14時/新国立小劇場)。 研修所長:永井和子 指揮:河原忠之(音楽主任講師) 永井和子の所長就任は知っていたが、河原忠之が音楽主任講師に着任したのは初耳だった。彼の音楽との出会…

本ブログの“引用”について2(報告)

6月4日付け「本ブログの“引用”について」で記した一件が、本日、いちおう決着した。 一月前のあの時点では「似た書き方をする」とか「本ブログと同じ文言が頻出した」とか、かなり紳士的な表現を使っていた。だが、次第に腹立たしくなり、両者を子細に読み比…

本ブログの“引用”について

本日発行の某新聞夕刊に新国立劇場《カヴァレリア・ルスティカーナ/道化師》の評が出ていた。当初はずいぶん自分と似た書き方をするなと思ったが、やがてそれは疑惑に変わる。私が初日(5月14日)の感想を書いた5月19日付けのブログと同じ文言が頻出したか…

新国立劇場オペラ[新制作]《カヴァレリア・ルスティカーナ/道化師》 素晴らしいプロダクション

新制作《カヴァレリア・ルスティカーナ/道化師》の初日を観た(5月14日 19時/新国立劇場オペラハウス)。 久々に素晴らしいプロダクション。ジルベール・デフロの演出がいい。オケ(レナート・パルンボ指揮)も、弦の響きに弾性があり、低音も充実。ブラ…

2013年12月〜2月感想メモ/BCJ『レクイエム』/新国立バレエ『くるみ割り人形』+厚木公演/日本バレエ協会『アンナ・カレーニナ』/新国立オペラ『カルメン』『蝶々夫人』/新日本フィル#105定演/現代能楽集VII「花子について」/ARCHITANZ 2014

そういうわけでたまった舞台の感想をまとめて簡単にメモする。 BCJ #105定演 モーツァルト『レクイエム』鈴木優人 補筆校訂(12月9日 19時/東京オペラシティ コンサートホール) 2006年モーツァルト・イヤーではアーノンクール指揮のウィーン・コンツェント…

新国立劇場オペラ《ホフマン物語》/ポップでアーティスティックなプロダクション/初日の客は反応が悪すぎ

《ホフマン物語》の初日を観た(11月28日/新国立劇場オペラハウス)。 作曲:ジャック・オッフェンバック(1819-80) 指揮:フレデリック・シャスラン 演出・美術・照明:フィリップ・アルロー 衣裳:アンドレア・ウーマン 振付:上田 遙(振付助手:キミホ…

北とぴあ国際音楽祭2013《フィガロの結婚》/アクシデントが顕在化させた舞台芸術の醍醐味

《フィガロの結婚》を聴いた(11月24日 14時/北とぴあ さくらホール)。 北とぴあ国際音楽祭2013 モーツアルト作曲 歌劇《フィガロの結婚》 セミ・ステージ形式/全4幕/イタリア語上演・日本語字幕付 指揮:寺神戸(てらかど) 亮 アルマヴィーヴァ伯爵:…

アリベルト・ライマンのオペラ《リア》日本初演/オール日本人キャスト・スタッフによる質の高い上演【追記】

《リア》の最終日を観た(11月10日 14時/日生劇場)。 日生劇場開場50周年記念 特別公演 二期会創立60周年記念公演/読売日本交響楽団創立50周年記念事業 オペラ《リア》日本初演> 全2部 原語ドイツ語上演(日本語字幕付) 原作:ウィリアム・シェイクスピ…

新国立劇場 オペラ《フィガロの結婚》/アンサンブルはよいが、歌の喜びは乏しい/再演演出の品質管理を

《フィガロの結婚》再演の初日を観た(10月20日 14時/新国立劇場オペラハウス)。 ホモキ版《フィガロ》は2003年の初演だが、今回の上演は何度目だろう。 指揮:ウルフ・シルマー 演出:アンドレアス・ホモキ 美術:フランク・フィリップ・シュレスマン 衣…

新国立劇場オペラ《リゴレット》新制作/美と醜の同居

2013/2014シーズンの新国立劇場オペラは新制作の《リゴレット》で開幕した(10月3日 19時/新国立オペラ劇場)。 [新制作] Giuseppe Verdi : Rigoletto ジュゼッペ・ヴェルディ/全3幕 【イタリア語上演/字幕付】 スタッフ 【指揮】ピエトロ・リッツォ 【演…

平成25年度 地域招聘公演 オペラ《三文オペラ》/オペラ批判のオペラをオペラ歌手が歌い演じると・・・

オペラ《三文オペラ》を観た(7月12日/新国立中劇場)。昨年10月にびわ湖ホール中ホールで上演された舞台らしい。 〝オペラ《三文オペラ》〟と書くとリダンダントだが、新国立劇場の「地域招聘オペラ公演」だからこう記さざるをえない。つまり、この《三文…

新国立劇場オペラ《夜叉ヶ池》/想像力を疎外する演出/海外に出せる日本のオペラを創るには

オペラ《夜叉ヶ池》の初日を観た(6月25日/新国立中劇場)。 [新制作/新国立劇場創作委嘱作品・世界初演] 《夜叉ヶ池》全2幕 Yashagaike (Demon Pond) 日本語上演/字幕付作曲:香月 修 Katsuki Osamu 原作:泉 鏡花 上演台本:香月 修/岩田達宗 指揮…

