2013-01-01から1年間の記事一覧

小野寺修二 構成・演出『鑑賞者』

『鑑賞者』の初日を観た(8月29日 19時/あうるすぽっと)。 構成・演出:小野寺修二 脚本:高井浩子(東京タンバリン) 出演:斉藤悠、宮下今日子、小田直哉(大駱駝艦)、竹内英明、藤田桃子、南雲麻衣、山田真樹 美術:深沢襟 / 照明:磯野眞也 / 音響:…

小林紀子バレエ・シアター『マノン』2013

2011年に引き続き小林紀子バレエ・シアターが上演した『マノン』の初日を観た(8月24日 17時/新国立劇場オペラハウス)。 二年まえ島添亮子(あきこ)の相手はロバート・テューズリーだったが、今回は英国ロイヤル・バレエでプリンシパルを務めるエドワード…

【ザ・ファクトリー3】 さいたまゴールド・シアター×瀬山亜津咲 WORK IN PROGRESS/磨かれた魂の希有なタンツテアター

瀬山亜津咲がさいたまゴールド・シアターに振付・演出した〝ダンス公演〟を観た(8月15日 14時/彩の国さいたま芸術劇場 大練習室)。 【ザ・ファクトリー3】 WORK IN PROGRESS(ワーク・イン・プログレス) 演出・振付:瀬山亜津咲(Tanztheater Wuppertal …

新日本フィル #513 定期演奏会/アルミンクのラストコンサート/Auf Wiedersehen, Christian!

私はトリフォニー・シリーズ第1夜(金)の会員だが、今回は音楽監督アルミンクの最後のコンサートに立ち会うべく、第2夜(土)にも足を運んだ(8月2日 19:15・3日 14:00/すみだトリフォニーホール)。 アルミンク恒例のプレトークもこれが最後。曰く――マ…

BCJ #103定期演奏会 バッハ:世俗カンタータ・シリーズ Vol. 3『鎮まりしアイオロス』

BCJの第103回定期演奏会を聴いた(7月26日 19:00/東京オペラシティコンサートホール タケミツ メモリアル)。 第103回定期演奏会/バッハ:世俗カンタータ・シリーズ Vol. 3 『鎮まりしアイオロス』 J. S. バッハ: 《響き交わす弦による 一致する不一致よ…

バレエ・アステラス☆2013

「バレエ・アステラス☆2013〜海外で活躍する日本人バレエダンサーを迎えて〜」を観た(7月21日 13時/新国立オペラ劇場)。 ごく簡単にメモする。 バレエ・アステラス選考委員会・選考委員 安達悦子(東京シティ・バレエ団理事長) 岡本佳津子(公益財団法人井…

子供のためのシェイクスピア『ジュリアス・シーザー』/芝居の粋がここにある/高度にブレヒト的な舞台

山崎清介脚本・演出の『ジュリアス・シーザー』を観た(7月14日 15時/あうるすぽっと)。 作:ウィリアム・シェイクスピア(小田島雄志翻訳による) 脚本・演出:山崎清介 照明:山口 暁 音響:角張正雄 衣装:三大寺志保美 演出補:小笠原響 舞台監督:堀 …

平成25年度 地域招聘公演 オペラ《三文オペラ》/オペラ批判のオペラをオペラ歌手が歌い演じると・・・

オペラ《三文オペラ》を観た(7月12日/新国立中劇場)。昨年10月にびわ湖ホール中ホールで上演された舞台らしい。 〝オペラ《三文オペラ》〟と書くとリダンダントだが、新国立劇場の「地域招聘オペラ公演」だからこう記さざるをえない。つまり、この《三文…

英国ロイヤル・バレエ団<ロイヤル・ガラ>

昨日、英国ロイヤル・バレエ団<ロイヤル・ガラ>を観た(7月10日 18:30/東京文化会館)。 ごくごく簡単にメモする。 【第一部】 「ラ・ヴァルス」 振付:フレデリック・アシュトン/音楽:モーリス・ラヴェル 小林ひかる、平野亮一、 ヘレン・クロウフォー…

都響《戦争レクイエム》/せっかくの企画も、合唱団が・・・/オウエンの詩

ブリトゥン(ブリテン)の《戦争レクイエム》を聴いた(6月18日 19時/東京文化会館)。 第753回 定期演奏会Aシリーズ 《戦争レクイエム》作品66(1962) 作曲:ベンジャミン・ブリトゥン Edward Benjamin Britten(1913-76) 指揮:大野和士 ソプラノ:リー…

