2013-02-01から1ヶ月間の記事一覧

ミンコフスキ指揮レ・ミュジシャン・デュ・ルーヴル - グルーノブル/聴きごたえのある二つの「未完成」

マルク・ミンコフスキが率いるレ・ミュジシャン・デュ・ルーヴル - グルーノブルの演奏会を聴いた(2月22日/東京オペラシティ コンサートホール:タケミツ メモリアル)。 このオケは2009年に初来日したが、古楽のイメージとは裏腹によい意味でアバウトとい…

BCJ第100回定期演奏会【教会カンタータ・シリーズ 全曲達成記念】

バッハ・コレギウム・ジャパンの第100回定期演奏会を聴いた(2月24日/東京オペラシティコンサートホール タケミツ・メモリアル)。この公演でバッハの教会カンタータ全曲録音・演奏が達成された。 公演プログラムに「BCJ定期演奏会 第1〜100回のあ…

新国立劇場バレエ『ジゼル』(2)ジゼルが狂乱した理由/死者を生きた米沢唯/幽玄美

新国立劇場バレエ『ジゼル』の三キャスト目を観た(2月23日)。 音楽:アドルフ・アダン 振付:ジャン・コラリ/ジュール・ペロー/マリウス・プティパ 改訂振付:コンスタンチン・セルゲーエフ 美術:ヴャチェスラフ・オークネフ 照明:沢田祐二 指揮:井田…

新国立劇場バレエ『ジゼル』(1)初日はドラマティック/二日目はロマンティック

新国立劇場バレエの『ジゼル』を二つのキャストで観た(2月17日/2月20日)。土曜日には三つ目のキャストを観る予定だが、とりあえず二回の公演についてメモする。 音楽:アドルフ・アダン 振付:ジャン・コラリ/ジュール・ペロー/マリウス・プティパ 改訂…

カンパニーデラシネラ『異邦人』/ストーリー・テラーの才能

カンパニーデラシネラ『異邦人』を世田谷パブリックシアターで観た(2月14日)。再演らしいが、今回はじめて見た。ごく簡単にメモする。 [原作]アルベール・カミュ [翻訳]窪田啓作(新潮文庫刊) [構成・演出]小野寺修二 [テキスト協力]小里清(フラ…

サミュエル・ベケット『消滅するまえに…』劇団マウス オン ファイア /新世代のベケット?

アイルランドの劇団マウス オン ファイア Mouth on Fire による『消滅するまえに…』Before Vanishing . . . を観た(2月16日15:00/シアターX)。公演はベケット後期の4作から成る。「大事な視覚的要素の邪魔になる」(カハル・クイン芸術監督)ため、字幕…

ハーウッド作『テイキングサイド』Ronald Harwood, TAKING SIDES/深みに欠ける舞台/ドラマトゥルクの必要性

ロナルド・ハーウッド作『テイキングサイド〜ヒトラーに翻弄された指揮者が裁かれる日〜』の初日を観た(2月1日/天王洲 銀河劇場)。 戦時下の音楽家を扱う本作はそのテーマ(危機と芸術の問題)に惹かれ、原書で親しんできた。劇団民藝が『どちらの側に…