新国立劇場オペラ《コジ・ファン・トゥッテ》/モーツァルトの快活さが戻って来た

オペラ《コジ・ファン・トゥッテ》の初日を観た(6月3日/新国立劇場オペラハウス)。 このプロダクションは2011年5月の初演で、当時、震災・原発事故の影響から歌手が三名交代。指揮者も(昨日まで新制作《ナブッコ》を振っていた)パオロ・カリニャーニの…

新国立《ナブッコ》再見/オペラを日本の芸術として育てるために/今後は日本の映画監督の登用を

《ナブッコ》の演出を再確認したくて、売り切れのD券をネットで入手(5月25日/新国立劇場オペラハウス)。 席は3階右バルコニーのやや後方壁側。舞台はともかくオケピットは下手に陣取る弦バスが少し見える程度で、中央の指揮者はおろか、オケのほとんど…

新国立劇場オペラ《ナブッコ》/果敢な演出は大歓迎だが/mammonism vs. Nature

オペラ《ナブッコ》全4部の初日を観た(5月19日/新国立劇場オペラハウス)。 このオペラを観るのは2001年11月のアントネッロ・マダウ=ディアツのプロダクション(初演98年6月)以来。あのときは没後100年、今年は生誕200年で、奇しくも共にヴェルディ・イ…

新国立劇場 オペラ《魔笛》

《魔笛》の初日を観た(4月14日/新国立劇場オペラハウス)。 このプロダクションは1998年5月の初演以来、4回目の再演。個人的には初演を除き、2006年1月、2009年10月を経て、今回が3回目となる。 【指揮】ラルフ・ヴァイケルト 【演出】ミヒャエル・ハン…

東京春祭《ニュルンベルクのマイスタージンガー Die Meistersinger von Nürnberg》(演奏会形式・字幕映像付)

あっという間に4月が来た。3月26日に新国立中劇場で「Dance to the Future 2013」を観たがさほど心が動かず、感想は書かず仕舞い。3月29日金曜日のBCJによる《ヨハネ受難曲》はすばらしい演奏だったが、これも別の理由からアップせず。受難曲を聴くと、エヴ…

新国立劇場オペラ《アイーダ》/代役のラトニア・ムーアに感動/ヴェントレの高音はトランペット

新国立劇場オペラ《アイーダ》の初日を観た(3月11日)。 このプロダクションを見るのは何回目だろうか。正直あまり得意な演目ではないのだが、今回初めて心動かされた。 指揮:ミヒャエル・ギュットラー 演出・美術・衣裳:フランコ・ゼッフィレッリ 照明:…

新国立劇場オペラ《タンホイザー》 卓越した合唱/ヴォルフラム役のクプファーが出色/気が漲る東京交響楽団

今年初めて更新する。生来の無精に加え、このところ面倒な雑務に追われて、つい四週間もほったらかしにしてしまった。 思えば暮れに観た最後の舞台は12月23日の『音のいない世界で』(新国立小劇場)。今年最初の公演は1月11日の新日本フィルのトリフォニー…

新国立劇場オペラ《セビリアの理髪師》/音楽的求心力が不十分/カーテンコールは舞台と客席の対話である

新国立劇場オペラ《セビリアの理髪師》の再演を観た(12月1日)。初日はハーディング指揮の新日本フィル公演と重なったため、エクスチェンジサーヴィスでこの日に変更。 【指揮】カルロ・モンタナーロ 【演出】ヨーゼフ・E ケップリンガー 【美術・衣裳】ハ…

モリエール台本 音楽付きコメディ《病は気から》北とぴあ国際音楽祭2012/楽しい!/歌手も役者も水準が高い

モリエールの音楽付きコメディ《病は気から》を観た(11月23日/北とぴあ・さくらホール/セミ・ステージ形式/歌詞原語・台詞日本語上演/日本語字幕付き)。北とぴあ国際音楽祭は低料金で水準の高い舞台を提供してくれる。昨年の《コジ・ファン・トゥッテ…

新国立劇場オペラ 《トスカ》低血圧な音楽作り

プッチーニのオペラ《トスカ》の再演を観た(11月11日)。ごく簡単にメモしたい。 【指揮】沼尻竜典 【演出】アントネッロ・マダウ=ディアツ 【美術】川口直次 【衣裳】ピエール・ルチアーノ・カヴァロッティ 【照明】奥畑康夫 【トスカ】ノルマ・ファンテ…

能「隅田川」+教会オペラ《カーリュー・リヴァー》/ブリテンの教会寓意劇とその原作を連続上演/充実した希有な企画

能の「隅田川」とベンジャミン・ブリテンの教会オペラ(教会寓意劇)《カーリュー・リヴァー》を東京藝術大学の奏楽堂で観た(10月28日)。《カーリュー・リヴァー》はブリテンが日本訪問時に観た能の「隅田川」に触発され作曲した作品。プログラムによれば…