新日本フィル #511 定期演奏会/大野和士のブルックナー7番ほか

新日本フィルハーモニー交響楽団の第511回定期演奏会を聴いた(7月5日 19:15/すみだトリフォニーホール)。 ごく簡単にメモする。 シャリーノ Salvatore Sciarrino (1947- ) 『夜の肖像』Autoritratto nella Notte (1982) *日本初演 約10分 ツィンマーマン …

新国立劇場 演劇『象』/重苦しさが軽減

『象』の2日目を観た(7月3日 14時/新国立小劇場)。 『象』(1962/65) 作: 別役 実 演出: 深津篤史美術:池田ともゆき 照明:小笠原 純 音響:上田好生 衣裳:宮本宣子 ヘアメイク:鎌田直樹 演出助手:川端秀樹 舞台監督:田中直明 配役 病人:大杉 …

新国立劇場バレエ『ドン・キホーテ』全4キャスト/感慨深い公演/熱と温もりと送別

金曜日(7月5日)は新日本フィルの定演だった。錦糸町のトリフォニーホールへ出かけるついでに、会期があと三日に迫った『夏目漱石の美術世界展』目当てに上野へ立ち寄った。会場の東京藝大美術館はかなりの混みよう。蒸し暑いうえにあの人混みでは、絵に付…

新国立劇場オペラ《夜叉ヶ池》/想像力を疎外する演出/海外に出せる日本のオペラを創るには

オペラ《夜叉ヶ池》の初日を観た(6月25日/新国立中劇場)。 [新制作/新国立劇場創作委嘱作品・世界初演] 《夜叉ヶ池》全2幕 Yashagaike (Demon Pond) 日本語上演/字幕付作曲:香月 修 Katsuki Osamu 原作:泉 鏡花 上演台本:香月 修/岩田達宗 指揮…

新日本フィル #509 定期演奏会/ハーディングのマーラー6番/すべての楽音がむき出しに

新日本フィルハーモニー交響楽団の第509回定期演奏会を聴いた(6月21日/すみだトリフォニーホール)。 グスタフ・マーラー Gustav Mahler (1860-1911) 交響曲第6番イ短調「悲劇的」(初演1906)Symphony No. 6 in A minor "Tragische" I. Allegro energico…

マギー・マラン『Salves −サルヴズ』/ベンヤミンの「歴史の概念」など

マギー・マランの『Salves −サルヴ(ズ)』を観た(6月15日/彩の国さいたま芸術劇場 大ホール)。 演出・振付:マギー・マラン Maguy Marin 共同演出:ドゥニ・マリオット Denis Mariotte 出演:カンパニー・マギー・マラン Compagnie Maguy Marin ユリーズ…

文学座『ガリレイの生涯』/後味は悪くないが

文学座公演『ガリレイの生涯』の初日を観た(6月14日/あうるすぽっと)。 作:ベルトルト・ブレヒト 訳:岩淵達治 演出:高瀬久男 装置:石井強司 照明:賀澤礼子 音楽:芳垣安洋、高良久美子 音響効果:藤田赤目 衣裳:前田文子 舞台監督:寺田 修 演出補…

岩松了『不道徳教室』

岩松了 作・演出の『不道徳教室』初日を観た(5月29日/KAAT神奈川芸術劇場 大スタジオ)。 いろいろあって、だいぶ日にちが経ってしまった。今頃はシアタートラムか。感触を忘れないうちに簡単なメモを記す。 作・演出:岩松 了配役: 大森南朋(山城) 二…

新国立劇場ダンス『フランス印象派ダンス Trip Triptych』/変化と創意に富んだ作品群/創作家としての才能が開花

『フランス印象派ダンス Trip Triptych』の初日を観た(6月7日/新国立中劇場)。 演出・振付・出演: 平山素子 美術:杉山至 証明:足立恒 音響:河田康雄 音楽監修:笠松泰洋 衣裳:堂本教子 舞台監督:柴崎大 アーティスティック・コンサルタント:デヴィ…

新国立劇場 演劇『つく、きえる』

シリーズ「With ─つながる演劇・ドイツ編─」『つく、きえる』の初日を観た(6月4日/新国立小劇場)。 作:ローラント・シンメルプフェニヒ 翻訳:大塚 直 演出:宮田慶子 美術:土岐研一 照明:佐藤 啓 音響:長野朋美 衣裳:高木阿友子 ヘアメイク:川端富…

新国立劇場オペラ《コジ・ファン・トゥッテ》/モーツァルトの快活さが戻って来た

オペラ《コジ・ファン・トゥッテ》の初日を観た(6月3日/新国立劇場オペラハウス)。 このプロダクションは2011年5月の初演で、当時、震災・原発事故の影響から歌手が三名交代。指揮者も(昨日まで新制作《ナブッコ》を振っていた)パオロ・カリニャーニの…

イェール大学合唱団&ジュリアード音楽院古楽オーケストラ演奏会/教育者 鈴木雅明

J. S. バッハの《ミサ曲 ロ短調》BWV 232 を聴いた(6月2日/東京藝術大学 奏楽堂)。 指揮は鈴木雅明、演奏はイェール大学スコラ・カントールム合唱団(Yale Schola Cantorum)およびジュリアード音楽院古楽オーケストラ(Juilliard 415)。全席自由とはい…

BCJ #102定期演奏会:復活祭の初期カンタータ集/空気がいつもと違う/プログラムの対訳について一言

BCJの第102回定期演奏会を聴いた(5月31日/東京オペラシティコンサートホール タケミツメモリアル)。 教会カンタータ・シリーズ Vol.65【復活祭、精霊降誕祭の初期カンタータ集】 オルガン前奏 J. S. バッハ(1685-1759): プレリュードとフーガ ハ長調 B…

新国立《ナブッコ》再見/オペラを日本の芸術として育てるために/今後は日本の映画監督の登用を

《ナブッコ》の演出を再確認したくて、売り切れのD券をネットで入手(5月25日/新国立劇場オペラハウス)。 席は3階右バルコニーのやや後方壁側。舞台はともかくオケピットは下手に陣取る弦バスが少し見える程度で、中央の指揮者はおろか、オケのほとんど…

新国立劇場オペラ《ナブッコ》/果敢な演出は大歓迎だが/mammonism vs. Nature

オペラ《ナブッコ》全4部の初日を観た(5月19日/新国立劇場オペラハウス)。 このオペラを観るのは2001年11月のアントネッロ・マダウ=ディアツのプロダクション(初演98年6月)以来。あのときは没後100年、今年は生誕200年で、奇しくも共にヴェルディ・イ…

新国立劇場 演劇『アジア温泉』/「ロミ&ジュリ」のアジア版/韓国人俳優のパトス

シリーズ「With——つながる演劇・韓国編——」『アジア温泉』の初日を観た(5月10日/新国立中劇場)。 作:鄭 義信 Chong Wishing 演出:ソン・ジンチェク Sohn Jinchaek 翻訳:パク・ヒョンスク Park Hyunsook 美術:池田ともゆき 照明:沢田祐二 音楽:久米…

新国立劇場バレエ『ペンギン・カフェ 2013』

ブログを始めて13ヶ月。記事数は80篇。けっこう書いたものだ。対象とする舞台芸術のジャンルが複数に亘るため、このさい演劇・オペラ・バレエ・ダンス・コンサートの五つのカテゴリーに整理してみた。今後は劇場文化を考えるうえで参考となる本についてもメ…

新日本フィル #507 定期演奏会/アルミンクの変化/収穫のとき

昨夜、新日本フィルハーモニー交響楽団の第507回定期演奏会を聴いた(4月19日/すみだトリフォニーホール)。指揮はクリスティアン・アルミンク。 前半は清水和音のピアノでブラームスのピアノ協奏曲第2番変ロ長調 op.83。後半はシューマンの交響曲第4番ニ短…

《無限大∞パイプオルガンの宇宙—バッハから現代を超えて》オルガンとダンスのコラボ/撓やかなオルガン/ダンスへの異和

《無限大∞パイプオルガンの宇宙—バッハから現代を超えて》を観た(4月12日/東京芸術劇場コンサートホール)。 構成・演出・振付・照明:勅使川原三郎 ダンス:勅使川原三郎、佐東利穂子、KARAS オルガン:鈴木優人 演奏曲目: 即興(M) J. S. バッハ(168…

新国立劇場 オペラ《魔笛》

《魔笛》の初日を観た(4月14日/新国立劇場オペラハウス)。 このプロダクションは1998年5月の初演以来、4回目の再演。個人的には初演を除き、2006年1月、2009年10月を経て、今回が3回目となる。 【指揮】ラルフ・ヴァイケルト 【演出】ミヒャエル・ハン…